2023.11.15横田めぐみさん拉致から46年 親子の再会を 家族の叫び【新潟】
横田めぐみさん拉致から46年
横田めぐみさんが新潟市から北朝鮮に拉致されてから15日で46年が経ちました。
家族にとって、娘を、姉を、取り戻せないまま、また、この日を迎えました。
■横田早紀江さん
「歴代の総理大臣が『今こそ私たちがやります』と言って何もない、何も分からない状態が続いている。こんな変なことってあるのかしらと」
めぐみさんの母・早紀江さんは最近、自宅で息が切れ、死を覚悟した瞬間がありました。
■横田早紀江さん
「『あと2年だけ生かしてください』と思わず叫んじゃってですね。『頑張りますから、お願いします』と心の中で言って、一生懸命言って、しばらく静かにしていたら本当にスーっと目が見えてきて、息が楽になってきたんですよね。元気で会わせてほしいと思ってます」
1977年11月15日、新潟市の中学校に通っていた横田めぐみさんは下校途中、北朝鮮の工作員に拉致されました。
部活はバドミントン部。その日も、練習がありました。夕方、早紀江さんは、双子の弟・拓也さんと哲也さんを連れて学校の前を通りかかりました。
■横田早紀江さん
「『今ごろまだお姉ちゃん、部活をやっているだろうね』なんて私が言って、『ちょっとだけのぞいていてみようか。今まで見たことないから、こっそりのぞいてみようか』と言ったんですよ。そうしたら拓也たちが『そんなことしたら、また怒るよ』と言うから『余計なことをして1人だけ親が来たら嫌なんだろうか。やめておこう。』と言って帰って来た。その後なんですよ拉致されたのが。だから入っておけばよかったかなと本当に思いますよ。不思議な感覚ですね。忘れられない」
弟の拓也さんと哲也さんにとって新潟市の寄居浜は、めぐみさんと一緒に訪れた思い出の場所です。
■拓也さん・哲也さん
「拉致されたあとゴムボートで連れて行かれた可能性も排除できないので、なおさらこの場所はシンボリックであり心が痛い」
「やはり悲しく見えるし、つらい思い出がよみがえってきてしまうのが現実」
現在、拓也さんは拉致被害者家族会の代表を、哲哉さんは事務局次長を務めています。
11日、2人は新潟市で開かれた県民集会に参加し、救出への思いを訴えました。
■横田拓也さん
「私の母早紀江の夢は、めぐみと誰もいないところで空に浮かぶ雲を見ながら『やっと自由になったね』という時間を持ちたいこんな当たり前のことを願っているんです。私は絶対諦めるわけにはいかない、絶対に負けない」
帰国できていない拉致被害者は12人。北朝鮮はめぐみさんら8人を死亡と説明していますが、それを裏付ける証拠は示されていません。
2002年、蓮池薫さんや曽我ひとみさんら5人が帰国を果たす一方で、めぐみさんの死亡が伝えられました。
■当時の会見 横田早紀江さん
「私はいい結果が出ることを楽しみにしておりました。しかし結果は、あの、死亡という、残念なものでした。絶対にこの何もない、いつ死んだのかさえわからない、そんなことを信じることはできません。まだ生きていることを信じ続けて闘って参ります。」
夫の滋さんとともに、救出活動を続けてきました。
しかし、再会を果たせぬまま、滋さんは3年前に亡くなりました。
拉致から46年、めぐみさんは先月59歳になりました。
■横田早紀江さん
「いかに残酷なことを背負わされたなという思いでいます。『早く助けてください』ということだけなんです。略奪されてしまったのですから、何にもしていないのに」
日本のトップが、繰り返してきた言葉―
■安倍 元総理
「拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先の課題であります」
■菅 前総理
「拉致問題は菅内閣においても引き続き最重要課題であります」
■岸田総理
「最重要課題である拉致問題は重大な人権侵害であり、私自身条件を付けずにいつでも金正恩委員長と直接向き合う決意」
岸田総理は日朝首脳会談の実現に向け総理直轄のハイレベル協議を進めるとしています。
先月、日本人拉致事件で国際手配されていた韓国籍の元工作員が、死亡していたという情報が、日本に知らされていたことが分かりました。
■横田早紀江さん
「やっぱりこんな大事なことでも、日本が知っていてなぜもっと早くね、教えてくださらないのかなっていう、ものすごい不信感は、やっぱりありますね。いつもいつも、もう何十年間いらいらし続けて、もうくたくたですね」
家族が政府に求めるのは、実行力です。
■横田拓也さん
「言い過ぎを承知で誤解を恐れずにいうと結果がでなければ0点です。日本政府には全力をかけて国力をかけて1人残らず全拉致被害者を返すように求めていきたい」
めぐみさんが拉致されてから46年がたったその日の朝。岸田総理は
■岸田総理
「北朝鮮との協議の交渉については事柄の性格上、具体的に申し上げるのは控えなければならないと思いますが、引き続き一日も早い拉致被害者の方々の帰国に向け全力で果敢に取り組んでいかなければならないと改めて強く感じています」