総括の取りまとめに至らないまま、委員の任期が切れた原発事故に関する３つの検証の総括について、新潟県の花角知事は、「総括は県がとりまとめる」と話しました。一方、元委員は「議論を遮断する形となり極めて残念」としています。
　３つの検証を総括する委員会は、池内了前委員長と県との意見の食い違いから２年以上開かれず、３月末に委員の任期が切れました。
　花角知事は１０日の会見で、「検証の総括は、県がとりまとめる」と明言。今後の流れとして、「とりまとめた報告書に齟齬（そご）がないかを確認し、エッセンスをまとめていく」と話しました。

■花角知事
「（取りまとめに）どのくらいかかるかは今の時点では言えないが、しっかりまとめたいと思う」

　知事は、結論について県民の意思を確認するとしていますが、「今の段階で確認する方法を決めているものではない」としています。
　一方、検証総括委員会の委員を務めた新潟国際情報大学の佐々木寛教授は、知事が示した総括の方針に対して…

■新潟国際情報大学　佐々木寛教授
「検証総括委員会を再開して、そこで総括検証のあり方も含めて委員共々忌憚なく議論をして、新潟県の検証総括の行方を決めるべきかなと思っていたが、それができないということであれば議論を遮断する形となり極めて残念」

　佐々木教授は、「他の委員として相談して最後の総括を市民社会やどこかの機関でやっていきたい」と話しています。