不況による雇用悪化の影響で農業への関心が高まる中、日本農業の将来について様々な議論が始まっている。若き就農者たちは、どんな未来像を描きながら、今、農業と向き合っているのか。
松本伊代さん(23)。農業の世界に飛び込んで4年目をむかえた今年、初めて田植え機の運転を任された。福島県出身。短大で農業を学び、卒業後、叔父の保坂一八代表が経営する「グリーンファーム清里」(上越市清里区)に就職した。社員12人の中で一番若い彼女だが、この農場に新しい風を吹かせている。彼女の提案で2年前にスタートした国際援助米の活動。ボランティアのため収入には結びつかないが、スタッフ全員が協力して取り組んでいる。コメはアフリカ、マリ共和国に送られるという。「国際貢献に興味があって、農業でなら今の自分にでもできるのではないか」と松本さん。さらに、今年2月には農場のホームページも立ち上げた。「顔の見える販売、今の農場の様子を伝えられたら・・・」と、作業の様子をカメラに収め、ほぼ毎日ホームページを更新している。


グリーンファーム清里<HPアドレス>http://greenfarm-kiyosato.com
「農業は、ただ土臭いだけじゃなく、いろんなことを実現できる深い魅力がある」と話す松本さん。その生き生きした表情は、農業の未来を明るく照らしているようだ。
こうした中、今、コメ作りは転換期をむかえている。本格的な議論が始まった「減反政策見直し」だ。
「減反見直し」を打ち出した 石破 茂 農水大臣

農水省の試算によると「減反廃止」によるコメの市場価格は、「減反現状維持」と比較すると、約半額にまで急落する見通しだという。過剰な価格競争が懸念されるわけだ。
グリーンファーム清里の保坂代表は、「平場で条件の良い圃場の農家は、安い費用で生産できるから、ある程度価格が下がっても耐えていけるけど、私たちのような中山間地にあるコストがかかる圃場では、価格競争には勝てない」と心配する。年老いた農家が手放した田んぼを数多く引き取り、コメ作りを続けている保坂代表。一度荒れてしまった田んぼは、簡単には元に戻せないだけに、若い世代に未来を託すためにも、今、岐路にたたされている格好だ。ただ「若手がいれば知恵を出して打開してくれると思う」と期待もしている。
減反政策には年間2000億円の予算がつけられている。このお金を有効に利用しながら、農家のやる気を高め、かつ農家の所得も確保できる、具体的な改善策を見出さなければならない。そうしなければ、若き就農者たちに明るい未来像は描けない。日本の農業は65歳以上が60%に達している。未来を担う若い世代が、元気にコメ作りをすることができる環境を整えてほしいと願う。
消費者の購買意欲UPを!アイデアあふれる下取りセールが人気を集めている。
長岡大和「下取りフェア」6月30日まで
デパートの下取りセールでは、いらなくなったスーツやシャツ、靴、バッグを持ち込む利用客で賑わっている。5月21日から始まった長岡大和の「下取りフェア」もその1つ。ブラウス・Yシャツ・靴・バックなら1点1,050円、スーツなら1点5,250円のお買物券と交換できる。お買物券は、長岡大和店内(一部売り場を除く)で、5,250円以上(スーツは31,500円以上)買い物すると、1点につき1枚利用できる。

普通なら有料のゴミ袋に入れて処分するところ、下取りセールを利用すると、新しいものを買う予算の足しにできるというわけだ。デパート側は、下取りに出されたものを代わりに処分することになるが、その負担費用以上に、もっと多くの人に商品を買ってもらうことで売上アップを図りたい狙いがある。長岡大和の「下取りフェア」は初日だけで約80点ほどが持ち込まれ上々の出足となったようだ。この下取りセール、最近はどんどん広がりを見せている。
アパートメントデザインストア025-225-1950
新潟市中央区西堀4のアパートメントデザインストアでは先月から自転車の下取りセールをスタート。古い自転車を3,000円で下取り、新しい自転車を買う予算の足しにしてもらおうというサービスだ。下取りした自転車はリサイクル業者へ。その費用は店で負担する。
ビックカメラ新潟店(025-248-1111)では、5月6日に始めた下取りセールが好評で5月末まで延長している。魅力なのは、最低限の付属品があって電源さえ入れば定額買取してくれるところ。そのため、査定時間も5分程度と短い。お金はその場で現金でもらえる。対象商品はゲーム機、デジカメ、テレビ、パソコンなど豊富。最高額は2万円だ。利用客の中には、浮いたお金を使って、容量の大きいメモリーカードを買ったり、周辺機器のレベルアップに使う人もいるようだ。ビックカメラでは、下取りに出された商品をリサイクルにまわすか、ばらして部品だけを再利用している。新しいビジネスチャンスの面でも手ごたえを感じているという。

