当初は批判的な意見が多かった「定額給付金」。しかし支給が始まり、受け止め方にも変化が出てきている。1万2千円、18歳以下と65歳以上は2万円が支給される定額給付金は、県内でも、ほとんどの自治体で支給が始まっている。最も遅いのは新潟市で5月中旬以降の予定だ。

定額給付金を当て込んだ「商戦」が正念場をむかえる。各自治体では、地元でお金を使ってほしいと「プレミアム商品券」を発行。千円から3千円程度のプレミアムをつけた商品券を1万2千円で販売している。県内では23市町村で発行。ちなみに、昨年度中に自治体独自で発行していた佐渡市、聖籠町、川口町、関川村のほか、新潟市、出雲崎町、刈羽村、粟島浦村では発行予定はない。企業では、家電量販店、デパート、スーパーなどで各種セールが。航空会社では割引チケット。旅行会社やホテルでも定額給付金プランやパックを企画している。定額給付金「商戦」は激しさを増している。
(下写真)妙高市:赤倉温泉「ニューふじや」0255-87-2150
スキー観光が中心の赤倉温泉では、この冬、暖冬の影響で客足が減少。さらに6月までは閑散期となる。このため、妙高市観光協会は、加盟するホテルや旅館に対して、「定額給付金」にちなんだプランの設定を提案。これを受けて、格安プランを提供している宿の1つが「ニューふじや」だ。そのプランは、平日限定ながら1泊2食2人で12,000円というもの。去年秋、経営改善をめざし、支配人をはじめ多くのスタッフを入れ替えて再スタートをきったが、打開策が見出せずにいた。そこで「わらにもすがる」思いで「定額給付金プラン」を企画。その思いが届いたのか、現在は、ほぼ毎日「給付金プラン」の問い合わせを中心に予約が入っている。6月末まで、すでに前年比を大幅に上回る予約が入ったという。「ニューふじや」は、これを足がかりに次の経営戦略につなげたいと意気込んでいる。
(左写真)弥彦村
各自治体、企業の工夫や知恵が経済の活性化につながるか。期待感はあるが、実際に効果が出るかどうかは、ゴールデンウィークが始まるこれからにかかっている。かつて「地域振興券」による景気浮揚策がとられたが、結果やその効果が明確に検証されたとは言い難い。その反省をふまえ、今回の「定額給付金」については、行政やマスメディアがしっかり検証することも課題といえるのではないか。加えて、定額給付金を狙った詐欺には、十分に気をつける必要がある。

湯沢町を中心にフリーバスガイドとして活躍する「にいがた観光カリスマ」なぐも友美さんが、大観光交流年の今年、観光客増加に向けて復権をめざす佐渡を訪ねた。佐渡の観光客は1991年の約121万人をピークに、去年は約60万人と半分にまで減少している。しかし実際は、長期滞在型で楽しむ人が増えてきているなど、佐渡旅行の仕方が多様化。そういった旅行客に対応していこうと、楽しみ方が増えてきているのも事実だ。

「城南窯」0259-57-2368 「こさど」0259-55-4004
「ここでしか体験できない」「ここでしか味わえない」というものを発信するのが、上写真の2人。左が「城南窯」の陶芸家、池田早季恵さん(29)。新大工学部卒業後、佐渡に戻り、父(脩ニさん)に弟子入りして7年。念願だったギャラリーカフェを3年前からスタートさせた。創作活動のかたわら、佐渡のローカルテレビに出演するなど活動の幅を広げている。カフェには数々の陶芸品が展示されていて、工房で作られたカップやお皿でコーヒーやケーキを味わうことができる。父、脩二さんのオカリナ演奏会や教室なども開かれている。早季恵さんは「佐渡は伝統と体験。伝統を踏まえた佐渡でしかできないオリジナリティーをいかせれば佐渡は変わることができる。私が変えます」と意気込む。
上写真の右は「レストラン&バーこさど」の伊藤善行店長(34)。特技はフレアバーティング。地元の常連客や観光客で昼も夜も賑わう洋食店で見つけたのは、伊藤店長が考案した「アートカフェオレ」。「プラスアルファの何かがないと」と多くのメニューを開発しているが、コーヒーの上にミルクを浮かべ、その上にチョコレートで描く伊藤店長の絵は、まさに芸術作品だ。「楽しいと思うところに人は集まってくるのではないか」と伊藤店長。
温泉がたくさんあるイメージはあまりない佐渡。ところが島内には「佐渡温泉郷」といえるほど、特徴のある温泉が豊富だ。島内にある温泉の宿・ホテル・施設の数は30を超えるという。中でも、佐和田温泉「入海」の温泉の色は黒。モール泉と呼ばれ古代の植物が化石化した炭の影響で黒くなるという。温泉ソムリエの称号も持つ、なぐも友美さん絶賛の湯だ。
佐和田温泉「入海」0259-52-3521
佐渡にも「にいがた観光カリスマ」がいる。鼓童に在籍しながら、佐渡の夏には欠かせないイベント「アースセレブレーション」などの演出も手掛ける、菅野敦司さん(52)。「旅をする人は、ただお金で体験を買うというより、何か自分の心に残る大切な思い出を見つけたり、触れたりすることを楽しみにしている」と語る。

