2023.05.11送り主は「星飛雄馬」!?160㎞/hの体験を!十日町高校に匿名のOBからピッチングマシーン【新潟】
大リーグボール級?のプレゼント
夏の甲子園に出場したことがある十日町高校野球部に、ある贈り物が届きました。1台100万円以上するピッチングマシーンです。差出人の名前は、なんと野球漫画の名作に登場する主人公でした。
4月、UXに一通の手紙が届きました。差出人の名前は、星飛雄馬!星飛雄馬といえば、1960年代後半に漫画の連載やアニメがスタートし人気となった「巨人の星」の主人公です。その手紙に書かれていたのは…
■「星飛雄馬」さんからの手紙の一文
「今般、私は最高速度160km/hのピッチングマシーンを、母校の十日町高校野球部に寄付いたします」
空き地が増え、人通りが少なくなった古里の十日町市、そして、若い世代を元気にしたいという思いがつづられていました。
しかし、星飛雄馬さんが明かしたのは十日町高校出身ということだけ。
2001年、夏の甲子園に出場し、トレードマークの「トンボ旋風」で地元を沸かせた、十日町高校野球部。22年ぶりの甲子園を目指し、汗を流す選手たちに贈り物が届きました。
運び込まれたピッチングマシーン。手紙には「最高速度160km/h」と書かれていましたが・・・
■十日町高校 野球部員
「行きます~164!」
高校生にとっては、まさに未知のスピード。
■十日町高校 佐々木悠斗選手
「体感したことないというか、プロの世界がどれだけなものか知れた」
■十日町高校 根津勇真主将
「これが日本のトップクラスの大谷選手や佐々木朗希投手が投げているボールなのかと思い、感動した」
ピッチングマシーンの金額は、なんと160万円。どれほどの性能なのか、星飛雄馬さんから発注を受けた愛知県の業者に聞きました。
■マルエ 土本篤さん
「ピッチングマシーンとしては最上級のマシーンでマックスが160km/h。変化球も全種類、右投げも左投げも投げられますプロの球団が使う性能か。それ以上と言ってもいい」
しかしなぜ、ピッチングマシーンを選んだのでしょうか…
■「星飛雄馬」さんからの手紙の一文
「WBCでの侍ジャパンの活躍で日本中が元気になる様子を目の当たりにし、『これだ』と直感した。佐々木選手や大谷選手しか投げられない剛速球を母校の選手に打たせてあげたい」
十日町高校にある4台のピッチングマシーンは現在、2台が故障中。残る2台も10年以上、使用しています。
■十日町高校 廣瀬健一監督
「県内の投手もいい投手が増えてきていて球速も上がっているので対戦する前に球速を体感できるのは非常に大きなメリット。ありがたい」
電話で注文を受けた業者によると、星飛雄馬さんは男性だったそうです。
■マルエ 土本篤さん
「ピッチングマシーンの注文を受けた時に弊社も何か協力できないかと思い、プレートを作成してマシンに付けてお送りできますよと話した、そのプレートの名前をどうしますかという時に、先方から星飛雄馬という名前が出てきた」
そもそも、今の高校生は「星飛雄馬」を知っているのでしょうか…?
■十日町高校 根津勇真主将
「知っていました!巨人の星のキャラクターということでアニメは見たことがないが名前は知っていた」
■十日町高校 佐々木悠斗選手
「・・・マジで初耳です」
チーム関係者を含め「星飛雄馬さん」が誰なのかは分からないまま…それでも十日町を思う気持ちは、部員たちに伝わっています。
■選手たち
「このマシーンを十日町高校に寄贈していただきありがとうございます。僕たちはきょうこのマシーンで160キロという新しい体験をし、とても感動しました。自分たちがもう一度トンボ旋風を巻き起こし、十日町市を盛り上げていけるように頑張ります。本当にありがとうございました」
星飛雄馬さんは、手紙の最後を巨人の星のキャラクターになぞらえて、こう締めくくりました。
■「星飛雄馬」さんからの手紙の一文
「私は左門豊作のような慈善家ではなく、花形満のような事業家でもない、いち生活者です。若い『十日町の星』たちが160キロの球を打った、打てたという経験が、人生を歩むうえで自信となり、『世界の星』になっていくことが本望です」