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2024.08.16【特集|空き家問題】障がい者の力で管理する新潟の空き家対策-地域と共に歩む取り組み【新潟】

【特集|空き家問題】障がい者の力で管理する新潟の空き家対策-地域と共に歩む取り組み【新潟】
放置を防ぎ新たな雇用も
近年、空き家が急増し、さらに放置されて周辺に悪影響を与えるケースが問題となっています。そこで、新潟市の企業が障がいがある人の手を借りて管理する取り組みを始めました。社会問題の解決とともに、そこで働く人のやりがいにもつながっています。

新潟市中央区にある住宅。長年空き家となり、家の中は乱雑な状態。周辺は草が生い茂り、さらにゴミのポイ捨ても。
■House Cat 三浦真美さん
「ゴミを捨てないでと書いても、心ない人が空き缶とか捨てていくんですよね。」

「House Cat(ハウス キャット)」は、所有者などからの依頼で空き家を管理しています。草刈りなどの作業を、障害がある人が職業訓練などをしている就労支援事業所に委託しています。
■House Cat 三浦真美さん
「(就労支援)事業所というのは、県内各地にあってなくならないものなので、地域に根差しながら質の高い労働力を確保できると思った。」

去年9月から事業を始め、新潟市内など県内9つの事業所と提携しています。放置される空き家と、障がい者の就労支援という2つの課題に取り組んでいます。
■House Cat 三浦真美さん
「(こちらは管理の手が入る前の住宅の様子)どうにもならないというか、あっけにとられた。木々は道路にせり出しているし、落ち葉とか堆積していて、人が放置するとこうなるんだとよくわかった。」

周辺の住民にとっても悩みの種でした。
■近所の住民
「葉っぱだらけで虫も寄ってきたりあるので、片付けていただいて大変助かっている。」

この住宅の所有者は、50代の男性で1人暮らし。入院などのため、実質的には10年前から空き家状態でした。男性から財産の管理を委任された司法書士が、House Catに管理を依頼しました。
■司法書士 布岳史さん
「まず県外にいるお姉さんと連絡が取れません。本人も売却したくないという意思がある。なので、管理をしていく必要がある。そうするとこういう取り組みが必要だと思う。」

県内の住宅の中で空き家の割合は15.3%。増加に歯止めをかけようと、県内の多くの自治体が(新潟市と粟島浦村を除く)空き家と買い手を結ぶ「空き家バンク」を運営しています。また政府は去年、空家法を改正し、管理不全の空き家は固定資産税の軽減措置がうけられないようにしました。所有者らに管理を促し、トラブルを防ぐ狙いです。
■司法書士 布岳史さん
「近隣の方の迷惑も考えて対策をしなければいけない。なんらかの障がいがある方が、いきいきと働けて値段も安いということで今回依頼しました。」

House Catは、月に1度の訪問で基本料金が4400円と比較的安価なことも特徴です。管理に協力している就労支援事業所の1つ『青山ファクトリー』。就労支援には、企業と雇用契約を結ぶA型と、雇用までは至らないB型などがあります。県は昨年度、B型の月額工賃を1人1万6000円以上とすることを目標としていましたが、まだ難しいといいます。
■青山ファクトリー 小出哲之所長
「賃金は少しでもあげていきたい。そうすることで、障害のある方が地域で楽しく暮らせると思う。」
■施設利用者
「大変だと思う。でもこれから頑張って働きたい。」
「(Q.やってみてどうですか?)楽しい。」

House Catの三浦さんは、幅広く働く場を提供することで、障がいのある人の賃金アップにつなげたいと考えています。
■House Cat 三浦真美さん
「空き家を所有していらっしゃる方で困っている方が現実にいて、素晴らしい労働力を持っているのに賃金が低い障がいのある皆さん。ちょうどうまくくっついて回っていけば、お互いにいいことなので循環できるようになると思う。」
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