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2025.08.22【特集】平丸集落の伝統工芸「スゲ細工」謙信公祭に合わせ「上杉謙信」を制作【新潟・妙高市】

【特集】平丸集落の伝統工芸「スゲ細工」謙信公祭に合わせ「上杉謙信」を制作【新潟・妙高市】
今回制作された〝馬上謙信〟のスゲ細工
謙信公祭にむけて、準備を進める人たちが妙高市平丸集落にもいます。伝統工芸品『スゲ細工』の作り手が、その魅力をアピールするため上杉謙信を制作しました。伝統技術の継承の難しさと、平丸集落の雄大な自然の美しさをカメラマンが取材しました。

「引っ張るときに気をつけないと、(スゲが)ちぎれてしまったり自分の指を切っちゃったり。」

妙高市平丸集落の伝統工芸『スゲ細工』。
真剣なまなざしで作品に向き合うのは、柴野美佐代さんと青野尚登さんです。2人が作っているのは、馬に乗った戦国武将・上杉謙信。8月23日から上越市で開かれる100回目の節目を迎える謙信公祭に合わせて、馬上謙信の制作に奮闘しています。

■スゲ細工の作り手 柴野美佐代さん
「(Q.制作の進捗は?)ほぼ形としてはできているが、細かい部分がどうしても。もうちょっと変えたいよねっていうところは出てくる。」

かつて、平丸集落では農家の冬の収入源として『スゲ細工』が作られてきましたが、時代の移り変わりと共に需要も作り手も減り続け・・・存続の危機に瀕しています。

柴野さんと青野さんは上越市に住んでいますが、平丸集落の伝統を守るため10年前からスゲ細工の技術継承に努力を重ね、今では『スゲ細工のこし隊』と称し活動しています。


四季を織りなす平丸地区。水源となるブナ林は草木に命を吹き込みます。
「(Q.これは?)ウドです。山ウドですね。もともと自生しているが、株分けしてあちこちに植えた。地元の人たちと植えた。」

森で磨かれた水が、苦みやアクの少ない山菜を育てます。豊富な清水は『スゲ細工』の原料にも恩恵をもたらします。

■スゲ細工のこし隊 青野尚登さん
「1番目としては今が一番長い状態。これを刈り取って徐々に伸びてきたら、さらに刈り取る。」

■スゲ細工の作り手 柴野美佐代さん
「私の身長150cmをこえるとこれくらい。」

■スゲ細工のこし隊 青野尚登さん
「ワラだと経年劣化が激しいとボロボロになる。スゲは古いものだと30~40年前の品物もある。形が残っているのが一番の理由。」

青々しいスゲは乾燥させるほど茶色に変色。『スゲ細工』は部位ごとに色を使い分けています。

■スゲ細工の作り手 柴野美佐代さん
「今回、上杉謙信という人型(を作るの)は初めて。長さや太さといった規格で作れないのが、人型の面倒くささ。」

半年の月日をかけて〝馬上謙信〟が完成。謙信公祭を盛り上げる“上杉おもてなし武将隊”へ献上しました。

■越後上越 上杉おもてなし武将隊 上杉謙信
「我々も第100回謙信公祭に向けて戦の準備も整えておる次第でござるが、それを目前に皆々様からお気持ちをいただけるというのは、本当に長きにわたって戦をしてきたかいがあったということでござる。」

■スゲ細工のこし隊 柴野美佐代さん
「技術を残しながら新しい、できればグレードアップした品質の良いものを作りたい。それを皆さんにお披露目してお館様に渡せた。何で渡すのか自分たちも再認識しなければいけない。人との関わりやつながりが重要。皆さんに育てていただいていることを実感しながら、頑張っていかなきゃな。」


第100回謙信公祭は明日8月23日に開幕。今回制作された〝馬上謙信〟のスゲ細工は、会場の一部にもなっている春日山地区にある「埋蔵文化財センター」や「上越市立歴史博物館」でしばらくの間展示されているということです。
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