2025.01.21【上越市・強盗殺人事件】証拠調べで被告「自暴自棄になりパニックになって・・・」金銭目的は「覚えてない」【新潟】
1月29日に判決
2023年、上越市で知人男性を殺害し、現金の入った財布を奪った強盗殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判で21日、被告人質問が行われました。
起訴状などによりますと、長野県上田市の無職・小倉一夫被告(72)は2023年6月、上越市の中村礼治さん(当時62)の頭をハンマーで複数回殴って殺害し、約120万円が入った財布などを奪った罪や、その2カ月前に中村さんの自宅に侵入し約26万円を盗んだ罪に問われています。
小倉被告は、20日の初公判で「ハンマーで殴ったが金をとるつもりではなかった」と起訴内容を一部否認。検察は、冒頭陳述で「家賃を滞納するなど経済的に困っていた被告が、自動車修理業を営む中村さんから金を強奪しようと考えた」などと指摘し、暴行の50秒後に中村さんの車の後部座席から財布の入ったバッグを持ち出していることなどから、「強盗殺人が成立する」と主張していました。
一方、弁護側は「偽物のブランド品などを販売して生計を立てていた被告は、中村さんへの嫉妬心から自暴自棄になりハンマーで殴ってしまった」と説明。「当初は財産を奪うつもりがなかった」として「殺人罪と窃盗罪にとどまる」と主張しています。
21日は証拠調べが行われ、小倉被告は「父親が亡くなり、先行きなどについて不安定な気持ちでこれまでの恨みつらみが重なり自暴自棄になりパニックになってやってしまった」と述べた上で、金銭目的の犯行かどうかについては一貫して「わかりません」「覚えていない」などと答えました。
判決は、1月29日に言い渡される予定です。