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2024.11.22【妻子殺害事件】「自己中心的で身勝手」男に無期懲役の判決【新潟・南区】

【妻子殺害事件】「自己中心的で身勝手」男に無期懲役の判決【新潟・南区】
「いつもどこか他人事のように感じられた」
事件から約3年、妻子を殺した夫に判決です。新潟市南区の住宅で、妻と当時1歳の娘を殺害した罪などに問われている男の裁判員裁判が行われました。
新潟地裁は「極めて自己中心的で身勝手なもので酌むべき点は皆無」などとして、男に無期懲役の判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、新潟市南区の元看護師・渡辺健被告(31)は2021年、自宅で妻と当時1歳の長女の首をロープで絞め殺害した罪に問われています。また、事件以前から睡眠薬を飲ませるなどして2人を殺害しようとしていた殺人未遂などの罪にも問われています。

これまでの公判で渡辺被告は、殺人の罪を認めた一方で、殺人未遂と殺人予備の罪は否認していました。検察は、論告で「被告は不倫相手との関係を継続するため、障害となる妻子を排除しようと合計5回にわたって殺害しようとした。身勝手極まりない動機で同情できる点は露ほどもない」と指摘。そのうえで「繰り返し加害する執拗な犯行で、高い計画性がある。法廷でも都合が悪いところだけ『分からない』などと、責任に向き合おうとする態度は皆無」などとして無期懲役を求刑。

一方、弁護側は「とりわけ殺害方法が残虐・執拗であるとまでは評価できない」と主張。犯行動機は不倫によるものではなく、夫婦生活における不満によるものとしたうえで、「2人を殺害した動機に同情するものはないが、犯行は用意周到とは対極のずさんな行為だった」「被告は少しずつ反省を深めていっていて、更生の可能性がないとは言えない」などとして、有期刑を求めていました。


そして午後3時に始まった判決公判。
渡辺被告は、これまでと同じ濃いグレーのスーツに身を包み、いつもと変わらない様子で出廷しました。

■新潟地裁 小林謙介裁判長
「主文、被告人を無期懲役に処する。」

新潟地裁は、犯行の動機を「不倫相手との仲が深まっていく一方で、不倫やお金の使い込みが発覚して、妻への不満が高まったゆえのもの」と認定。「極めて自己中心的で身勝手なもので、酌むべき点は皆無」としたうえで、「公判でも殺人未遂・殺人予備に関しては不合理な弁解を繰り返し、自己の犯した罪の重大さに真摯に向き合っているとも言い難い」などとして、渡辺被告に無期懲役の判決を言い渡しました。

最後に、新潟地裁の小林謙介裁判長は渡辺被告に「法廷でのあなたは、いつもどこか他人事のように感じられた。本来あなたが守るべき2人の命を奪ったということを忘れずに、自分の罪と向き合って償い続けてください」と話し、渡辺被告は小さく「はい」と答えました。

弁護側は、控訴について「被告人と話し合って決める」としています。


判決全体についての受け止めについて、専門家に聞きました。

■あくつ法律事務所 飽津史隆弁護士
「(Q.受け止めは?)極めて妥当な結論だった。今回、問題になったのが殺人未遂。それ自体が認定されたのが実務的に大きい意味を与えたと思う。」

飽津弁護士は、殺人未遂罪と殺人予備罪が「無期懲役刑」をより確固たるものにしたと話します。

■あくつ法律事務所 飽津史隆弁護士
「殺人だけでも無期懲役になりうる事案、ただそれだけを起訴したのでは全体像をきちんと示すことはできないと考えたので、殺人未遂・予備も光を当てた。」

遺族は極刑を望んでいましたが、無期懲役の求刑・判決になりました。

■あくつ法律事務所 飽津史隆弁護士
「もし殺人で家族や親族を亡くされた方には人数なんて関係ない。でも、実務的に各事案の公平性を担保するために、どうしても数という点には考慮せざるを得ない。今回2人ということだが、結論的には(求刑・判決は)やむを得なかった。」
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