2026/08/10
勝利への強い思いは、最後の一球まで感じられた。
選手一人一人
本当によくやった。
でも、勝利には届かない。
悔しさは、選手だけではなく、新潟の野球関係者も、ファンも同じはず。
3回の文理の見事な3連打。2点差にする追加点
このまま文理のペースになる。誰もがそう思った。
さらにノーアウト一二塁のチャンスが続く。
カウント、ツーボール
その時
大分商業の思い切った投手交代
放たれた151キロのストレートが空気を裂き、ミットをたたいた。
観客の驚きの声が球場にこだまする。
速さだけではない球威あるストレートは、流れを変えてこの回を1点で乗り切る。
その後のイニングでは、ストレートに心奪われ、カウントを整える変化球待ちを許してはくれない。
勝負のアヤ(綾)
スポーツやギャンブルなどの勝負事において、単純な実力差や理屈だけでは説明できない試合の流れを大きく変える微妙な弾みや、偶然のきっかけ、複雑な駆け引きを意味する言葉。
勝負のアヤを引き寄せられたナインは、流れを完全に渡してしまう。
それでも懸命に、ひたむきに戦い続ける。
流れには、登り坂とくだり坂そして 【まさか】 があると思っている。
この 【まさか】 こそ勝負のアヤ
実力差が無い試合ほど
この 【まさか】 が必要なのだと思う。
文理にも 【まさか】 を生む、1年生投手の起用のタイミングがあったのではないか!?リードされてからでは、単なる救援投手となってしまうと思うのである。
リードを守ることを優先するとき、どうしても点が必要なときよりも、とらえやすくなるものだ。
8回の反撃が見事だったがゆえに、残念でならない。
勝負のアヤ(綾)
千の準備の ひとつ
稲穂が頭を垂れ始める頃には、また新たな戦いが始まる。
全チームの健闘を期待しています。
2026/08/06
開会式にも、沢山の思い出がある。
抽選の結果、初出場で開会式直後の第1試合を引き当てた。
試合準備のため、高野連の指示により、監督部長は、スタンドではなくベンチでの式典参加であった。
あこがれの甲子園。
初めての開会式は、スタンドから選手たちの雄姿をゆっくりと感慨深く観たかったというのが本音。
ベンチが、急ごしらえの救護室となることなど、知る由もない。
式中に倒れたプラカードガールや、吹奏楽部の生徒が次々と担ぎ込まれて来る。
救護の先生が忙しく処置にあたり、担ぎ込まれた生徒のかわりの待機している生徒が、全速力で交代する。
戦場だ。
堂々と歩く我がチームを観ることができたのは、目の前を通過するほんの一瞬だった。
高野連会長が言うように、さまざまな人達に支えられて成り立つ大会。
華やかな式典の陰には、こんな世界もあるのだ。
スタンドからも、テレビでも絶対に観ることが出来ない 陰の世界 の存在を、忘れてはならない。
甲子園での学びの一つがこの 陰の世界 を意識できるようになった事である。
私は、それ以来、何かが起きるたびに、視えない陰を見ようと努力してきたつもりだ。
陰と陽
明と暗
動と静
さぁ
文理の選手たち
もうすぐ出番
奮闘を期待してます!
2026/07/31
小学5年 素手でボール遊びをしていた仲間で野球チームを立ち上げた。
真新しいグローブを買ってもらい、嬉しくて枕元に置き、新しい革の匂いを胸いっぱいに吸い込んだあの日を忘れることはない。
隣町の小学校との練習試合を監督である担任の原先生から告げられ、緊張と期待でワクワクした気持ちで練習に熱が入っていたある日放課後、何時だったか、下校時間を超えて練習し廊下を歩いていたとき、校長先生に呼び止められ、叱られた。(らしい)
『和也君 何時まで遊んでいるんだ! 早く家に帰りなさい。』
『校長先生! 野球は、遊びじゃないです!』
実は、叱られた事も、遊びじゃないと言ったことも覚えてはいなかった。
甲子園初出場の夢をかなえて、実家に報告を兼ねてたまたま帰省しているときに、校長は家を訪ねてきてくれた。
校長は私がそう言ったと、お祝いの品を渡してくれながら懐かしそうに話してくれたのだ。
その一件(小学5年生)以来、高校野球、大学そして就職し野球の指導をしている私のことを気にかけていてくれたのだ。
『本当に、野球は遊びじゃなかったね! 申し訳なかった。』
ニコニコとしわくちゃな笑顔で話してくれた。
『ありがとうございます。』
震える声で、頭を下げる。
この歳まで野球を続けてこれた原点。
文理の選手、監督、コーチそして部長にも
いや、今年は甲子園に届かなかったチームのみんなにも。
野球との関わりの 原点 があるはず!
様々な人の関わりが、今を、
自分を、生かしてくれている。
感謝の心を力に変えて頑張りましょう!