「佐渡太鼓体験交流館」0259-86-2320 御宿「花の木」0259-86-2339
菅野さんが事務局長を務める「鼓動文化財団」が管理する佐渡太鼓体験交流館には、多くの小学生が修学旅行などで利用している。「1度利用した子供たちが大きくなったとき、再び訪れてくれるとうれしい」と菅野さん。交流館には、太鼓を指導する楽しい 先生が待っている。
小木(宿根木)にあるリピーターの多い宿が「花の木」。150年前の民家を移築、復元して15年前に宿を始めたのが、女将の渡辺明子さん(54)。年に4回開かれる「花の木コンサート」は、島内外の人が会員となって友の会を結成するなど人気だ。有名なアーティストが続々とやってくる。4月12日夜には今年1回目のコンサートが開かれ、国内トップのフラメンコ舞踊団の演技に訪れた人たちは酔いしれた。木造の和風建築の中で迫力のあるフラメンコは、独特の雰囲気を醸し出した。ただの宿泊施設にとどまらず、鼓童のメンバーらも出入りしていて、地域の文化的な発信基地にもなっている。女将さんの渡辺さんは「佐渡は美しいところ。楽しんでもらったり、体が少しでも元気になったり、良い気持ちで帰ってもらえるようにしている」と話す。
佐渡を元気にする人たち。マンネリ化した佐渡観光のイメージをくつがえす力を見せている。佐渡を旅する上での、本来の楽しみ方を提案しているとも言えるのではないか。伝統芸能や自然、食など、もともと豊富な観光資源を持っている佐渡。多くの観光客を集めた過去にとらわれず、今の佐渡の魅力をそのまま全面に出すことで、十分に魅力が伝わるのではないか。情報の発信力が問われているが、まずは島内や新潟県の人が佐渡の魅力を知り、口コミで広げていくことが最も早くて有効な手段なのかもしれない。ゴールデンウィークを控え、 観光シーズンが到来。まずは、佐渡に行ってみては。

新潟市を拠点に活動する「野菜ソムリエ」木村正晃さんがスタジオ生出演。食料自給率アップをめざして、国などが取り組む「Food Action Nippon」の応援団の1人としても活動している木村さんは普段、新潟市西区のイタリアレストラン「A alla Z(エー・アッラ・ゼータ)」の専属野菜ソムリエとして、地元の農家と積極的に交流し、旬の野菜や果物の魅力を発信。講演会や勉強会を通じて、消費者に野菜の知識だけではなく、生産者の声を伝えている。その木村さんを密着取材した。

木村さんが訪ねたのは、新潟市北区の農家、そが しんいち さん(31)。主にフルーツトマトを生産している。「おいしいトマトを作るのは難しいから、まだ研究中」と、そがさん。ポイントは水分の調節だという。おいしさの目印は、熟する前の緑の段階でスターマーク(トマトの尻から放射状に広がる線)がくっきり出ているもの。1株で糖度5のものは約6キロ収獲できるが、糖度10~12のものは2キロ以下しか収穫できず、単価も3倍の計算になるという。(下写真はそがさんが作ったフルトマ)

