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2026.06.09【特集|磐越道バス事故から1カ月】原因究明は・・・保護者「真実を説明して」【新潟】

【特集|磐越道バス事故から1カ月】原因究明は・・・保護者「真実を説明して」【新潟】
なぜ事故は起きたのか
北越高校の生徒ら21人が死傷した磐越道のバス事故から1カ月が経ちました。捜査が進む一方で、レンタカーの手配などをめぐる学校とバス会社の主張は平行線のままです。

なぜ事故は起きたのか。
生徒の保護者が苦しい胸のうちを明かしました。

5月6日、福島県郡山市の磐越自動車道。北越高校の男子ソフトテニス部員を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突し、17歳の男子生徒が死亡、20人が重軽傷を負いました。

保護者の1人がUXの取材に応じ、いまの心境を語りました。

■部員の保護者
「1カ月が経っても、子どもたちは不安のなかにいます。元の生活は取り戻せていません。」

バスを運転していたのは、胎内市の無職・若山哲夫容疑者(68歳)。旅客運送に必要な『二種免許』を持っていませんでした。捜査関係者によりますと、若山容疑者は「速度の見極めが甘かった」「時速90~100km/hは出ていた」などと話していて、5月18日に警察は容疑者本人を現場に立ち会わせ実況見分を行いました。

バスは、最初にぶつかった緩衝ドラムの約200m手前から車線をはみ出し、蛇行を繰り返していたとみられています。若山容疑者は4月以降、自分の車や貸し出された代車で少なくとも5回の事故を起こし、警察から2度にわたって免許返納を促されていました。1回目の指導に対しては「70歳まではなんとか」と話していましたが、その後再び事故を起こし免許を返納する意思を示したということです。

■代車を貸し出した自動車修理会社の関係者
「(代車での事故が起きた)5月1日の夕方だと思います。免許証を返納すると若山さんから連絡があり、それは良かったなと思っていたんですけど。」


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これは、事故が起きる3時間ほど前の映像です。若山容疑者が運転していたとみられるバスは、センターラインを越えて対向車線にはみ出しています。

このあと、生徒を乗せて出発したバスが不可解な動きをしていたことが、生徒の保護者の証言でわかりました。バスは新潟中央ICから高速道路に入ります。しかし、福島に向かう磐越道ではなく、なぜか日本海東北道へ。すぐに新潟亀田ICで降りますが、乗り口が分からなかったのか近くの商業施設の周りを2~3周まわっていたそうです。

そのころ、部員同士はLINEで「シートベルトをしよう」という趣旨のメッセージをやり取りしていたといいます。

■北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問
「事故の前から少し運転がおかしかったと。事故を起こす前もトンネルでぶつかっていたとか、休憩したときに車の片側がぶつかって擦ったような跡があったと保護者の方から聞いた。」

若山容疑者は「体調と運転に不安はなかった」と話しているということですが、車内から保護者に「死ぬかもしれない」という趣旨のメッセージを送っていた部員も…。

保護者によりますと、「もうバスに乗りたくない」と話す部員もいるということです。

警察は、正常な運転ができない状態であった可能性もあるとみて、5月20日 容疑者の自宅に家宅捜索に入りました。その後、福島地検は若山容疑者を約3カ月半鑑定留置することを発表。現在、専門家による精神鑑定などで刑事責任能力の有無や程度を調べています。


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若山容疑者は、バス会社・蒲原鉄道の営業担当者の知人の知人で、運転していたバスはレンタカーでした。

この手配の経緯をめぐって、蒲原鉄道と北越高校の主張が対立しています。

■蒲原鉄道 茂野一弘社長
「今回は貸し切りバスを使わずにレンタカーを使って送迎したいと(学校側から)話をもらった。」

■蒲原鉄道 金子賢二営業担当
「(学校から)『運転する人もいないんだよね』という話になったので『運転手を紹介しましょうか』と手配して、『この方でいいでしょうか』と了解を得た。」

■北越高校 灰野正宏校長
「私どもとしては当然バスの運行をお願いしているので、『レンタカーにしてください』『運転手も紹介してください』ということはお願いするはずがないわけで。」

食い違う言い分。
双方の主張は平行線のままです。

専門家は、責任の所在がはっきりするには長い時間がかかると指摘します。

■飽津史隆弁護士
「まず事実確認。事実認定をきちんとしていくことをまだやっている状況だと思うので、いまの段階ではなかなか見極めがつかない。刑事事件としては運転していた人が責任を負うかどうか。そこに特化されてくるのではないか。刑事事件の方がおそらく先に処理されていく話になるが、民事事件となる場合はまだまだ年単位でかかる可能性がある。」

蒲原鉄道の営業担当者は若山容疑者と面識はなく、事前のやり取りは電話での数回だけ。事故歴などは把握していませんでした。

一方、北越高校側も当日を含めバスや運転手の所属の確認はしていませんでした。

■北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問
「当時は(蒲原鉄道の)金子氏を信頼しており、確認することに思いが至らなかった。いま振り返ると、私がバスに同乗しなかった判断が誤りであった。私がバスに同乗していれば運転者の異変に気付き、運転を止めさせるなどして事故を防ぐことが出来たのではないかと思っている。」

■飽津史隆弁護士
「事前に運転開始にあたって適切な運転手なのかどうか。子どもたちを乗せて運行させるわけだから、そこは当然学校側としては確認しないといけない義務はあると思うので、安全配慮すべき義務があったんじゃないか。これはもう当然の議論になるだろうと思う。」

運行に関して、学校と蒲原鉄道の間で事前に見積書や契約書・運送引受書の取り交わしはなかったといいます。

■北越高校 灰野正宏校長
「今回に限らず、遠征や練習試合などでバスを利用する場合には、書面を取り交わすことはしていないと聞いている。一般の商慣習ではありえないと言ってもいいような状況なので、見積書をしっかりと出したうえで、遠征を認めるとかしっかりと見直したい。」

■記者
「レンタカーで第三者が運転することを把握していたのであれば、そもそも今回 蒲原鉄道には任せなかったか?」

■北越高校 灰野正宏校長
「当然学校として受けなかった。」


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国は、再発防止に向けて動いています。
文部科学省は5月19日、部活動の遠征などでの安全確保について通知を出しました。貸し切りバスやタクシー運送を依頼する際は事業者から運送引受書の交付を受け、契約内容を明確化することや『緑ナンバー』であることの確認などを求めています。また、レンタカーや学校の車両を使う際は、運転者が適切な免許を持っているかの確認も要請しました。

さらに、国は6月末をめどに部活動などの移動時の安全対策を取りまとめる方針です。


今回の事故をめぐっては、若山容疑者が二種免許を持っておらず、運行が違法な『白バス行為』にあたる可能性が指摘されてきました。

これについて専門家はー

■飽津史隆弁護士
「白バスかどうかというのがかなりクローズアップされているが、事故でケガ人が出た、亡くなった人が出たということの責任を負うかどうかとは別の、ある意味周辺部分の問題なのでそこは切り離したうえで考えないといけない。」

保護者の1人に、いまの思いを聞くとー

■部員の保護者
「あの日何があったのか。なぜ事故が起きたのか。学校側には真実を説明してほしい。」

事故の原因究明、再発を防ぐために誠意ある対応が求められています。
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