2025.09.12【特集】応援に捧げる〝ストイックな青春〟東京農業大学応援団の夏合宿【新潟】
ストイックな青春にカメラが迫る
創部94年の歴史を誇る東京農業大学応援団が先週、夏合宿のため五泉市を訪れていました。応援にこだわりぬく、ストイックな青春にカメラが迫ります。
手に大根を持つ独自のスタイル。東京農業大学応援団は、一糸乱れぬ動きで迫力の応援を披露します。それを実現するため、日夜厳しいトレーニングに励む団員たち。応援に青春を捧げる学生たちの姿に迫ります。
合宿2日目のこの日、朝6時から体力トレーニングが始まりました。
「4、5、6、7、8!」
東京農業大学応援団は、『吹奏楽部』『チアリーダー部』そして、応援の指揮を執る『リーダー部』で構成されています。合宿に参加したのはリーダー部の15人。
部長の内田浩輔さんがメンバーを指導します。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「1分20秒で5本全力で戻ってこられたらおしまい。だめだったら1本目から!」
このメニューは、約400mを1分20秒以内に走り切るというトレーニング。それを5本続けます。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「あと5、4、3!はいオッケー!」
早朝から徹底的に体を追い込みます。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「(応援は)普段使わない筋肉を使うので、基礎能力の向上はとても大事。」
午前の練習-
どの競技の応援でも、必ず歌うのが〝学歌〟。大きな声で歌うのはもちろん、力強く腕を振り、メンバー全員の動きをそろえなければなりません。部長の内田さん、眼光鋭く練習を見つめます。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「腕立て!なにその情けない学歌。」
声が小さかったことと腕の動きに乱れがあったことから、腕立て伏せ20回が課せられました。この苦しさを全員で乗り越えることに、大きな意味があると言います。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「一糸乱れぬ動きが応援団として必要なこと。やはり連帯責任という形をとって、みんなで一つのものを仕上げようという認識でやっている。」
昼食後は、東京農業大学応援団独自の応援『大根踊り』のトレーニングです。
手に大根を持って踊る独特なスタイルとあって、箱根駅伝の沿道などでは多くの人の目を引き付けます。
応援団結成前の1923年に作られ、102年もの歴史がある応援です。トレーニングでは、大根の代わりにペットボトルを持ちます。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「大根踊りは100年以上受け継がれているので、それを100年先の後世に伝えていくのも我々の使命なので、なくてはならないもの。」
朝6時のトレーニング開始から、すでに10時間が経過-
この合宿に、並々ならぬ覚悟で臨む部員がメンバーの前に立ちました。2年生の要田泰明さん、応援の指揮を執るリーダーに挑戦しています。
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「まだ人に見せられるレベルじゃなくて。どうやったら迫力を見せられるかを考えながら、動きを分解して練習していきたいです。」
4年生に認められれば、合宿中に開かれる五泉市民向けの発表会でリーダーを任せてもらえることになっています。
■先輩部員
「もっと一息ついていい!リーダーは。ここもっと腰を落とそう。」
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「(Q.市民向けの発表会で披露したい?)いや~どうですかね。目標としては、演技としてちゃんと成立するものを作りたいと思っています。」
休憩中も先輩から指導を受け、体の動きを確認しました。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「まだまだ発表会に出せるレベルではない。これから詰めていって、9月6日の発表会で(リーダーで)出してあげられたらいいなと思う。」
練習を午後5時に終え、夕食の準備です。
五泉市で採れたコシヒカリや、OBが差し入れした五泉産の卵が食卓に並びます。
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「すごいおいしいです。何杯でもおかわりできます。このお米で(明日も)頑張ります。」
■農業高校出身
「(コメ作りは)時間とか労力もすごくかかるので、やっぱりこんなに多くの量をいただけるのはすごくうれしい。」
リーダーを目指す要田さん。
完成度を高めようと、発表会前日まで徹底的に努力を重ねました。
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「合宿に来る前は何もできない状態からこの数日でここまで仕上げてきてくれたのは、彼の頑張りがあってこそなので前向きに考えたいと思います。」
発表会当日-
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「(Q.結果どうだった?)できるようになって。一応合格って感じで。リーダーをできることになりました。やってきた成果を出せるように頑張ります。」
「リーダー部によります、リーダー公開を始めます!」
要田さんがリーダーを務めるのは、2つ目の演目です。
■記者
「やり切りましたね?」
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「(うなずく)。」
〆の演目は、102年の伝統を誇る『大根踊り』です。
■観客(中学1年)
「迫力があってかっこよかった。」
■観客(90代)
「元気もらって、私も歳だけどまだまだがんばらないとと思った。」
■リーダーに挑戦 要田泰明さん
「本番もミスなく最後までやりきれたので、すごく良い思い出。」
■東京農業大学応援団リーダー部 内田浩輔部長
「よかったところもたくさんみられた。合宿の成果を発揮できた。ゆくゆくは農大の発展を願って精進していきたい。」