2024.09.13【特集|秘湯の温泉】大雪で橋が崩落…人気露天風呂が2年半ぶりに再開!【新潟・妙高市】
標高約1100m、妙高高原温泉郷のひとつ「燕温泉」
妙高市の燕温泉の山間に、人気の露天風呂があります。大雪の影響で道中の橋が崩落し、復旧に時間がかかりましたが、2年半ぶりにようやく再開しました。自然がもたらす恩恵と脅威。カメラマンのリポートでお伝えします。
険しい渓谷の中に溶け込む乳白色の温泉『河原の湯』です。大雪の影響を受けて2年半の間閉鎖されていましたが、9月この美しい温泉が復活を遂げました。
標高約1100m。妙高高原温泉郷のひとつ、燕温泉。「イワツバメ」が群れで飛び交っていたことが、その名前の由来とされています。温泉街から坂道を登ると現れるのは、『河原の湯』と並ぶ秘湯『黄金の湯』。硫黄泉の香りが湯に浸かる客を癒やします。
■長野県から
「お湯加減は良い。新緑。自然に包まれた感じの中で入るのが一番気持ち良い。」
■上越市から
「最高ですね。下の世界は蒸し暑かったから。ここは涼しい。」
■ホテル花文 藤巻晴奈さん
「つなぎに"オヤマボクチ"という、ヤマゴボウの葉の繊維を練り込んでいる。舌触りを滑らかにするために"フノリ"をいれている。」
ここは、四季の息吹を五感で楽しむことができる場所です。今年7月、温泉組合とボランティアが集まり、温泉街の整備活動が行われました。
■ボランティア
「(Q.なぜ今日参加した?)今年で5年目。実家がここ関山。地元を愛するというか。残すという意味で。思い出のある場所。」
「(Q.皆さん味はどう?)汗かいたから、しょっぱい味がしみる。」
「うまい。これが楽しみで(ボランティアに)来てるようなもの。」
■樺太館 内記健二さん
「それではいきましょう。」
長年、燕温泉で旅館を経営している内記健二さん。温泉街から約10分。
■樺太館 内記健二さん
「こちらが河原の湯です。まだ全然かまっていない。自噴しているお湯は入り込んでいるが、掃除もしていないので…。」
人一倍、河原の湯に愛着を持っていたという内記さん。燕温泉のルーツは、ここから始まったとされています。2年前の冬、河原の湯へ行くための吊り橋に大量の雪が降り積もり、重さに耐えることができず崩落。今年6月、ようやく仮設の橋が作られました。
■樺太館 内記健二さん
「お客さんの予約でも『河原の湯やってますか』と言う方も多い。僕たちとしては、絶やしてはいけない場所。」
9月1日のオープンに向けて、作業は大詰めです。ついに、天然の岩風呂に〝命〟が吹き込まれました。
■東京から
「(Q.お湯加減は?)ちょっと熱めだけど良い。ロケーションが最高。9月からオープンしたと聞いたので、9月中に1回来たいと思った。」
■愛知から
「開放感が最高。でもこんな道だとは思わなかった。」
こちらは、市内に住むスイス生まれの男性。
■妙高に住むスイス人
「素晴らしい景色。(Q.なぜここに来ようと思った?)彼女が東京から来た。だから今日はここに来たほうが良いと思った。」
■樺太館 内記健二さん
「待ち望んでいた。本来は『河原の湯』と『黄金の湯』両方あっての燕温泉。みんなでこの環境を守れれば。」
秘湯を守る。旅人を癒やす資源をいつまでも。
温泉を管理している現地の人によると、冬は閉鎖される予定ですが、例年10月中旬から11月上旬には温泉に入りながら紅葉を楽しむことができるそうです。