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2025.06.17事故から14年「福島第一原発」いまの姿:現場をUX記者がリポート【新潟】

事故から14年「福島第一原発」いまの姿:現場をUX記者がリポート【新潟】
現場をUX記者がリポート
原発に対する国民の警戒感を高め、エネルギー政策に大きな影響を与えたのが2011年の『福島第一原発事故』です。6月、東北と新潟のテレビ朝日系列各局が福島第一原発を共同取材しました。廃炉作業の途上にある原発の今の姿を記者リポートでお伝えします。

事故から14年が経った福島第一原発の構内は静かで、廃炉作業に携わる人たちが黙々と作業を進めていました。私たちは、線量計を取り付けたベストを着て構内を移動します。

最初に降り立った場所では、事故を起こした「原子炉」の建屋が見渡せました。

■南波賢一郎記者
「こちらが水素爆発をした1号機です。今も上部にはがれきが残っています。あのがれきの下に使用済み核燃料プールがあって、燃料を取り出すためにはあのがれきを取り除かなければならないということです。」

福島第一原発には、〝6つの原子炉〟がありました。
事故では、1号機と3号機・4号機で水素爆発が発生。2号機は、1号機の爆発の衝撃で建屋からガスが抜け爆発は免れたものの、大量の核物質が飛散しました。

東京電力は、廃炉の第一歩として建屋に保管していた使用済み核燃料の取り出しを進めます。3号機と4号機は作業を終え2号機に取りかかっていますが、1号機の上にはいまもがれきが複雑に積みあがっていました。
今後、がれきを取り除く際に核物質が舞い上がらないよう、巨大なカバーを取り付ける予定で、取り出しにはまだ時間がかかる見通しです。

マスクや防護服は必要ないというこの場所ですが、滞在時間は制限されていました。周りを見渡すと、1号機の爆発の衝撃でほぼすべての窓ガラスが吹き飛んだ、旧事務本館が手つかずの状態で残っていました。

原子炉の近くに進みます。2号機と3号機の間の通路です。破損した原子炉の建屋内などを除き、構内の95%以上のエリアでは防護服は必要ありません。それでも、核物質の付着と拡散を少しでも防ぐため、マスクと専用の靴・手袋を身につけ、ズボンのすそも靴下で覆います。

2号機では、大型クレーンによる核燃料取り出し用の設備を建設中。
そして3号機は-

■南波賢一郎記者
「こちらが3号機です。すでに使用済み核燃料は取り出されているということですが、壁には今も当時の爆発のあとが残っています。」

むき出しになった痕跡は、サビも浮き出て時間の経過を物語っていました。

被害が小さかった5号機では、東電社員から『燃料デブリ』を取り出す方法の説明がありました。廃炉で最大の課題が、原子炉の底にある『燃料デブリ』です。溶けた核燃料ががれきと混ざって固まったもので、取り出しは難航を極めています。

ようやく2024年11月、2号機の地下から9mm×7mmのわずかな欠片が初めて取り出されました。これは、5号機の原子炉にある作業用の穴です。2号機では、これと同じ直径数十cmの狭い穴からアームを差し込んで、なんとかあの小さな欠片を取り出しました。
欠片の重さは0.7g。1号機から3号機の地下に残るデブリは約880tです。このほか、海洋放出が続く処理水について、安全性への信頼をいかに得るか、取り出したデブリや汚染された廃棄物をどう処理するかなど、課題は山積しています。

政府と東電が目標とする2051年の廃炉完了が果たせるか、その先行きは不透明です。
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