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2024.11.15【特集|来年の参院選へ】与野党始動、1人しか勝ち抜けない激選にどう臨む【新潟】

【特集|来年の参院選へ】与野党始動、1人しか勝ち抜けない激選にどう臨む【新潟】
1人しか勝ち抜けない激選
立憲民主党が県内すべての選挙区で勝利した衆議院議員選挙から3週間。各党が次に目を向けるのは、来年夏の参議院選挙です。全県で1人しか勝ち抜けない激選に、どう臨むのでしょうか。

来年改選を迎えるのは、2019年の参院選で当選した議員。このときは、当時無所属だった打越さく良さんが野党統一候補として出馬し、3期目を目指していた自民党の塚田一郎さんを破りました。現時点で来年の参院選に名乗りを上げているのは、立憲民主党に入った打越さんと自民党から立候補予定の元競泳選手・中村真衣さんの2人です。


11日の特別国会-
立憲の西村智奈美県連代表は、与党を少数に追い込んだ手ごたえを口にする一方、来年の参院選については言葉少なでした。

■立憲民主党県連 西村智奈美代表
「まだ具体的な話はできていない。これからということだが、候補ご本人とも話をして進めていきたい。」

「具体的な話」とは、野党共闘のあり方です。先の衆院選では、新潟1区から5区のうち共産党は1区だけ候補者を立て、残りは見送ることで事実上の協力体制を取り全勝につなげました。
参院選はどう臨むのでしょうか。

■共産党県委員会 樋渡士自夫委員長
「前回、打越さん。共産党は、一番いい形で共闘ができたと思っている。」

参院選での共闘にも意欲を見せていますが、不安要素があるといいます。

■共産党県委員会 樋渡士自夫委員長
「共闘の話は、そんなにこじれないんじゃないかなと思います。こじれるとすれば、中央の話し合いがどうなるか、ここだと思いますね。」


衆院選前に就任した立憲の野田佳彦代表は、『穏健な保守層』の取り込みを目指しています。衆院選で躍進した今、自信を深めていて、政策的にも中道路線を歩むとみられるなか、立憲と共産の関係が緊張感をはらむ可能性があります。

■共産党県委員会 樋渡士自夫委員長
「野田さんのところが少しずつ少しずつ(政策的に)右に行っちゃうと、きつくなってしまうじゃないか。」

2019年の参院選での得票差は、約4万票。塚田さんの得票が、打越さんの9割以上に迫る僅差でした。立憲内には選挙戦略上、引き続き共産との連携は必須との意見から、中道路線を強めるべきだとの意見まであります。

■立憲民主党県連 米山隆一幹事長
「(打越氏は)野党共闘として戦った候補なので、その形は維持するのが前提。ただ、同時にその間の情勢の変化もあるのでその形を維持しつつ、情勢の変化に併せる柔軟な体制を作っていきたい。」

野党間の連携について、「デリケート」と述べた米山さん。今回の衆院選における裏金問題のような『追い風』も、来年はアテにできません。

■立憲民主党県連 西村智奈美代表
「来年の7月に何が争点になっているかは、その時の国会状況次第だと思う。」

もうひとつ指摘されているのが、打越さんの知名度不足です。衆議院選挙では、候補者の応援で県内を回りました。

■立憲民主党 打越さく良参院議員
「私、参院議員・打越さく良、みなさまに心からお願いを申し上げまして、訴えとさせていただきます。ともに頑張りましょう。」

それでも、身内からも指摘される『活動量の少なさ』。本人にも自覚があるようです。

■立憲民主党 打越さく良参院議員
「私としては地道にコツコツやっていますが、まだまだ足りないというお叱りも受けるので、しっかり残る短い間、全力で頑張りたい。」


一方の自民党。
打越さんに挑むのは、長岡市出身でシドニーオリンピック銀メダリストの中村真衣さんです。公募では、国土交通省で事務次官の経験がある現職・佐藤信秋県連会長と事実上の一騎打ちに。選考過程では、政治家転身への思いを語っていました。

■中村真衣氏
「私自身、自民党の皆様と一緒に戦っていければなという思いも、今日お話させていただきました。」

地域・職域支部への意向調査では、中村さんが圧倒。知名度と若さが決め手となりました。

■自民党県連 岩村良一幹事長
「スポーツで名をはせた方、初の県民栄誉賞、銀メダリストといったスポーツの精神を発揮して。」

候補者に内定した中村さんは、衆院選でさっそく『お披露目』。政界入りを誘った鷲尾英一郎さんの応援に駆け付けました。

■中村真衣氏
「来年の参議院選挙・新潟選挙区、自民党から立候補予定をしている中村真衣と申します。」

しかし・・・自民党は県内で全敗。投開票日の夜、佐藤県連会長は声を絞り出しました。

■自民党県連 佐藤信秋会長
「捲土重来を期して体制を整えることをやっていきたい。反省しながら巻き返しをしていかないといかん。」

15年ぶりの全敗に終わった最大の理由は〝裏金問題〟との見方で一致していますが、余波は収まっていません。
5日、県連幹部は選挙の総括をする会議を開きました。「党本部へ抗議すべきだ」との声が上がっていますが・・・。

■自民党県連 岩村良一幹事長
「(党本部の申し入れは)形は口頭なのか、しないのか、するのかも含めて会議をしますといったことで、申し入れや抗議という話はしてない。」

2区の細田健一さんが非公認になったことなどに対し、党本部への恨み節が上がっていますが、「内輪もめしている余裕はない」というのが本音です。
唯一、比例復活したこの人は・・・。

■自民党 斎藤洋明衆院議員
「参院選挙は来年すぐそこまで迫っていますし、その中で自民党に対する厳しい声は全く止んでいない。」

中村さんの選定過程をめぐる県連内の『しこり』も指摘されています。公募では、国会議員の多くと一部県議らが佐藤さんを推していました。「佐藤さんに道路予算などの獲得で世話になった」との理由からです。バックにあるのは、自民の支持基盤である建設業界。公募は佐藤さんの辞退で決着しましたが、佐藤さんを推した県議は「納得していない」といいます。
これに対し、中村さんを推した県連幹部は・・・。

■ベテラン県議
「選挙に建設系の支援は必須。いずれ(佐藤)信秋さんサイドとの手打ちをしなければいけない。」

また、中村さんの『後見人』だった鷲尾さんも落選。県連が一枚岩で中村さんを支えられるかも問われています。
9月の公認内定時には、UXの取材に対し意気込みを語った中村さん。

■中村真衣氏
「今度は政治という世界の中で、日本や新潟県が抱える課題がたくさんある。県民の皆さんの声をしっかり聴いて取り組んでいければ。」

今回、改めて取材を申し込みましたが、「正式な公認が出るまでは答えられない」としています。県連幹部によると、これまでの仕事には年内でめどをつけ、年明けから政治活動に専念するということです。少数与党に追い込まれた石破政権が、一部の野党に触手を伸ばすなか、野党は連携を確立できるのか。自民は裏金問題を払拭できるのか。来年夏に向けて目が離せません。
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