2025.06.11【特集|サッカー×農業】チーム初・15歳の高校生が新加入!10年目を迎えた「FC越後妻有」チームに加わる“若い力”と 互いに支えあう“地域”との関係【新潟】
地元・十日町市出身の高校1年生:和田美優選手
10年目を迎えたチームに、新たな若い力が加わり過疎高齢化が進む町を活気づけています。
「ねーらねらねらねーら風を送るよねーら。」
5月25日のホーム開幕戦。
サポーターの声援を受けるのは、『FC越後妻有』の選手たち。
女子サッカーの国内リーグは5つ。『FC越後妻有』は地域リーグの北信越に所属していて、現在は全国から集まった11人がプレーしています。雨が降る中、約100人の地元サポーターが駆け付けました。
応援旗を掲げるのは、佐藤達夫さん。チーム発足当時からのサポーターです。
■地元サポーター 佐藤達夫さん(78)
「今年はものすごく地元(十日町)で大雪が降ったが、この試合が始まるのをすごく楽しみにしていました。」
地元・十日町市出身の和田美優さん。正確なパスが持ち味のミットフィルダーです。
■和田美優選手
「中学のクラブチームにいるときにFC越後妻有と練習試合をさせてもらって、そのときにチームの雰囲気がすごくいいなと思って、高校に上がるタイミングで市外の私立高校なども考えたが〝地域の人に支えられてプレーできるのはこのチーム〟だと思って。そこがいいところだと思って入団を決めた。」
じつは和田さん、南魚沼市の高校に入学したばかりの15歳。この春、FC越後妻有に入団した〝チーム初の高校生〟メンバーです。
■和田美優選手
「学校にはちゃんと通って、放課後にチームの練習に参加するので勉強は何とか大丈夫だと思います。」
サッカーの後は勉強に取り組みます。
■和田美優選手
「あれ、違った、、、いまは学校生活は楽しいですし、勉強も難しいですけど、何とかなんとか頑張っている。」
入団から2カ月、チームに溶け込んでいます。
■和田美優選手
「クセの強い人たちとサッカーができるのが楽しいです。」
■三井愛里沙選手
「高校生アピールをすごくしてくる、若い!」
■大平友紀子選手
「みんな社会人で同じ仕事をしているなか、学校が終わった後に練習に来て頑張っているよね。」
新たな選手が加わる一方で、選手生活に区切りをつけた人がいます。
■石渡美里さん
「変な感じがしますね。昨シーズンまではピッチに立っていたので、試合を見ながらみんなの成長をひしひしと感じている。」
兵庫県出身の石渡美里さん。大学卒業後に、発足したばかりのFC越後妻有に入団しました。地元で農業を営む男性と結婚し、長男の大樹君を出産。地域の支えを受けながら、子育てと選手を両立させてきました。
■地元サポーター 佐藤達夫さん(78)
「おりこうさんだな、おりこうさんだな。」
■石渡美里さん
「地元の人がいなかったら、もういないのでここに。」
■地元サポーター 佐藤達夫さん(78)
「すくすくと育つといいね。」
昨シーズンで現役を引退。その後も十日町市に残り、家族3人で暮らしています。
■石渡美里さん
「大自然の中で、達夫さんみたいに優しい方が多くて子育てしやすい。」
■地元サポーター 佐藤達夫さん(78)
「ずっとここにいて、地域をサポートしてくれて心強い。FC越後妻有に来る選手は、みんなそうなるのが理想的。石渡さんは良い見本になってくれてありがたい。」
チームが開いた『引退セレモニー』。
■石渡美里さん
「9年間本当にたくさんの経験をさせていただきました。諦めずに続けてきたからこそ、みんなと見られた景色がありましたし、仲間と過ごした貴重な時間が〝私の宝物〟になっています。今日はありがとうございました。」
この日、高校生の和田さんが用意していたのは、サッカーのスパイクではなく『長靴』。
地元の人たちと向かったのは・・・棚田です。
日本有数の美しい棚田が広がる十日町市。FC越後妻有の選手たちは、後継者不足で管理されなくなった棚田を守るためコメ作りをしています。
■和田美優選手
「(田植えは)小学4年生ぶりくらい。いろいろな人に教えてもらいながら頑張りたい。」
苦戦する姿を見ていたサポーターの達夫さん。田植えの実演指導です。アドバイスをもとに、再び挑戦です!
■和田美優選手
「ほかの高校やチームではできない経験だと思うので、このチームを選んで良かった。」
■地元サポーター 佐藤達夫さん(78)
「地域に新しい空気や風を感じる。和田さんの力ですよ。FC越後妻有に入ってくれて感謝ですよ、感謝です。」
FC越後妻有の選手たちが、地域に活気を与えています。