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2023.09.13「原発事故の検証」総括で加速か 柏崎刈羽原発再稼働巡る議論 水面下でうごめく思惑と花角知事の「信を問う」意思【新潟】

「原発事故の検証」総括で加速か 柏崎刈羽原発再稼働巡る議論 水面下でうごめく思惑と花角知事の「信を問う」意思【新潟】
原発再稼働 花角知事はどう「信を問う」のか
「原発事故」を巡る検証の総括を県が公表しました。今後は柏崎刈羽原発再稼働の是非へと議論の軸足が移っていきますが水面下で動きも出てきています。

8月25日の県議会。経済産業省の外局、資源エネルギー庁の山田仁・資源エネルギー政策統括調整官らが自民党県議団の会合に出席しました。
会合直後、UXの取材に応じた自民党県議団の岩村良一幹事長は。

■自民党県議団 岩村良一幹事長 
「今日は過去にもあったが資源エネルギー庁からエネルギー全般の政策等について話を聞いた。県議から柏崎刈羽原発の話も質問等が出た。活発な議論で15分から20分の予定だったが50分ほど意見交換含めて行った。柏崎刈羽原発の再稼働の時期などの意見交換はない。」

複数の関係者によりますと山田氏らは「最近のエネルギーを巡る状況について」と題した資料を使い、「脱炭素」を目的に直近の通常国会で成立した「GX推進法」によって、原発の活用を後押しする政府方針などを説明しました。
複数の県議からは柏崎刈羽原発での東電の不祥事や避難路の整備などを問う意見が出たといいます。
経産省からの申し出に応じ、山田氏らの出席を受け入れた自民党。UXの取材に対して会合に出席した県議は…

■ある自民党県議
「経産省は言葉には出さないが原発再稼働に前のめりだ。だが、そう簡単には動かせない」

柏崎刈羽原発では、2021年にはIDカードの不正利用などテロ対策の不備が相次いで発覚。原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けた後も許可証の改ざんや書類の紛失など、不祥事が絶えません。
東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働の時期について、企業向けの電気料金で7月、家庭向けの電気料金で10月とそれぞれ算定しましたが事実上不可能な状態です。
東電を実質国有化している政府も誤算が続いています。

■岸田総理 
「設置許可済みの原発再稼働に向け国が前面に立ってあらゆる対応をとる」

岸田政権が今年の夏以降に再稼働させると表明した全国の原発7基の中に柏崎刈羽原発6・7号機も含まれていますが、相次ぐ不祥事を受けて再稼働の見通しは立っていません。
12日の閣議後の記者会見で西村康稔経済産業大臣は原発再稼働の意義を強調しました。

■西村康稔経済産業大臣
「今後の電力の安定供給、カーボンニュートラルの実現を図るために原発再稼働は私どもとして重要である。」

柏崎刈羽原発の再稼働に向けて実質国有化している東電の取り組みを後押しする考えです。

■西村康稔経済産業大臣
「経産省としても柏崎刈羽原子力発電所の必要性や意義について新潟県などの立地自治体の関係者の理解、協力を得られるように丁寧に説明していきたい。」

政権内で原発政策に影響力を持つとされるのが嶋田隆総理秘書官です。
嶋田氏は経産省出身で、東電にも出向。各省トップの次官を退官後、岸田政権の発足時から総理秘書官をつとめています。
その嶋田氏も最近、周囲に「柏崎刈羽原発は悩ましい。上から目線で信用できない東電に再稼働は任せられないと県内の不信感が強い。知事も動きにくい」という言葉を漏らしたといいます。

そんな中、2012年に県の技術委員会で始まった「福島原発事故に関する3つの検証」が13日、県によってとりまとめられました。今後、柏崎刈羽原発の再稼働に関する議論が本格化します。

■ある県庁幹部
「再稼働に関する議論は1年以上かかる。国がどれだけ時間をかけさせてくれるかが問題だ」

岸田政権は最近、漁業関係者が反対する中、長年の懸案だった福島第一原発の処理水の海洋放出を決定しました。
別の県庁幹部は「柏崎刈羽原発の再稼働も官邸マター。どこかでぐっと進む」と断言。今後は政府が県に再稼働を迫る時期が焦点の一つとなります。
もう一つの焦点は花角知事が初当選を果たした2018年の知事選告示前日の発言です。

■当時の花角知事
「県民にしっかり説明し、そのうえでしっかり熟慮して一定の結論を出し、それを県民に職を賭して信を問うプロセスを経たい。経る覚悟がある。」

このとき「4年の任期途中であってもということか」という記者の質問に対して大きくうなずいていた花角知事。
今年3月の県議会で、未来にいがたの当時の県議、小山芳元氏が花角知事に発言の意図を問いました。

■未来にいがた 小山芳元県議 
「知事が職を賭してと発言したということなので、その発言にどのようにこの先対応していくのか」
■花角知事
「私は自らの言動についてしっかり責任を持って対応する」

花角知事が原発再稼働の是非を問うために知事選に踏み切るのではとの観測は永田町にも広まっています。

■ある自民党幹部
「知事は出直し選挙をやるぐらいの覚悟がある。知事が東京電力を信用できるような形を作れるように政府、党をあげて対応したい」

花角知事は最近、柏崎刈羽原発の再稼働問題について、周囲に「この問題で存在を賭けるのは当然だ。それだけ重いテーマだし、知事の仕事に執着する気もない。いずれ決着させないといけない」と話しています。
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