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2026.06.02【特集|高校野球】長岡高校野球部・女子キャプテン「それが悔しかった」葛藤を乗り越えリーダーとして成長【新潟】

【特集|高校野球】長岡高校野球部・女子キャプテン「それが悔しかった」葛藤を乗り越えリーダーとして成長【新潟】
なぜ、女子野球部がある学校を選ばなかったのか?
7月開幕する『夏の高校野球新潟大会』を前に、各校がチームづくりを進めています。長岡高校では、キャプテンに女子選手を抜擢(ばってき)。チームメートから絶大な信頼を寄せられる〝女性リーダー〟の姿に迫ります。

■楳田晴主将(3年)
「1球1球集中して質の高い練習していきましょう。」

選手46人、マネージャー4人で活動する『長岡高校野球部』。
チームをまとめるキャプテン・楳田晴(うめだはる)選手。ポジションはセカンド、長岡高校野球部唯一の女子選手にしてキャプテンです。

■楳田晴主将(3年)
「チームがどういう状況かを考え、個人もチームも伸ばしていくのが自分が考えるキャプテンの役割。(チームの)課題は分かっていてもすぐに成果がでるものではないので、我慢して焦らずコツコツとやらなくてはいけないのが一番。キャプテンとして大変だと思う。」

藤巻辰也監督も楳田キャプテンの資質を高く評価しています。

■藤巻辰也監督
「チームで周りが一番よく見えていて、周りの選手が気が付かないことに気が付いてくれる。そういったところが、彼女がキャプテンとして優れているところ。」

チームメートへの気配りを欠かさず、技術的なアドバイスも積極的に送ります。

■楳田晴主将(3年)
「外は体が入っていないからインコースは良い感じに持っていけるけど、外は当てるしかいけないからもうちょっと内に入れるか。自分が誰よりも野球の知識・技術面も勉強して学んで、それをみんなに還元する。チームメート個人個人の課題を知るようになった。」

誰よりも真摯(しんし)に野球に向き合う楳田キャプテンに、チームメートも信頼を寄せています。

■エース 中澤陽聖投手(3年)
「チームの一番の柱。このチームで勝つんだという思いを一番持って、練習でも動いてくれているのが頼りになる。」

■マネージャー 酒井絢音さん(3年)
「マネージャーが持ってくる道具も楳田主将が気づいてくれたり、マネージャーのことも気にかけてくれてすごく周りが見えている選手だと思う。」

■力強い打撃が武器 和田友樹選手(3年)
「技術的にも入学したときから上手で彼女に相談する。技術的にもうまいなと思っている。」

守備では捕球・送球ともに抜群の安定感。バッティングではミートを心掛けた粘り強さが持ち味です。

■楳田晴主将(3年)
「一発ホームランが出るバッターではないので、簡単に空振りしないことを意識しているが、その中で自分のスイングをする。」

筋トレを含めすべて男子と同じメニューをこなすなど、チームをまとめるキャプテンとしてだけでなく1人の選手としても成長を続けています。

チームに欠かせない存在となっている楳田キャプテンですが、入部して間もないころは男女の違いに悩むこともあったと言います。

■楳田晴主将(3年)
「どれだけ同じトレーニングをしても、男子の方が筋肉がたくさんついたり(男子の方が)上達が早かったので、そこの苦しさはあった。自主練でウェートを入れて、ここで差をつけられたら絶対にダメだと思って。もともと負けず嫌いで絶対に負けないという気持ちでやっている。」


―――――
楳田キャプテンが野球を始めたのは、小学4年のとき。野球好きの父親とキャッチボールをしたのがきっかけでした。

■楳田晴主将(3年)
「単純に楽しかった。」

一気に野球の魅力に取りつかれ、地元の少年野球チームに入団。中学でも成長を続け、中3の時には県女子選抜のトライアウトに合格するほどの実力でした。

その後、長岡高校への進学を決めましたが・・・
なぜ、女子野球部がある学校を選ばなかったのでしょうか?

■楳田晴主将(3年)
「高野連のルールで女子選手は公式戦に出られない。それが悔しかったので、あえて男子野球部に入って、自分が活躍して注目してもらえたらルールを変えることができるかなと思って。絶対に自分がルールを変えて甲子園に行くんだと思って入りました。」

入部当時、楳田キャプテンからこの思いを聞いた藤巻監督はー

■藤巻辰也監督
「彼女自身が持っている変革をしたいとか、変えられるなら良い方向に変えたいという思いは大事にしなきゃいけない。それには大変ないろいろな障壁があるし、難しいこともあるよという話もしていた。」

いつかルールを変えられると信じ、野球に向き合い続けてきた楳田キャプテン。その思いが純粋だからこそ、現実に苦しんだこともあります。

■楳田晴主将(3年)
「(1年の)秋の大会でボールパーソンとしてベンチのすぐ隣で試合を見ていた。チームが勝ってもベンチの中に自分がいられないことが悔しかった。(公式戦に)出られない現実が分かっていても、その現実に苦しんでいた。」

その時から練習へのモチベーションを保つことが難しくなったと言います。当時、相談を受けた藤巻監督が振り返ります。

■藤巻辰也監督
「部活をやっていても身が入らない状況が見て取れたし、私と話す時には涙することもたくさんあった。『そうだよな』と共感して受け止めることしかできなかった。」


―――――
日本高校野球連盟の規定は、大会への参加資格を『その学校に在学する男子生徒』と定めています。この規定は1955年から71年間変わっていません。

女子選手の出場の可能性について、県高野連に聞くとー

■県高野連 田島甲太専務理事
「中学を卒業するころから男女の体力差が顕著になる。体力差に伴い打球への反応など危険性がある。野球に限らず他競技も男女で分けている。この3点が女子が(公式戦に)出場できないとする規定が変わらない大きな要因だと思う。とくに高校野球なので、危険性というのは拭えない。男女一緒に(公式戦に)出場するのはまだハードルがある。」

越えられないルールの壁に悩んでいた1年生の冬-
楳田キャプテンの心を救ったのは、藤巻監督のある言葉でした。

■楳田晴主将(3年)
「『チームに何か貢献できている?』と聞かれた時にそこを考えてこなかった。自分が試合に出たい、自分がうまくなりたいと、自分に矢印がいってしまった。自分が試合に出られなくてもチームのためにやってきた自信が積み重なれば、もっと日々の練習も楽しくなる・やりがいを感じて出来ると考え立ち直った。」

■藤巻辰也監督
「目が自分にしか向いていないと狭い世界で終わってしまうという話は、その悩んでいた時にさせてもらった。葛藤の中でチームに目がいき 他者に目がいくようになり、キャプテンにしようと思った。」

誰よりもチームの成長を考え、誰よりもチームメートから信頼されるリーダーに成長した楳田キャプテン。この夏、チームの目標【甲子園で勝つ】ことを目指します。

■楳田晴主将(3年)
「公立高校の甲子園出場は、他県にもあるが勝つのは難しいと考えていて、あの場所でプレーして勝つ姿を見せるのがより良いと考え、行くだけじゃなく勝つことを目標に決めた。」
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