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2023.11.21商店街を襲った火事 老舗もち店の再起 模索する地域の復興【新潟・魚沼市】

商店街を襲った火事 老舗もち店の再起 模索する地域の復興【新潟・魚沼市】
老舗もち店 火事から再起へ
魚沼市の中心部の商店街で13棟を焼いた火災からまもなく2か月です。長年愛された店や、生活の場を奪われながらも、これまでに2つの店舗が営業を再開しました。店主の思いと支える市民の姿を取材しました。

魚沼市小出島の若井菓子餅店。創業72年、魚沼産のもち米を使った餅や赤飯などが、地元で愛されています。
3代目の店主・若井文康さん。
火災から2カ月、商売の立て直しに懸命に取り組んできました。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「まあそれなりにお仕事は戻ってきています。とてもありがたいこと。」

この日は、秋の恒例行事「えびす講」で提供する紅白餅作り。紅白餅は、えびす講の宴会で開かれる抽選会で定番の賞品ですが、火災により、提供が危ぶまれていました。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん 
「もしできなかったらすみませんと言っていたが、このようにできたのでよかった。これが当たるとみんな喜んで帰ってくれる。」

火災は9月26日未明、魚沼市小出島の南本町商店街で発生。13棟が全半焼しました。
若井さんの3階建ての店舗兼住宅も、住宅部分を中心に大きな被害を受けました。
再び店を開けたのは、約3週間後。
それでも、被災した飲食店では一番早い再開でした。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん 
「私とすると、もっとずっとかかって、電気・水道・ガスなんてくるんだろうと思っていたので意外と早くこうやって復活出来てありがたい。」

営業再開の日。若井さんは看板商品の赤飯とおこわ、餅を作り休業中に心配をかけたお詫びと営業再開の報告のために常連のお客さんに無料で配りました。

■常連客
「もうすごく楽しみにしていまして。お客様の評判がいいので、皆さんが待っています。」
「お客さんが待っていますのでよろしくお願いいたします。」
■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「おいしいですと言っていただけるのが一番ありがたい。やれる仕事を粛々とこなしたい。」

20日に開かれた「えびす講」。
地元の経営者や商店街関係者など、約100人が集まりました。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「餅はとてもよくできました。できたということは商工会の方も一言言ってくれるようでありがたい。」

商売繁盛を祈願する「えびす講」。七福神のえびす様に参加者一同で手を合わせたあと酒を酌み交わして、この1年の労をねぎらいました。
そして、若井さんの餅が当たる抽選会。

■司会者
「お餅は9月末の火災で被害を受けられた若井菓子餅店からも、本日のえびす講に合わせてお餅を提供いただいたので、ありがとうございます」

会場からは拍手が沸き、若井菓子餅店の餅が20人に贈られました。

■当選した人
「若井菓子餅店の餅をよく食べていた。今解体が始まっていますけど元気にまた復興してもらいたい。私の町内ですから」

若井さんは今回のえびす講で、改めて感謝の気持ちと、絆を感じたといいます。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「礼ができてとてもよかった。今被災した建物の撤去が始まっているが処理をする企業の方とか同級生の弟とか、皆仲間なので『大丈夫でしたか』とか『頑張ろうよ』とか話してくれる。とてもありがたい。」

店は再開しましたが、火災の前の状態にはほど遠い状況です。住宅部分の改修工事には800万円以上かかる見込みで、工事が始まるめどは立っていません。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「うちの場合、この上だけをきれいにするのはなかなか特殊なので年を越してしまうのではないか」

被災者を支えるため、地元の商工会と商店街組合は再生プロジェクトを立ち上げ、がれきの撤去費用などをクラウドファンディングで募っています。しかし、目標額の200万円に対し、20日までに78万円と、まだ十分集まっていません。
魚沼市は廃棄物処理や店舗再開の経費などの補助を決めましたが、被災した店舗5軒のうち2軒は、営業再開を見通せない状況です。
火災の前から、経営者の高齢化や大型店との競合で商店街を取り巻く状況は厳しくなっていました。それでも、若井さんは商店街全体の復活を期待しています。

■若井菓子餅店店主 若井文康さん
「クラウドファンディングでお金が集まっているので上手に使って、商店街が復活できたらいい」

焼け跡の解体が始まり、商店街は、復活に向けた歩みを始めています。
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