2023.05.25【気象予報士が解説】大雨への備えを 線状降水帯の発生を知らせる「顕著な大雨に関する気象情報」最大30分前倒しの発表に
田中里穂気象予報士が解説
【気象予報士が解説】
25日から、線状降水帯の発生を知らせる「顕著な大雨に関する気象情報」の発表の仕方が変わりました。
線状降水帯は県内では去年8月の県北部豪雨の時にも発生。発達した積乱雲が同じ場所に長い時間かかり続け集中的に雨を降らせるもので、この時に出されたのが「顕著な大雨に関する気象情報」でした。
県北部豪雨の時には8月3日午後1時9分に「顕著な大雨に関する気象情報」第1号が出され、その後午後6時過ぎ、そして夜9時過ぎと、半日で3回の発表がありました。
この情報が出された時はすでに線状降水帯が発生していて、猛烈な雨が降り続いている状況で、関川村下関で568.5mm、村上市高根で413mmを観測して、大きな被害をもたらしました。
大きな被害をもたらす線状降水帯、そしてその「顕著な大雨に関する気象情報」について25日から変わったのが発表のタイミングで、今後早まる場合があります。
これまで気象庁は、実際に線状降水帯が発生してから発表していました。しかし25日からは線状降水帯とみられるものの発生が「予測できた場合」、まだ発生していない段階でも最大で30分程度前倒しして「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されます。
つまり従来は、「事後報告」だったものが「予測」の段階で発表される場合があるということ。
早く線状降水帯の発生について知らせることで、できるだけ早く避難につなげてほしいという狙いがあります。
また、線状降水帯発生の予測が出た場合、予測段階でも地図上に表示されるようになります。これまでは気象庁HPの「雨雲の動き」を見ると、線状降水帯が発生したときに赤い丸で囲って発生していることを伝えていました。それが、今年からは線状降水帯がかかると予測される地域を、赤い点線の楕円が表示されるようになります。
今年からは線状降水帯による大雨の危機感を従来より早く受けとることができるようになります。雨の季節を前に、いざというときの備え・心構えをしていきましょう。