2025.12.16【特集】参院選にお騒がせ市長・・・「選挙」の1年:シリーズ新潟2025②【新潟】
6月の任期満了に伴って行われる『県知事選挙』に出馬するのか
新潟の2025年を振り返るシリーズ企画。2回目は〝選挙〟です。
参院選や各地の市町村長選が行われ、新たな政党の台頭などが県内でも注目を集めました。そして、来年に向けてもすでに戦いは始まっています。
2025年、年明け-
夏の主役になるとみられた2人が、初めて相まみえました。7月の参院選に立候補した立憲民主党の現職・打越さく良参議院議員と、自民党の新人・中村真衣さんです。2024年10月の衆院選で少数与党となり、与野党ともに「政権選択の選挙」と位置付けた参院選。
■立憲民主党 打越さく良氏
「地方の暮らしをしっかり支える。みんなが幸せを実感できる新潟に。」
■自民党 中村真衣氏
「政治経験はありません。だからこそ新しい風を吹き込めるのではないか。」
新潟は、全国32ある1人区のひとつ。重点選挙区として、与野党ともに序盤から大物を送り込みました。
■石破茂総理大臣(当時)
「何のために政治家になるのか、きちんと言えるのは中村真衣です。」
■立憲民主党 野田佳彦代表
「自民党にペナルティーを与えるためにも、打越さく良さんに支援を。」
事実上、与野党一騎打ちの構図だと思われた参院選。
そこに割って入ったのが、参政党です。保険会社に勤める新人の平井恵里子さんを擁立。消費税の廃止や子どもへの給付金・選択的夫婦別姓への反対など、他党との違いを打ち出しました。
■参政党 平井恵里子氏
「普通のお母さんが政治に参加できることを感じてもらえれば。」
■参政党 神谷宗幣代表
「新潟は自民党がそんなに強くない。十分に票が取れる可能性があるエリアだと思っている。」
強い組織力を持たない中、SNSでの発信や党員やサポーターの活動を中心に支持を広げます。
■参政党の支援者
「YouTubeなどいろんな情報を見ていて参政党が一番まとも。」
■参政党 平井恵理子氏
「ガッツポーズしてくれる人も増えたし、手を振ってくれる人が多くなった。すごく参政党が浸透していると感じる。」
大きな争点となったのは『物価高対策』。
なかでも、異常な値上がりが続いていた〝コメ〟をめぐる政策が焦点に。コメ価格の抑制か、農家の所得確保か、そのはざまで揺れました。
自民党を支持してきた農家たちも-
■コメ農家
「農業政策ね、しっかりしてくれんもんかな。」
自民陣営に明らかな異変がみえたのは、この人の来県-
■小泉進次郎農水大臣(当時)
「どうかみなさん、新潟県コメどころ。今まで以上に力強く支えてください。」
自身を『コメ大臣』と称した小泉農水大臣が、コメどころ・小千谷市に来援。しかし、会場の半数ほどが空席…現職大臣の集会では異例の光景でした。
打越陣営は攻勢に出ました。
立憲の野田代表はこの選挙期間 3度の新潟入り―
■立憲民主党 野田佳彦代表
「JAを悪玉にしていますよね。責任転嫁するならやめた方がいい。需給見通しを誤ったのは政府だ。」
結果は-
■立憲民主党 打越さく良氏
「この新潟から政治の風景を変えたい。県民の勝利でございます。」
自民党の中村さんが1万票差に迫る接戦。さらに、参政党の平井さんが20万票を獲得。自民・立憲ともに、その脅威をまざまざと見せつけられました。野党共闘の課題も浮き彫りに。前回は無所属で立候補し、立憲・国民・社民・共産の推薦を得た打越さんでしたが、今回は立憲民主党の公認で立候補したため、共産党に与しないと決めた国民民主党が陣営入りを拒絶。共産党は自主支援とするなど、連携は『ガラス細工』となりました。
■共産党県委員会 樋渡士自夫委員長
「共闘の排除は、何とかなくしていきたい。」
■立憲民主党 菊田真紀子衆院議員
「今回の選挙も正直、(打越氏を)初めて見ました聞きましたって人が大半じゃないですか。次は自力でやれるように成長してもらいたい。」
そのほか、県内では今年8つの『市町村長選』も行われました。なかでも注目されたのが、10月の『上越市長選』です。
■上越市 中川幹太市長
「申し訳ございませんでした。」
学歴差別ともとれる発言や兵庫県三田市のコメをまずいと表現するなど、相次いだ中川幹太市長の〝不適切発言〟。
市政の立て直しを目指して出馬をしたのは、なんと6人!県内の市町村長選では戦後最多でした。当選したのは、元外務官僚で新人の小菅淳一さん。
■上越市 小菅淳一市長
「上越市が一番世界で住みやすい、一番輝く街にしたい。」
3番手に沈んだ中川幹太市長。敗戦後、こう語りました。
■上越市 中川幹太前市長
「なかには握手を拒まれる人も何人かいたし、(不適切発言の)影響はあった。」
来年は、今年をうわまわる10の市町村長選が控えます。政令市・新潟市もその中のひとつです。
そして、来年迎える大きな選挙のひとつが-
「知事選」
6月の任期満了に伴って行われる『県知事選挙』。花角知事が3選出馬するのか…柏崎刈羽原発の再稼働を容認し、県議会で信を問うとしたプロセスが問われることは必至です。
■立憲民主党 西村智奈美衆院議員
「非常に信の問い方として問題がある。(立憲県連は)衆議院・参議院、これだけ国会議員がいる中で、県知事選挙に対してずっと黙っているわけにはいかない。」
■立憲民主党 菊田真紀子衆院議員
「これだけ大きな原発問題について、立憲民主党として(知事の判断と)相いれない声明を出した。いざとなったら場合によってはきちっと戦う候補者を出さないといけない。」
自民党は-
■自民党 斎藤洋明衆院議員
「県政の課題に真摯(しんし)に向き合ってきた花角知事の政治姿勢を全体として評価すべきと思っている。私も自民党としても花角知事を支えていくことになる。」
一方、にわかにささやかれるのが〝衆議院の解散〟。
2026年1月、燕市に来訪した立憲民主党の安住幹事長は「高市内閣の支持率が高いいま、来月の通常国会で冒頭解散もあり得る」と述べました。
■立憲民主党 安住淳幹事長
「ちゃんと野党間でスクラムを組んで、その場合は頑張りたい。衆議院になると新潟は強さを発揮してくれるので、最重点県として頼りにしている。」
石破総理の退陣後、10月に高市早苗さんが憲政史上初の女性総理に選ばれましたが、公明党の連立離脱や維新との新たな連立など政局は目まぐるしく動きました。
自民党も11月、県連のパーティーに党や政権の幹部を招き、支援者の不安払拭を図ります。
■自民党 鈴木俊一幹事長
「今日の連立離脱をもって地方に対して自民との関係を見直せということは一切言わないという話が(公明党から)あった。公明党との関係はこれからも大切にしたいし、大切にしていただきたい。」
2026年も、政治が大きく動きそうな気配が漂います。有権者が何を求めて1票を投じるか。私たちの意思を示す1年になりそうです。