―毎日小学校新聞に投稿された一通の手紙―東京都に住む小学校6年生「ゆうだい君」(仮名)の手紙が5月に毎日小学校新聞に掲載されました。ゆうだい君の手紙は「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です」という言葉から始まります。編集部で小中学生に意見募集したところ、全国から子供から大人まで数多くの意見が寄せられました。この本はある小学生の原発に関する手紙をきっかけに寄せられた意見をまとめたものです。
―ゆうだい君の主張とは?―
「原子力発電所を造ったのは誰でしょうか。もちろん東京電力です。では、原子力発電所を造るきっかけをつくったのは誰でしょう。それは、日本人、いや世界中の人々です。」(引用)
無駄に電気を使い続け、一方で地球温暖化対策などから、原発を容認したのは電気を利用する全員の責任であると訴えています。手紙の最後は、こうも書かれています。
「こういう事態こそ、みんなで話し合ってきめるべきなのです。そうすれば、なにかいい案がうまれてくるはずです」(引用)
―小学生からの手紙で多く寄せられた視点―
放射線量を減らすためにひまわりを植えよう ゲームを夜遅くやるのをやめて暮らしを変えていこう せつ電しよう 電気の使い方を考えよう もっと電気のことを勉強しよう
―ある中学生からの手紙(引用)―
「東京のひとたちが使う電気を福島でつくっている。そのせいで福島の人たちは被害を受けている。福島に東電の発電所があるのはおかしい...」
―今この国の大人たちに子供達の声は聞こえていますか?―
私はこの本に接し「この事態を子供にちゃんと説明できる大人」なのかと自問自答しました。3・11の原発事故以降、戦後日本の自画像として、経済成長と豊かな暮らしをセットにしてきた物語が終焉を迎えたことを強く感じていました。原発54基はその象徴ともいえる存在です。我々日本人は、3・11以降の事態に対し、加担した歴史があると認めることから始めなければならないと思います。思考停止は許されません。ゆうだい君は有効な「話合い」を求めています。
―森達也(映画作家)氏の手紙から(引用)―
「東電の社員たち一人ひとりを責めるべきではないし、ゆうだい君のお父さんも責められるべきではない。だって一人ひとりは、一生懸命に働いていた。
でも東電は責任を負うべきだ。まかされていたのだから。そして僕たちの社会も、やっぱり責任も負わなくてはならない。まかせていたのだから。」



















