2023.09.04「クマは山奥ではなくすぐ近くに」専門家が警鐘 クマに襲われ夫婦2人がけが【新潟】
エサ凶作で人里に 今秋は要警戒
3日、南魚沼市で70代の夫婦がクマに襲われケガをしました。県内のクマによる人的被害は今年2件目です。この秋はクマが人里に降りる危険が高まっていて専門家は、「クマは山奥ではなくすぐ近くで暮らしている認識を持つべき」と注意を呼びかけています。
3日午前5時半前、南魚沼市長崎の畑で水をまいていた70代男性がクマと遭遇。取っ組み合いとなり、顔や両腕などをひっかかれるケガをしました。駆けつけた70代の妻も右腕などにケガをしました。2人とも軽傷です。
クマの体長は約1m。周辺には、複数の足跡が残されていました。
■近所の住民
「後ろ足の足跡…21cm、だいぶデカいですよ」
「けっこう山の下に降りてきていると聞いたけど、こんな近場に出るとなると不安でしょうがない。雪が降ったら冬眠してくれるがそれまではおっかない。なるべく一人での外出は控える。」
4日も現場から西へ4㎞ほど離れた南魚沼市舞子の林で体長1mほどのクマが目撃されていて、警察などが警戒を呼びかけています。
今年はエサであるブナの実が凶作で、クマが人里に降りる危険が高まっていて、1日には県が「クマ出没警戒警報」を出しています。
専門家は、冬眠前の9月から11月はクマが大量に出没する可能性を指摘します。
■新潟大学農学部 箕口秀夫教授
「魚沼では里山の木はブナ、人が住んでいる裏山にブナが分布していて、凶作ということになると行動範囲が広がると人里に来てしまう。」
特に行動が活発になる早朝や夕方には、注意が必要だと話します。
■新潟大学農学部 箕口秀夫教授
「今年起きた人的被害の2件は、早朝7時台と5時台の朝早い時間。クマは山奥に住んでいる動物ではなく私たちのすぐ近くに暮らしている動物だと認識を持つ必要がある。」
箕口教授は、最新の出没情報を確認したり、外に出るときは、なるべく複数で活動するなど対策をとってほしいと呼びかけています。