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2024.07.11【特集】ローカル線再建請負人・鳥塚亮氏:えちごトキめき鉄道を退任-今明かす地域鉄道への情熱と次なる挑戦【新潟】

【特集】ローカル線再建請負人・鳥塚亮氏:えちごトキめき鉄道を退任-今明かす地域鉄道への情熱と次なる挑戦【新潟】
単独インタビュー:ローカル線再建請負人・鳥塚亮氏へ
地方鉄道の立て直しで実績をあげ〝ローカル線の再建請負人〟と呼ばれる、えちごトキめき鉄道の前社長・鳥塚亮さんが、6月をもって退任しました。
ローカル線の存続に必要なことや新潟への提言など、率直な思いを単独インタビューで聞きました。

■鳥塚亮さん
「(Q.引越ってどうですか?)私個人のですか?まあぼちぼち、あまり物無いんですけどね。運び出す前に片づけをしなくてはいけないんで…それがちょっと、なかなか…夜飲んじゃうと、進まないんですよ~。(次は静岡…)静岡ですね。雪が降らないぶん、台風直撃食らうという。痛し痒しですよ、日本中どこへ行っても。」

ローカル線再建の手腕を買われて、千葉から新潟へ。そして次は、静岡へ。
えちごトキめき鉄道の社長という大任を終えた、今の思いは…

■鳥塚亮さん
「(Q.『依頼されたことはほぼ完了した』と退任会見で言っていたが、やり残したことは?)ありますよ。それはありますよ。例えば、直江津から敦賀までの旧北陸本線。新潟・富山・石川・福井と4県で(運営する会社が)分断されているんです。これをどうやってつないでいくか、連携するかということを次のテーマとしてやりたかったんですが。次の社長になる平井(隆志)さんはそういうことが得意だと思いますんで、安心して任せられるなという感じです。」

トキ鉄は沿線人口が減る中、設備更新のコストが経営を圧迫。新型コロナウイルスの影響も直撃しました。しかし鳥塚さんは、夜行列車の運転や、D51レールパークの開設、国鉄型電車の導入など、話題性ある取り組みを次々に展開し、集客の向上を果たしました。

■鳥塚亮さん
「(Q.『これはやれた』と実績として手ごたえを感じているものは?)地域の皆さんにどうやって親しんでいただくか、高校生や中学生は鉄道を利用する。だけど大人になったら利用しない。でもトキ鉄があるからいいよねって思っていただける。例えばD51もまたは外からお客さんを呼び込む、外国から来てもらう。これは雪月花、私は地域鉄道を〝百貨店〟と思っていますけど、新型コロナの中でありながら同時進行でできたということは、やっぱりうちのスタッフが優秀だったと思う。こういう形での地域への根付き方はひとつのモデルケースになると思う。」

さまざまなアイデアで、ローカル線の活性化を実現してきた鳥塚さん。その発想の根幹には、〝需要がなくなった鉄道は廃止すべき〟という経済合理性のみを追求する風潮への疑問がありました。
じつは以前、私たちが取材した新駅の説明会での言葉に、その考えの一端が覗いていました。

■鳥塚亮さん
「新駅をつくる。私は『乗れ』とは言いません。我々がお客さんを連れて来るから、皆さんがきちんとおもてなしをして。おもてなしってどういうことかと言うと、ちゃんとお金を稼ぐんですよ。」
「私は地域の人たちに『乗れ』って言ったこと、一度も無いです。だけど、汽車が走っているの良いでしょう?地元の人って、鉄道がある、駅がある風景、街があって田んぼの中に汽車が走っていて…という鉄道がある風景をぼわっと捉えていて、それを守りたいんです。私はそれって〝郷土愛〟だと思います。高田の皆さんが雁木を守りたいとか、街並みを守りたいというのとまったく一緒なんです。その郷土愛に対して都会の人間がお金という物差しだけでお前らはエゴだと、過去40年間言ってきたわけです。それで田舎はどうなりましたか?私は、お金の問題はありますよ。だからこうやってやればお金はある程度稼げますよ、地域に人を呼ぶツールになりますよという言い方をずっとしてきているんですけど、鉄道が残ることによって地域の衰退が止まることも考えられるのではと思っている。」

沿線の人々の思いが詰まったローカル線を〝稼げる鉄道〟にして生き残らせ、地域活性化にもつなげる。トキ鉄で展開したさまざまなアイデアも、その実現のひとつだった、というわけです。

■鳥塚亮さん(退任会見)
「この5年間、地域の方々にかなりご理解をいただく会社になりました。地域の理解が深まれば、今度はやっぱり国の支援でしょうと。」

各地でローカル線の存続が危ぶまれる中、国の積極支援を求める声は高まっています。しかし鳥塚さんは、国に頼るだけではいけないと断言します。
■鳥塚亮さん
「国は積極的に関与しようとしていますし、去年10月にできた法律(改正地域公共交通再生活性化法)も含めて、問われているのは地域とのかかわりだと思います。一生懸命やって(鉄道を)支えようとしている地域と、「JRちゃんとやれよ」っていう地域と別れて来ていますよね。地域が一生懸命(鉄道を)支えるんだというところには、やっぱり種を撒いたら芽が出ます。そういうところは市役所や町役場もしっかりしています。只見線沿線もそうです。そういうところには『直さなきゃいけない』というムーブメントが起きると思います。」

ローカル線の再生に、何が有効なのか。
ヒントは、人々の郷愁や思い出に訴えかけることだといいます。

■鳥塚亮さん
「60代、70代前半の人で〝妙高高原〟と言ったら(スキーで)『カミさんと出会ったところだ』っていう人、いっぱいいますよ。『直江津ってあったね』『上野駅に行くと直江津行きって出ていたね』と、だったらそれチャンスじゃないですか。そういうのをこの鉄道を使って僕は発信してきた。だから国鉄の電車を走らせたり。直江津ですよ、直江津行き覚えてます?国鉄ですよ…みたいなことをやればわっと振り向いてくれるというのを私はやってきた。で、ある程度の数字は出たと思います。」

最後に、5年間暮らした新潟への提言を。
■鳥塚亮さん
「(全国には)一見の客からどうやってお金を取ろうかと考えるのが観光業だと思っている地域が結構ある。ところが新潟に来ると『観光の人からお金取っちゃ悪いよ』っていう人多いんですよ。逆に言うと都会の、観光ずれした地域に行っていた人たちが新潟に来たら『ここってなんていい人たちばっかりなんだろう』って。僕もそうだし、そういう印象を受ける地域だと思います。都会から見たらどう見えるか、都会の人間は何を求めているかっていうことを、どうやって自分たちができることと都会の人間が求めていることの融合点、ここをどう探すかだと思います。私は新潟は最高の可能性があって最高の場所だと思いますよ。」
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