UX新潟テレビ21高校野球取材日記!公開中!
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監督は穏やかな表情だった。大会中にたびたび見せた険しい表情はなくなっていた。勝つべくして勝った。確かにそうかもしれない。でも、勝つべくして勝てるほど甘くはない。本人のプレッシャーがどれだけのものだったか。
「春、甲子園に行った。でも、春と夏ではまったく違う。夏の甲子園は、暑い。きっとグランドは40度くらいあるんじゃないか」
監督は、選手全員を集めて話し始めた。ゆっくりと諭すような、優しい語り口だ。
監督は、甲子園をよく知っている。
1959年第41回高等学校野球選手権。当時、高校3年生だった監督はエースとしてチームを率いて甲子園のマウンドにたち、すべての試合を1人で投げぬいた。初戦は2回戦、2対1。接戦。続く準々決勝1対0。これも接戦。さらに迎えた準決勝2対1、延長10回のゲームを投げぬいた。そして、決勝。2点を先制されたチームは4回同点に追いつく。ゲームは延長へ。迎えた延長15回表。6点を取られた。2対8。甲子園準優勝。
息つくまもない連投。1球も気を抜けない接戦の連続。真夏の、灼熱の、あの甲子園のマウンドで、すべて1人で投げぬいたのだ。
「夏の甲子園は、独特だ。野球をやっている選手全員を連れて行ってあげたい。経験させてあげたい思う。でも、それはできない。負けていった学校の選手たちは無念だよね。だから、うちらが、新潟代表になったんだから、その子たちの分までがんばってこないとね」優しさを目元に漂わせながら監督は話している。本当に穏やかな表情だ。
出発は来月2日。監督は選手とともに、再びあの甲子園のグランドに立つ。





