2023.03.08規制委「東京電力の改善は不十分」検査継続で運転禁止解除の見込み立たず【新潟】
柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発で核セキュリティ上の違反が相次いだ問題で、原子力規制委員会は東京電力の改善が不十分であるとして、追加検査を継続する方針を確認しました。
8日午前に開かれた原子力規制委員会の定例会。委員からは、東電の改善状況に対する厳しい見方が示されました。
■伴信彦委員
「東電自身が(誤警報を)2018年度比10分の1を目指すと目標を掲げて来たが、その暫定目標すらも達成できていないのが現状。ハードウェア対策だけでこの問題をクリアするのは難しい状況」
■山中伸介委員長
「人数を増やしただけではダメで、核物質防護に関する能力の向上をきちんとしなければ、課題を克服するのもなかなか難しいという印象」
侵入検知設備の故障を放置するなど度重なる問題を受けて、規制委員会はおととし4月、東電に対して事実上の運転禁止命令を出し、追加検査を行っています。東電は改善を進めていますが8日の定例会では、「27の改善項目のうち6項目の改善が不十分」として検査を継続する方針が確認されました。山中委員長はこれまで「運転禁止命令解除の判断は春ごろになる」との見方を示してきましたが…
■山中委員長
「(最終判断まで)あと1~2カ月というところで、その間で劇的にきょう上がって来た様々な問題が解決されるというのはなかなか難しい。(運転禁止の)命令解除はかなり難しいだろう」
今後、原子力規制庁が5月中にも取りまとめる報告書をもとに改めて議論しますが、運転禁止命令解除の見通しは立っていません。