負担金の支払いをめぐり、泉田知事と前原国土交通大臣のバトルが
注目された北陸新幹線。地元にとって、開業により浮上してくるのは
並行在来線の運営。

北陸新幹線に並行する在来線は直江津から富山に向かう北陸本線、
直江津から長野に向かう信越本線の2路線。

これら並行在来線は1990年の与党合意で新幹線開業と同時に
自治体が運営することになるが、その運営が不安視されている。

毎朝6時53分青海駅発の電車で県立直江津高校に通う
香坂俊介くん。
香坂くんが通う直江津高校では中等部もあわせ、約65人が糸魚川市から
電車で通っている。在来線が充実した学校生活を支える唯一の通学手段だ。
先月、開かれた北陸新幹線沿線の知事と、国、JRとの初会合では、知事側から
2014年の新幹線開業に伴い、並行在来線の運営をJRから分離する与党合意の
見直しを求める声が上がった。長野県の村井知事は長野新幹線開業後の経験から
苦しい実情を訴えた。


信越本線の篠ノ井・軽井沢間がJRから切り離され、長野県が第3セクターとして
運営する「しなの鉄道」赤字が続き、県の債権放棄や人員削減などによる経営改善で
黒字に転じているが、経営は依然厳しい。


信越本線の軽井沢・横川間は新幹線開業と同時に廃止に、バスは運行
しているものの、電車の復活を望む声も上がっている。
新幹線開業は地域に光とともに影ももたらしている。

香坂くんが通う直江津高校でも周辺地域の子供たちへの
影響を心配する声があがっている。

毎日遅くまで部活に打ち込む香坂くん。学校生活を支え、豪雪地帯を走る
在来線。香坂くんの後輩たちのためにも切り捨ての選択肢は考えたくない。

県の試算では信越本線の需要は下がる一方、過去の事例から運賃を1.6倍にする必要が
見込まれているが、中高生が通う場合の負担増につながる。
しかも、これで採算がとれるわけではなく30年間で386億円の公的負担が必要とされている。

番組コメンテーターの新潟大学・吉田教授は、北陸新幹線が県内の沿線地域に もたらすメリットに
疑問を投げかけるながら、「県全体として在来線を支えていく 必要がある」とコメントした。
今後、与党合意の見直し、国の支援策など本格的な話し合いが始まる予定だ。