2025.02.24【特集|プロ野球・オイシックス】監督の目指す野球と“カギ”握る2投手:静岡キャンプリポ①<投手編>【新潟】
“あるテーマ”をもってキャンプに臨む
昨シーズンからプロ野球2軍戦に参加するオイシックス新潟アルビBC。2月上旬から静岡県で春季キャンプを行っており、現地へ取材に行ってきました。
今回は、武田監督が目指す野球とカギを握る2人の投手を紹介します。
■大角怜司アナウンサー
「富士山そびえる静岡県にやってきました。プロ野球2軍戦、参加2年目のオイシックス。さらなる高みを目指す新シーズンに向けた春季キャンプに行ってきます!」
昨シーズンから、NPB2軍戦イースタン・リーグに舞台を移したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボールクラブ。去年、投手コーチを務めた武田勝さんが新監督に就任。
“あるテーマ”をもって、キャンプに臨んでいます。
■武田勝監督
「必ず去年の成績を上回るという気持ちは持っていますし、その中で1点を大事にする野球というのを掲げて、1年間戦っていきたい。」
昨シーズン、ホーム戦での勝率は5割超えと健闘するも、最終順位はリーグ最下位でした。
■武田勝監督
「(原因は)守備だったと思う。一つのほころびから傷口が広がって、大量失点になったという試合が多かった。」
キャンプ期間、守備練習や連携プレーを入念に確認しています。守備力アップに加え、昨シーズン、チーム防御率4.49とリーグワーストだった“投手陣の再建”もポイントの一つと話します。
■武田勝監督
「(投手)全員に期待している。マウンドに上がったら大切なのは8~9割はメンタルだと思うので、抑えようが打たれようが堂々とした姿を見たい。そこだけは伝えていきたい。」
今シーズン新たに9人のピッチャーが加入。
中でも注目は、去年までソフトバンクホークスでプレーした小林珠維です。
■小林珠維投手
「少し海外チームからの誘いもあって考えたところ、NPBで活躍したいという思いが強かったので、オイシックスに入団させていただくことを決めました。」
投手として入団した小林は、異色の野球人生をたどってきました。
高校時代、投手として最速150km/h、打者としては高校通算30本と二刀流の活躍を見せると、その身体能力の高さを評価され、プロ3年目までは投手ではなく野手としてプレーしていました。
■小林珠維投手
「小学校の時から僕はピッチャーとしてプロで活躍したいという思いが強くて、僕の中でかなりピッチャーへの心残りがあって。」
プロ4年目のシーズンから投手に転向。しかし、1軍での登板を果たすことはできませんでした。
■小林珠維投手
「NPBに戻ることを第一に考えて、そのために何が必要かというのを自分の中で考えながら過ごしていきたい。」
小林のように一度ドラフトで指名された選手は、7月末までであればNPBの12球団への移籍が可能。シーズン序盤から各球団へアピールする必要があります。小林の1番の武器は〝Max154km/hのストレート〟です。
OP戦でも、そのストレートで首脳陣にアピールします。理想のストレートを追い求め、このキャンプで時間を割くのが“フィジカル面の強化”です。
このオフ期間、アメリカのトレーニング施設で投手に必要なトレーニングをいちから学んでいきました。
■小林珠維投手
「有名なメジャーリーガーの方がぞろぞろいるので、その人のトレーニングを聞いてみたり、見て勉強したりとかそれが1番の収穫。例年の春先に比べて、しっかり投げられている感覚はある。このままいけば、楽しみかなと思っている。」
夢の舞台への返り咲きを誓う今シーズン。強い覚悟で新潟のマウンドに上がります。
■小林珠維投手
「やっと投手に戻れたので『ここでだめなら引退、やめます』くらいの気持ちで投げているので、自分のやるべきことをしっかりやって上に行くだけです。」
そしてもう1人、チームから絶大な信頼を置かれる選手がいます。
■武田勝監督
「ピッチャーとはという考えを持っているタイプのピッチャーなので、そこは後輩たちもコミュニケーションをとってもらいたい。」
■薮田和樹投手
「みんなの兄貴。」
■牧野憲伸投手
「困ったことがあったら、三上さんにすぐ聞きに行く。」
投手陣・最年長、三上朋也35歳。
2013年ドラフト4位でDeNAベイスターズに入団。2023年は読売ジャイアンツでプレーし、去年オイシックスに加入しました。
■三上朋也投手
「自分のことだけではなくてチームには若い選手がたくさんいるので、その選手たちが1人でも多く上のステージや自分の目標に近づけるようなサポートができればなと思って過ごしている。」
数々の修羅場を切り抜けてきた、ベテラン右上での投球スタイルは?
■三上朋也投手
「大事にしているのはテンポ!テンポよくストライクゾーンに投げ込んで、そこを見てもらえれば。」
練習を見ていると、キャッチャーからの返球後すぐに投球動作へ。テンポよく投げることは、 打者のタイミングを外すことにつながるといいます。
OP戦では、1イニングを3人で抑え、順調な仕上がりを見せた三上。この試合、特別な気持ちで臨んでいました。
■三上朋也投手
「家族も含め、応援してくれている人の前だと力も出ますし。」
妻の和歌香さん。三上がプロ2年目のシーズン後に結婚し、現在は2人のお子さんと神奈川で暮らしています。ともにプロ野球人生を歩んできました。
■三上朋也投手
「僕の野球を応援してくれていますし、ベイスターズ戦力外になったり、ジャイアンツ戦力外になったり、次どうするかという選択の時も僕の野球をやりたいという気持ちを尊重して、いつまでも応援するよと言ってくれたので。本当に感謝している。」
恩返しの気持ちを胸に挑む今シーズン。チームのために、家族のために、腕を振ります。
■三上朋也投手
「オイシックスの勝利というのを第一に貢献できるようにしっかり結果を出して、それで新潟のファンの皆さんが喜んでくれたら僕もうれしいので、皆さんと喜びを分かち合いたいなと思っている。」