古いノートパソコンを処分して、新しいものを10万円で購入する場合、ビックカメラの下取りサービスを利用すると、回収リサイクル料金がかかる通常の場合と比べて、9,150円も得をする計算になる。
不況の中、各企業とも消費喚起を目指しているが、下取りセールは、特にアイデアあふれる企画が続々と登場していて、利用客の人気も高い。それは、企業側にも消費者側にも、お互いにとって有益なサービスという特徴があるからなのではないか。県内では他にも、スーパーや紳士服専門店などでも下取りセールが行われている。ますます広がりを見せると思われる下取りセール。情報をチェックして上手に活用してみては。

国の調査(2006年度)によれば、日本人の44%がウォーキングをしているという。その人口は今、どんどん増え続けている。県もメタボ対策の一環としてウォーキングを推奨。県内44ヵ所のウォーキングロードをまとめた「健康ウォーキングロードマップ」は、1万5千部がすぐになくなるほどの大好評。路面が整備され、案内板があり、トイレや休憩所があるといった登録基準を満たすウォーキングロードが新潟県内にはたくさんある。
<問い合わせ先>県健康対策課 県「健康にいがた21」ホームページからダウンロード可能 http://www.kenko-niigata.com/21
ウォーキングのポイント①必ず準備体操②背筋を伸ばして(腹と背中を上に持ち上げるような意識で)③足はかかとから着く(バタバタ歩きはひざに負担)④ひじを後ろに引く意識で腕を振ってリズムよく⑤肩の力を抜く⑥目線は少し遠くを見る感じで⑦水分補給を忘れずに⑧整理体操(ストレッチ)
自然を感じながら気持ちも癒してくれる。
ブームに乗って続々と新しい関連商品が登場している。

特に万歩計の進化には驚く。形だけでなく機能の種類も豊富だ。燃えた脂肪がグラムで分かるものや、ウォーキングを夜に行う女性に人気の防犯ブザーつきのもの。さらに、歩いたデータをパソコンで管理できる商品もある。シューズは比較的シックな色合いの商品が多い。これは通勤時に使用する人が多く、スーツでも合わせられる色やデザインが人気だからだ。ひざへの負担を軽減してくれる機能がついたものなど、新商品の多くは靴底に工夫が施されている。また、腕などに装着して音楽プレーヤーを入れておくことができる小物や、マフラーのように使えるタオルなど、カラフルな関連商品を自分らしくそろえて、おしゃれ感覚でウォーキングを楽しむ人たちも多い。
タオルマフラー1,050円
このブームは団塊世代のリタイアにも影響がありそうだ。生活習慣病を抱えたまま第一線を退いた団塊世代が、お金をかけずに健康のために取り組むものとしてウォーキングは最も適しているからだ。この世代の夫婦が一緒にウォーキングする姿も多く見られる。国は、国民医療費33兆円(2006年度)の3分の1を占める生活習慣病にかかる費用を削減するため、メタボ対策に乗り出した。去年4月に始まったメタボ検診は話題になったが、それ以降、健康志向がさらに高まったのは確か。ウォーキングブームの背景は、こんなところにありそうだ。

■健康づくり・スポーツ医科学センター(予約制・月曜休館 025-286-8806)
気軽に始められるが無理をしては逆効果。東北電力ビックスワンの中にある「健康づくり・スポーツ医科学センター」で歩行測定ができる。医学的な検査や体力測定の結果に応じて、専門のスタッフがマンツーマンで指導をしてくれる施設だ。まずは、年齢や安静時心拍数などを計算式にあてはめて目標心拍数を設定する。予測最大心拍数の40%から60%の範囲が、効果的なウォーキングだといわれている。小山アナの場合、目標心拍数は125と設定された。その後の歩行測定をすると125では負担が大きいため、目標心拍数は119という修正結果が導き出された。実際に測定しなければ知ることができない自分のレベル。特に、本格的にウォーキングを始めたいという人は、試してみてはどうだろうか。新緑が美しいシーズン。ウォーキングを始めるには、最も良い季節だ。
5月5日、元佐渡トキ保護センター長の近辻宏帰さんが食道ガンで亡くなった。66歳だった。

近辻さんは1967年、24歳の時、佐渡トキ保護センターの開設にあわせ、絶滅が危惧されるトキを守るため、東京から見知らぬ佐渡にやってきた。県の職員として、トキとの生活が始まる。当時はまだ野生のトキが10羽ほどいたという。初めて見たトキの美しさに「感激と同時に、これからこの鳥を守り、増やしていかなければいけないという重みを感じた」という。

野生のトキは年々減り続け、1981年、ついに残った5羽は全鳥捕獲される。この瞬間から、人工繁殖に向けた近辻さんの苦難の道のりが始まる。1984年のインタビューでは、「薄氷を踏むような思いで仕事をしている。まず産卵、1つでもいいから産んでもらいたい。そしてトキが、ある程度の数になったら、元の自然に放してやるというのが夢として根底にある」と話している。しかし失敗の連続だった。死んでいくトキ。いつしか、佐渡トキ保護センターや近辻さんに対しての非難の声が高まっていた。近辻さんのパートナーとして12年間一緒に働いた金子良則獣医師(現在もトキ保護センターで活躍中)は「戦犯呼ばわりされることもあった。近辻さんがいたから乗り切れた。常に前向きで弱音は聞いたことがない」と当時を振り返る。また、佐渡とき保護会の佐藤春雄さん(90)は「人工飼育には反対だったが、近辻さんが黙々とバケツをかついで世話をして、トキを守ってくれた第一人者だと心の中ではずっと思っていた」と話す。

