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2026.06.12【特集】製法は門外不出・・・〝一子相伝〟創業132年の菓子店 歴史つなぐ5代目の思い【この町で~愛される老舗~|新潟】

【特集】製法は門外不出・・・〝一子相伝〟創業132年の菓子店 歴史つなぐ5代目の思い【この町で~愛される老舗~|新潟】
『菓子道楽 新野屋』の看板商品は「くろ羊かん」と「網代焼」
和菓子店から米菓業へと転向し、130年以上にわたって地域に親しまれている柏崎市の菓子店。歴史を刻む店の思いを取材しました。

ツヤっとした漆黒の羊かんに、小魚の形が愛らしい素朴なせんべい。作っているのは、柏崎市にある創業132年の『菓子道楽 新野屋(あらのや)』です。

■髙橋泉アナウンサー
「柏崎駅から歩いて3分ほどのところにあります。こちら『くろ羊かん』と石に彫られています。なんだか歴史を感じますね。」

5代目の新野博人さん(45)。次期当主で、いまは常務として店を支えています。

■髙橋泉アナウンサー
「こちらに『菓子道楽』という字が書いてありますが、どんな意味が込められているんですか?」

■5代目 新野博人さん
「初代の新野信太郎が自分で考えた言葉で、会社の経営理念にもなっているが、お菓子を楽しんでいく。お菓子を食べる方も作る方も、お菓子を楽しんでいこうという気持ちの言葉です。」

店の看板商品は、創業当初から続く『くろ羊かん』。
味は、黒糖・カカオ・ラムレーズン、そして羊かんを乾燥させた黒糖グラッセの4種類。

定番の『黒糖』の味はー

■髙橋泉アナウンサー
「黒糖のすっきりした甘さが口の中に広がります。食感はねっとりとしっとりの間というか、濃厚な口当たりです。」

■5代目 新野博人さん
「自称なんですけど、黒糖の量〝世界一〟と言っているくらいの羊かんに仕上げているので、圧倒的に黒糖の味・風味がするところにこだわって作っています。」

『くろ羊かん』の材料は、沖縄産の黒糖・ザラメ・小豆あん・糸寒天。素材にこだわり創業当時と変わらない材料を混ぜ合わせ、丁寧に練り上げます。

■5代目 新野博人さん
「(羊かんは)シンプルな作り方のお菓子なので、練りすぎてしまったり気候の変化などで多少出来が変わってしまうので、そのあたりは気をつけています。」

『くろ羊かん』の製法は代々当主のみに受け継がれる、まさに〝一子相伝〟。
4代目で社長の父・京一さん(74)はすでに5代目・博人さんに製法を伝え、いまはサポートにまわります。

■5代目 新野博人さん
「一緒に作る作業をして、最初は4代目(父)がメインで作り、それをずっと手伝っていることで作り方を学ぶ感じでしたね。あまり多くを語るタイプの社長ではなく、黙々と自分の仕事をこなすタイプ。そういう社長が頑張ってきていまがあると思っているので、そこは見習っていきたい。」

1時間半ほど練り上げた羊かんは、舟と呼ばれる型に流して一晩寝かせます。翌日、ひとつひとつ包丁で切り出し、つややかな漆黒の『くろ羊かん』が出来上がります。

■5代目 新野博人さん
「初代が一番こだわっていたのは、黒糖をたくさん入れたいと。黒糖の味そのものが前面に出た羊かんを作りたいといって作ったのが『くろ羊かん』なので。先代・先々代がずっとつないできたこの伝統の味を損ないたくないので、そこにはすごくこだわっています。」


―――――
新野屋の始まりは1894年。
羊かんに憧れた初代・新野信太郎が和菓子店として創業。しかし当時、和菓子は高価な時代でした。そこで、米どころ新潟で誰もが気軽に食べられるおいしいお菓子を作りたいと、機械製造の米菓を考案。

それが、1907年に誕生した店のもう一つの名物『網代焼(あじろやき)』です。

現在は生地にエビ粉を混ぜていますが、開発当時は魚粉を使っていたことから魚の形に。小魚をとる道具である網代にちなんで『網代焼』と名付けられました。

■5代目 新野博人さん
「いまでこそいろんな動物の形やいろんなお菓子がありますけど、明治時代で魚の形のお菓子を出していたというのは特徴的だったと思う。それがいまに続いているのは結構誇らしいですね。」

『網代焼』の製造には、生地作りや乾燥などの工程を経て4日ほどかかるといいます。誕生から約120年、長きにわたり地域に愛されるこだわりの『網代焼』をいただきます。

■髙橋泉アナウンサー
「しょうゆの香ばしさとやさしいエビの風味が口のなかいっぱいに広がります。これはやみつきになりそうです。」

ほかにも、辛みを加えたものやコシヒカリ・こしいぶきを使用したものもあり、食感や味の違いを楽しめます。

『網代焼』の誕生後、『くろ羊かん』のみを残し和菓子店から「米菓業」へと転向した新野屋。長年、ファンをとりこにしています。

■常連客
「(網代焼が)大好きです。飽きないところがいい、いくつ食べても。昔から作っている味が大好きです。」

■常連客
「くろ羊かんは黒糖の味がおいしいですね。いただくこともあるし、御礼でよく差し上げています。素晴らしい大事なお店です。」


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5代目の博人さんが店に入ったのは、14年前の2012年。大学卒業後は関東で働いていましたが、東日本大震災など相次ぐ地震がきっかけで地元に戻りました。

■5代目 新野博人さん
「田舎に両親2人で住んでいるのでちょっと心配になったのもあって。このまま自分が帰らないと、長男なので自分が帰らないと築き上げてきたものがなくなってしまうのではといろいろ考えたり。」

店を受け継ぐ重みも感じています。

■5代目 新野博人さん
「両親だけでなく、3代目や2代目とみんなが築き上げてきたものなので、お客さんにそっぽ向かれないように頑張りたい。」

専務として店を支える、母・良子さん(75)。店にも立ち、毎日たくさんの客と顔を合わせます。

■母・良子さん
「また来ようと思ってお帰りいただきたい。(5代目には)お客様と従業員への気配り、連携だけは忘れないでもらいたい。ともに頑張っていきたいと思っています。」

■5代目 新野博人さん
「変わらずおいしいねと言ってもらえるのがすごく大事なので、変わらずおいしいものを提供しつつ、こんなものもあるんだねと〝菓子道楽〟という言葉の通りのお菓子をみなさんに楽しんでいただける菓子店でいたいと思います。」
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