2025.01.21【柏崎刈羽原発】東電トップが知事と面会:今年が正念場、再稼働へなにを語る?【新潟】
再稼働には“安全確保”と“地元の理解”が大前提と強調
2年ぶりに知事と東京電力のトップが新年に顔を合わせました。21日、東京電力の小林喜光会長と小早川智明社長が新年のあいさつとして県庁を訪れ、花角知事と面会しました。柏崎刈羽原発の再稼働を目指す東電側は何を語り、知事はどう応じたのでしょうか。
■岡拓哉アナウンサー
「東京電力の小林会長と小早川社長が県庁に姿を見せました。知事への新年の挨拶ということですが、再稼働への言及はあるのでしょうか。」
能登半島地震のため去年は見送られ、2年ぶりとなった東電トップによる知事への新年のあいさつ。
■東京電力 小林喜光会長
「当社としては、やはり知事を始め県民の皆さんに益々の信頼を獲得をしないと何も始まらない。」
緊張感が漂う中、小早川社長は去年努めてきた安全性向上の取り組みを説明。外部の専門家からの評価や発電所内での作業員の連携、各地域での県民との対話を重視してきたと強調しました。
■東京電力 小早川智明社長
「セーフティとセキュリティの両面でパフォーマンスを上げなくてはいけない。ワンチームで作って行きたい。」
花角知事は、安全対策に努めてきたことには理解を示しつつ、雪の時期に事故が起こった場合に円滑に避難ができるか、県民に不安があるなどと指摘しました。
■花角英世知事
「引き続き、安全最優先の取り組みを行動と実績で示してほしいし、県民との対話もしっかり進めてもらいたい。」
15分あまりの面会ですが、東電と花角知事にとって今年の“新年あいさつ”は例年と意味合いが異なります。
東電は2024年4月、7号機に核燃料を装填。さらに、2025年6月には6号機にも燃料を装填する方針を表明しています。一方、花角知事は、再稼働に必要な「地元同意」の判断時期について、まだ慎重姿勢を崩していません。年頭の記者会見でも・・・
■花角英世知事
「(有識者会議から)材料が出てきたわけなので、それを県民にそしゃくしていただいて、どういう受け止めをしていただけるのか見極めていくことになる。」
ただ、今年春には有識者会議の報告書などが出そろうため、東電とそれを後押しする政府は「春以降が勝負」と注視しています。
そんな中、実施された21日の面会。表立って再稼働に触れなかった東電ですが、面会後、記者団の取材には意欲を隠しませんでした。
■東京電力 小林喜光会長
「全体としてのエネルギーミックスが必要だろうという中で、原子力は東京電力として一定程度保持したい、(再稼働は)その延長線上にある。」
■東京電力 小早川智明社長
「1日も早い再稼働に向けて取り組んでいる旨は知事に伝えた。東京電力の責任は、福島への責任を全うするともに電力の安定供給を全うすること。」
その上で、再稼働には“安全確保”と“地元の理解”が大前提だと強調しました。
また、小早川社長は面会の中で「県民を代表する方々にも議論をしてほしい」と言及。つまり、県議会での議論です。
■東京電力 小早川智明社長
「様々な場面で説明を尽くしていくことが重要だと考え、多方面に理解いただけるように説明を尽くしたいということで申し上げた。」
午後、小早川社長らはその県議会へ。最大会派の自民党幹部に対して、説明の要請があれば応じると伝えたということです。
■自民党県連 高橋直揮政調会長
「信頼度に関しては、引き続き変わらない。1月後半から2月にかけて、県と自民党から国に出した要望の返しが出てくると思うので、材料がそろい次第議論せざるを得ない状況になると想定している。」
今年が正念場となる再稼働をめぐる動き。21日のキックオフを起点に、花角知事と東電はどんな動きを見せるのでしょうか。