農家の長男として育ったそがさんは農家を継ぐのが嫌だったという。大学卒業後、海外を転々とし、アメリカ、アフリカ(コートジボアール、セネガル)、フランスで農業を体験。これが刺激となって、農家を継ぐ決心をした。その経験や農業の今を赤裸々に綴ったそがさんが書いた本「がちんご農業生活」(発行元:ブルース・インターアクションズ)が話題に。インターネット上でもブログ「フリョウ ノウミン」が人気を集めている。新進気鋭の若手生産者だ。そがさんは、作った野菜の8割を自宅の直売所を含めた地元6ヵ所の直売所に出荷している。直売所を経営することについて「お客さんのリアクションがあると寂しくないし、次にこういうものを作ろうとフィードバックできる。その流れがあるだけで、割の悪い職業だけど、農業をやろうと思えるんです」と語る。消費者が、生産者からの情報を得ることで食の安心を感じるように、生産者にとっては、消費者の声が大きな励みになっているというわけだ。この不況で、農業が注目されていることについて、そがさんは「若い人が農業をやろうと思うのはすごくいいことだけど、やる前にどうしたらいいか分からないようではやれない。何かやろう、変えようという前向きなスタンスじゃないと・・・」と農業の厳しさを指摘する。31歳の若き生産者は、新しい農業の形を模索中だ。
野菜ソムリエの木村正晃さんは、月1回、旬の野菜を使った新作料理の試食会を開催している。その会には、木村さんと交流のある若い生産者も集まる。そがさんもその1人。そがさんのフルーツトマトをメイン食材にした試食会では、コシヒカリの米粉でフルーツトマトを天ぷらにし、揚げたパスタの上にのせた斬新なアイデア料理など、全6品が出された。参加した若い生産者たちは、舌鼓を打ちながら会話をはずませた。木村さんの試食会は、貴重な情報交換の場にもなっている。
他国と比較して日本の農業の高齢化は際立っている。こうした中、野菜ソムリエの木村さんは、消費者と生産者をつなぐだけではなく、生産者同士もつなぐ役割も担いながら、将来の新潟の食文化の役に立ちたいと意気込む。地元野菜の魅力や生産者の現状を発信することで、消費者にもっと食べることに興味を持ってもらいたいと訴えている。地元で作られた野菜を食卓に並べることは、農業に関心を持つきっかけにもなるはずだ。
★木村さんが専属野菜ソムリエのイタリアレストラン
「A alla Z(アー・アッラ・ゼータ)」新潟市西区山田3378 ☎025-232-1122
新潟市中心街「古町」に200年以上の歴史を刻む芸妓文化。新潟は今年「大観光交流年」。県外や海外からのお客さんをもてなす古町芸妓の活躍に期待が高まっている。この伝統の世界に、この春、2人の新人が飛び込んだ。

上の写真、右が渡辺莉菜さん(18)、左が渡邉亜弓さん(18)。2人とも高校を卒業したばかりだ。日本舞踊「市山流」家元の指導のもと、すでに稽古を始めている。「踊りは難しい」と話す2人。古町芸妓は存続の危機を乗り越えてきた。1987年に「柳都振興株式会社」が設立され、芸妓を社員化するという全国で初めてのアイデアで伝統が守られてきた。全盛期は300人から400人いたという芸妓。現在、柳都振興の社員8人(新人2人を含む)のほか社員以外の19人をあわせ27人になっているという。こうした中、この春入社した2人には期待が寄せられている。柳都振興の中野進社長は「末永くこの仕事を続けることは、新潟における使命だと思う。2人の入社はフレッシュなことで期待する」と話す。

古町芸妓にとっては今年、芸妓文化をPRするチャンスでもある。一般市民や子供たちにも、もっと身近に感じてもらおうと、今年に入ってから積極的な活動を展開している。ポストカードなどのグッズ販売のほか、小学校での出前授業も行われた。さらに今後は、低価格で芸妓の踊りを楽しめるイベントも計画されている。こうした取り組みや、観光イベントに一役買うことで、芸妓文化が見直されるチャンスになる可能性がある。「古町」の活気を取り戻すために、再び芸妓が歩く姿が似合う町づくりという考え方はどうだろうか。かつて、祇園や赤坂、新橋などと並び称された「古町芸妓」の文化。しっかりした伝統があるからこそ守る価値がある。この春、伝統の世界に飛び込んだ若い2人は、早ければ4月末にもお座敷にデビューするという。就職活動で会社説明会に参加して入社を決心したという新人芸妓の2人が、今後どんな新しい風を吹かせてくれるのか楽しみだ。
3月28日高速道路のETC割引がスタートした。東京や大阪の大都市圏を除く高速道路は、ETCをつけた普通乗用車、軽自動車、二輪車が1,000円で利用できる。

3月12日からETC購入への助成が始まり、カー用品店にはETCを求めるお客さんが殺到。すでに在庫切れの状態で、高速道路ETC割引への関心や期待の高さがうかがえる。高速道路の長さが全国で2番という新潟県。新潟西ICを出発して能生ICまでは通常、片道3,650円、往復7,300円。1,000円で往復できれば5,300円浮く計算だ。能生で1杯1,000円のカニを5杯買えることになる。
この割引をチャンスととらえ、全国に先駆けた企画を始めるのが、お隣の福島県だ。「ふくぱす」というチラシを新潟など隣県や首都圏の高速道路SA、PA、また国道の道の駅などに配布。これを持って福島県内の観光施設や温泉旅館、ガソリンスタンドなどに行くと、割引のサービスが受けられるというものだ。160もの団体が協賛していて、さらに増える見込み。大々的な誘客作戦に乗り出した格好だ。新潟県ではまだ県単位での企画はない。行政だけではなく民間レベルでも、知恵やアイデアを出して、多くの県外客の取り込みを図りたいところだ。

3月28日(土)午前11時前 北陸道新潟西IC上空
「高速道路1,000円」初日は大きな混雑はなかった。