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2025.03.04【特集】米農家ならでは“燻製材”に使うのは!? 若手農家の次の挑戦「燻製しょうゆ」【新潟・南魚沼市|スタートアップ】

【特集】米農家ならでは“燻製材”に使うのは!? 若手農家の次の挑戦「燻製しょうゆ」【新潟・南魚沼市|スタートアップ】
『にっぽんの宝物グランプリ』の全国大会に出場、結果は・・・!?
番組で以前紹介した『米粉プリン』を手掛ける南魚沼市の若手農家が、新商品の開発に挑戦しています。それがこちら〝燻製しょうゆ〟です。こちらも米粉プリンと同じく、コメどころ南魚沼の素材を生かした“独特の製法”で作られています。

観光客でにぎわうJR越後湯沢駅。土産物店「ぽんしゅ館」の店頭には、米粉を使った『越後おこめぷりん』が並んでいます。プレーン・笹だんご・塩こうじレモンの3種類の味わいです。

■ミライス 小野塚大悟さん
「今年の1つの目標として、ぽんしゅ館に置きたいと思っていたので、それが達成できてうれしい。」

ミライスの代表・小野塚大悟さん。農家としてコメ作りをしながら、高温障害などの影響で出荷できなかったコメを使い『米粉プリン』を販売しています。

■ミライス 小野塚大悟さん
「自分のコシヒカリに付加価値をつけて加工して、6次産業化して違う展開ができないかと思ったのがきっかけです。」

全国的にも珍しいという『米粉でつくるプリン』。ぽんしゅ館では1月中旬から販売を始め、週に100~130個を用意していますが、1日で売り切れる日もあるそうです。

■レルヒ商品部 大平萌恵さん
「客として(販売されているところに)行ったときに『なんだこのプリンは』と思って目について、置きたいなと思ったのが最初の始まりです。県内外問わず多くのお客様、特に若い方がたくさん手に取っている。」

取材中も、おこめプリンを手に取る人が-

■愛知県から
「帰りの新幹線で弟と食べようと思っています。直感でおいしそうだなと思った。」

■アメリカから
「新潟ってコメ産業がすごく有名なので、やっぱりプリンの形で食べてみたいなと。(米粉のプリンは)見たことがないのでおもしろそう。」

このほかに、GALA湯沢スキー場など4カ所で販売し、売れ行きは順調です。


そんな中、小野塚さんは新たな商品開発に取り組んでいます。

■ミライス 小野塚大悟さん
「このボックスの中で、おしょうゆをいぶしています。」

〝燻製しょうゆ〟。香りのもととなる燻製材に、コメをもみすりした後に出る“もみがら”を使っていることが最大の特徴です。

■ミライス 小野塚大悟さん
「“もみがら”に使い道があまりなくて、環境破壊になってしまうくらいであれば、価値のあるものにできないかとずっと考えていたのがきっかけ。」

“もみがら”は、そのまま土にまくと他の植物の成長を阻害することがあるといいます。しかし、火を通し“燻炭(くんたん)”と呼ばれる状態にすると畑の肥料となることから、小野塚さんは毎年大量に出るもみがらの活用法を燻製材に見出しました。

通常、燻製材にはウッドチップを使うことが多く、“もみがら”を使う商品は他にないのではないかと小野塚さんは話します。

■ミライス 小野塚大悟さん
「いぶしたあとに(しょうゆを)なめてみると全然おいしくないのでダメだと思ったりして。何日間寝かせたらいいのかなみたいな、そこの絶妙な時間を探し出すのが大変だった。」

しょうゆを自作の燻製器に入れて“もみがら”を加熱。何度か交換しながら、3時間ほどいぶした後に熟成し完成です。

小野塚さんは、この〝燻製しょうゆ〟を全国の魅力ある商材の掘り起こしを目指す『にっぽんの宝物グランプリ』に出品。地元の大会を勝ち抜き、全国大会への出場を決めました。

■ミライス 小野塚大悟さん
「そもそも燻製しょうゆと言うもの自体が比較的珍しいと思うので、その珍しさと“もみがら”でやるという唯一無二の形を審査員にアピールしたい。」


全国大会当日。
小野塚さんは、妻の美佳さんとともに試食の準備に追われていました。試食には、長岡市栃尾の油揚げやアボカドチーズ、そして燻製しょうゆで作ったドレッシングでお米を和えたサラダを用意しました。このコメも、小野塚さんが作ったものです。

■ミライス 小野塚大悟さん
「いろんな食材に合うんだよということを伝えたくて、『和から洋』居酒屋でもつまめるものを意識した。」

調味料・ソース部門では、全国から集まった5つの商品が部門グランプリを競います。ライバルには、同じ南魚沼市の企業・吉兆楽が作った『自然由来のコメ油』も。宮城県から参戦した万能ソース『浜ののりだれ』は、他のコンテストでも受賞歴のある強敵です。
小野塚さんは、この部門の最後に登壇し魅力をプレゼンしました。

■ミライス 小野塚大悟さん
「“もみがら”は、他の燻製材に比べてけむりが強く濃厚な香りがつきます。このしょうゆを少し食材に垂らすだけで、一気に薫香ただよう料理に変わります。」

カギを握る、審査員の試食。

■審査員
「“もみがら”で作ると、これだけ燻製の香りが強くなるんだなと驚きました。燻製の素材になると、活躍ができるんだと、地球にもお腹にも優しい商品だと思った。」

■ミライス 小野塚大悟さん
「一般の人は“もみがら”を知らないし、困っているというのも知らないと思う。農家だからこそ、なんとかしたいなとずっと思っていた。」

この部門の中では、唯一商品化していない〝燻製しょうゆ〟。グランプリを獲得できれば、大きく知名度が上がります。

■ミライス 小野塚大悟さん
「もうワンリアクション欲しかった。結果はもうどうにもならないので、あとはリラックスしてプリンでも食べたいです。」

自己評価は厳しめ...いよいよ結果発表です。
特別賞などが発表されていく中、残るは準グランプリとグランプリのみに。

■司会
「調味料・ソース部門グランプリ・・・『浜ののりだれ』です。」

グランプリは、『浜ののりだれ』。燻製しょうゆは、惜しくも準グランプリに終わりました。
それでも、手ごたえと新たなアイデアを得る大会となりました。

■審査員 RestaurantCocon 山口将平料理長
「“もみがら”をしょうゆだけで使うと消費しきれないですよね。もっと完全に“もみがら”にフィーチャーして。」

■ミライス 小野塚大悟さん
「もっとその料理をブラッシュアップさせて、めちゃくちゃおもしろそうですね。」
「燻製しょうゆ自体もおいしいし、お肉やサーモンも燻製できる。(燻製後に出る)燻炭をまくことで、それで育った野菜やコメにも付加価値が付けられると思うので、ビジネスの可能性はあると思う。」

目指すのは商品化。
そして、コメから新しい価値を作ることに挑戦し続けます。
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