月日は流れ全鳥捕獲から18年後の1999年、ついに苦難を乗り越えるときが訪れる。中国から「友友(ヨウヨウ)」「洋々(ヤンヤン)」ペアをむかえると、その5月、国内初のトキの人工繁殖に成功した。「優優(ユウユウ)」の誕生だ。この日、「最大の感動を味わった」と語った近辻さん。この後、人工繁殖は軌道に乗り、トキは徐々に増えた。1993年に佐渡トキ保護センターを定年退職した近辻さんはトキ博士として子供たちにその魅力を伝えながら、裏方として野性復帰に向けた活動を支え続けた。

明るい笑顔の影で、実はおととし(2007年)、食道ガンが見つかっていた。それでも治療をしながら活動を続けた。夢にまで見たトキ放鳥の日が迫っていたからだ。

秋篠宮ご夫妻の介添えに立った近辻さんの手でそっと押されて、トキが大空へと羽ばたいた。放鳥直後、近辻さんは「私はトキを信じている。佐渡の風土、人になじんでくれると確信している」と話した。放鳥したトキのことを常に気にかけながら、入退院を繰り返しつつも、将来のトキのためにと会議に出席して意見をあげ続けていたが、4日夕方に体調が急変し、そのまま帰らぬ人となった。金子獣医師は「最初にご苦労さまと。でもまだちょっと早すぎる感じ。永遠に佐渡に残る足跡を残した」と。佐藤春雄さんは「天国に行って、かわいがっていた亡くなったトキたちと一緒に安らかに眠ってほしい」と。試験放鳥に尽力した環境省の岩浅有記さんは葬儀に参列し「今こうやってトキが頑張っているのは近辻先生のおかげ。先生ありがとうございましたと伝えた」と話した。「やり遂げた思いもないし、やり残したこともない。トキのDNAを信じよう。明るい希望を持って見守ろう」近辻さんの残した功績の大きさは計り知れない。

ご冥福をお祈りします。番組スタッフ一同

1951年、映画会社「大映」が正月やお盆と並び興行成績が良かった5月の連休期間を「ゴールデンウィーク」と名づけた。その時代から映画館はずいぶん様変わりしている。県内各地の映画館を取材した。
(左写真)T・ジョイ新潟万代
今時の映画館は「シネマコンプレックス」。複数のスクリーンがあり最新映画を見ることができる。フードメニューも充実。映画館で快適な1日を過ごすのが「シネコン」スタイルだ。

(上写真)上越市:高田世界館(旧「高田日活」)
3月いっぱいで映画館「高田日活」としての役目を終えた「高田世界館」。現在は、市民グループが元オーナーの熊谷栄美子さんから無償で譲り受け、映画上映だけでなく演奏会などのイベント会場として運営している。建物は、1911年(明治44年)に芝居小屋「高田座」として開館して以来、約100年の歴史を持つ。約30年間オーナーを務めてきた熊谷さんは、老朽化した建物の改修費用が負担になるため、取り壊そうと考えていた。そこへ「地域の宝として残したい」という地元の建築家らが集まる市民グループが現れた。熊谷さんは「歩いていける街中の場所で、皆さんに親しまれるようなものをやっていってほしい」と話す。地域の文化財として、その歴史はまだ続く。
(上写真)十日町市:シネマパラダイス
十日町市の商店街にある「シネマパラダイス」。十日町の人を元気にしようと、2年前にオープンした映画館だ。観客は決して多くはなく、試行錯誤の厳しい経営が続いているが、魅力を知る人が少しずつ増えているのも確か。岡元館長は「市民の交流の場として気軽に利用してもらいたい」と、カフェスペースを設け、小さな演奏会やパーティーなども開くことができる。開館して2年。まだ歩き始めたばかりだ。今時の映画館も昔ながらの映画館も、特徴は違えど「まちの顔」の存在なのは間違いない。
映画の県内ロケも増えている。新潟県フィルムコミッション協議会が支援するロケ数は年々増えていて、2008年度には78件もある(映画のほかTV番組、CMなども含む)。このうち、長岡市栃尾を舞台にした映画「モノクロームの少女」が9日より公開される。この映画には中越地震からの復興への思いも込められていて、栃尾周辺の大勢の人たちが映画製作にかかわった。栃尾で開かれた先行上映会には約800人が集まり、完成した作品を見て涙する人も多かった。
単に美しい風景があるだけではなく、その地域を愛する人たちが土地や風土を守っているからこそ、ロケ地としての価値が生まれるのではないか。映画のロケが増えているのは、県内に、そういった魅力的な場所がたくさんあるという証拠だ。あの町でも、この町でも、「映画」のある風景・・・。そんな新潟もいい。