2025.12.15【高校バスケ|WC2025】2年生エースが動いた「チームを変える」開志国際のエース・高橋歩路の覚悟【新潟】
開志国際のチームを引っ張る2年生エース・高橋歩路選手
12月から始まる高校バスケ冬の祭典・ソフトバンクウインターカップ。
この冬、県予選を制した男子『開志国際』。
インターハイ予選での敗退のあと、すれ違いかけていたチームの気持ちをひとつにまとめたのは2年生エースのある行動でした。
11月、ウインターカップ県予選を制した開志国際。そのチームを引っ張る2年生エースが、スリーポイントスナイパーの高橋歩路(ある)。2024年は1年生ながら全国の舞台で活躍すると、今年はエースとしてチームを牽引してきました。
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「チームの勝敗を決めるのは自分だと思っているので、プレッシャーもある中でそのプレッシャーを楽しめたらいい。」
しかし-
2025年4月の試合で右肩を亜脱臼。全治3カ月のケガに見舞われます。
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「あまりケガしないのでくやしい。」
エースを欠いたチームは、インターハイ県予選の決勝で帝京長岡に敗退。
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「見ている試合もすごく悔しい。『なんで出られないんだろう』と思っていた。」
夏の敗戦を経て、チームが掲げたテーマは〝「自覚」と「責任」〟。Wキャプテンを担う北村と小泉は-
■開志国際・Wキャプテン 小泉俊介選手(3年)
「日本一になるため、チームの一体感が「自覚」と「責任」という言葉でさらに強まった。」
■開志国際・Wキャプテン 北村優太選手(3年)
「役割をはっきりさせたことが、全員が迷いなくプレーできていることにつながっている。」
しかし、高橋はこの時期 チームの空気にある〝違和感〟を覚えていました。頂点の座を取り戻すべく意気込む3年生。その熱意が下級生に伝わり切れていないと感じていました。
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「3年生の思いと自分たち(下級生)の思いがぶつかったというか、すれ違った。3年生が頑張るのはもちろん分かるけど、チームには1・2年生もいる中でやらないといけないので、その時期 3年生は3年生、1・2年生は1・2年生。日本一になるために来た。」
2年生エースとして、そして一度戦列を離れてチームを客観視できたからこそ〝見えてきた課題〟。
高橋はある行動に出ます-
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「めっちゃ考えた。この日シューティング行かないで部屋にこもって考えていた。」
再びひとつになって日本一を目指す。思いのすれ違いから生じた見えない壁を壊すため、高橋は先輩へメッセージを送りました。
≪メッセージ≫
「たまに3年生を集めて話してるのはいいと思う。けど、それを下級生にも共有してほしいと思ってる。下級生も含めてチームってことを考えて欲しい。これから日本一になるチームの一員としてそこはチーム内でぶつかった方がいいと思ってる。」
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「言ったときはもう『やばいやばい』本当にそれしか思わなくて、話しているうちに、バスケに対する気持ちもすごく前向きになった。一転したというか、言ってからだいぶ変わった。」
■開志国際・Wキャプテン 小泉俊介選手(3年)
「『苦しいときは3年生』と思っていて声かけをしていたけど、歩路に言わせてしまった。勇気が要るのに言ってくれたことに本当に感謝している。『ありがとう』と『ごめん』を伝えました。」
■開志国際・Wキャプテン 北村優太選手(3年)
「おかけでチームも良い方向に向かっていったので、本当にありがたい。」
選手たちが自ら考え動いたことに、富樫ヘッドコーチは-
■開志国際 富樫英樹ヘッドコーチ
「3年生が中心となって下級生を引っ張ってくれたらと思ったが、下級生もゲームに出るからとても良い感じだと思った。歩路もエースと言われているので、「自覚」と「責任」の芽生えだと感じた。」
ウインターカップ県予選決勝。頂点を取り戻すため、ひとつになった開志国際は強さを見せつけます。
再び上級生と下級生の思いをひとつにした『開志国際』3年ぶりに冬の頂点を目指します。
■開志国際 高橋歩路選手(2年)
「ベンチも試合に出ている5人も楽しそう。すごく笑顔でプレーできている。いまは〝日本一〟しか見えていない。」
その開志国際が出場するソフトバンクウインターカップ2025は、12月23日(火)から東京で行われます。開志国際のほか、男子は加えて帝京長岡、女子は新潟産大附属が出場します。
新潟のチームが冬の頂点に立てるよう、みなさんも一緒に応援しましょう。