2026/07/27
千の準備 一の勝負
監督時代、ある名監督からのアドバイスを忘れないよう、肝に銘じて常に念じられるよう、作った言葉。
両チーム共に、火が出るほどの悔しさも、やるせなさも、経験してきた。
もちろん、甲子園の素晴らしさも。
捲土重来
パワーに変えて、夏を目指した。
千の準備の1つが、雨中戦。
特にマウンドの使い方、そして、バントの処理はもちろん、選手のスパイクの歯の長さまで気を配ることが大切。
雨中戦では、バントを絡めた手堅い野球が、相手を揺さぶリ投球のリズムを狂わせる。バントの構えをするだけでも、投手の体力を削り配球を変えさせる事ができる。
人工芝のエコスタでも、投手がマウンドから土のついたスパイクで駆け寄るバントは、効果的。
まして土の内野の甲子園では…。
果てしない準備の日々
だが、監督は知っている。
この果てしない準備の日々こそが、選手との繋がりを増し、自身を癒してくれることを。
敗れ去った監督に贈りたい言葉
『練習頑張って、次目指して!』
稲穂の実る頃、また甲子園へ繋がる大会が待っている。
日本文理の甲子園での活躍を心から祈っています。
2026/07/23
準決勝第二試合
帝京長岡対新潟産大附の試合
機動力を駆使して勝ち上がってきたチーム同士の戦い。
「どちらが足を絡めて得点するか」に注目が集まる中、逆にどうやって足を使わせないかという裏の戦いに注目していた。
新潟産大附の石黒投手は、一塁に走者を背負った場面では、セットから長く持つ事でスタートのタイミングを取らせない。かなり長くセットの時間を取りそこからクイックモーションで投げる。長く持ってタイミングを取らせないなかでいきなり短いセットでも投げてくる。
『上手い!』
言葉にはしなかったが、吉野監督の細かな指導を感じさせるセットポジションだ。
多くの投手がセットポジションから投球するスタイルが主流となって、ともするとセットからのクイックモーションの指導がおろそかになっていると感じていた。
石黒投手は、この投球の【間】を制し投球した。
そして、クイックの投球のコントロールも、球威も落とすことなく打者に投じている。
日ごろのブルペンでは自分のタイミングでばかり投げていて、セットでのクイック投球になるとノーコン、球威不足になる投手のいかに多いことか…。
ここ数年の新潟産大附の快進撃の要因の一つを垣間見た思いがした。
かたや勝利した帝京長岡の先発の西脇投手は、左腕投手ゆえの一塁牽制の有利さだけでなく、確認しただけで四種類は違ったモーションを使い分けて投げていた。
ゆっくりとどちらへも投げられる足上げからの投球、首の向きをうまく使い、一塁けん制を予感させながら打者に投球するモーション、等等 舌を巻く上手さであった。
芝草監督が投手出身なので、けん制球やセットの種類に詳しいのは当たり前ではあるが、石黒投手同様 クイックからのコントロールや球威が落ちない投球は、お見事としか言いようがない。
両軍の育成力が、県内の高校の先頭を走っていることは間違いないと思う。
さて、いよいよ決勝
どちらのチームが、甲子園行きの切符をつかむのか?
センバツ出場校同士の息詰まる接戦を期待したい。
2026/07/21
ベスト4の激突
平成の新潟野球を牽引して来た 新潟明訓 対 日本文理
そして令和に君臨してきた 産大附属 対 帝京長岡
2試合ともに見どころは満載ではあるが
ここまでの試合を含め もしも、
7イニング制であったらという視点で見てみる事も
今大会をより楽しく見る視点であると思う。
高野連は、この7イニング制の導入に関して、2回3回と現場の監督も入れて会議を開き、意見の収集に努めている。
反対とする意見が、現場では多いが、熱中症問題や、国際大会(7イニング制を実施している大会が多い)
試合時間短縮問題など賛成する関係者も語気を強めている。
ある強豪校監督は
大人の意見だけでなく、高校野球をやる球児の意見も聞くべきだと言うのは、もっともな意見だが、高校野球ファンも一言あって良いと思うのだ。
そのためには、
ただ単に7イニングで試合結果を切ってしまうのではなく(8回以降の得点によって逆転した試合)、7イニング制ならば、この5回のあるいは6回のこの作戦は、あり得たかどうか?や
この投手の起用は、9イニング制だからに違いない。とか
試合全体あるいは、大会の勝ち上がり全体から観て欲しいのである。
また、強いチームにより有利になるか?あるいは弱小チームにとって助けとなるか?そんな視点も必要ではないだろうか。
高校野球のファンが、より高校野球に詳しくなり、これからの在り方に対してもよりよい方向に進むように助言を送れるようになることは、球界全体としても大切なことだと感じている。
関係者、OBも含め様々な想いが交錯するベスト4の戦い。
もし、7イニング制なら…
そんな視点があってもよい。
2026/07/19
いよいよ ベスト8の戦い
全てが私学という歴史的転換期の話は後として、
一日おきの三連戦を乗り切るスタミナの話をしてみたい。
準々決勝というけど、3勝して臨むすべてのチームにとって、優勝までの道のりを考えると、まだ半分しか戦っていないということ。
参加校数が減少したことや、熱中症対策のために一日おきとなった、準々以降の夏の大会。
昔は三連戦でやっていた。
この連戦を戦う準備は、今にして思えば本当に熾烈な困難極まりないものだった。
ただ、1日おきの試合というのもそれはそれで、スタミナを削られると思うのである。
疲労の回復の為、最新の栄養学と、リコンディション法、特に投手の身体の調整に努めていることだろう。
ただ、決勝の一試合
この優勝戦だけは、ゴール効果なのか?不思議な力が湧いてくる。
かつて、まだ三連戦であったころ、1人の投手の連投で戦い、決勝戦を見事な投球で一安打に抑えて勝った事がある。
決勝にたどり着くスタミナがあれば、どちらのチームにも、この不思議な力が湧いてくると思うのだ。
身体のスタミナと心のスタミナ
決勝を支配するスタミナは、心のスタミナなのかも知れない。
さて今年の混戦の大会を見事なスタミナで制すのは、いったいどこのチームなのだろうか?
興味は尽きない。
2026/07/17
いいチームって一言で言うならば、
『野球の楽しさを知っているチーム』だと思う。
最近、とても嬉しく思っているのは、教え子が沢山指導者になっていること。
高校の監督、部長、コーチだけでなく
学童チームや中学クラブでも、数え切れないほどのOBたちが指導者として活躍している。
ひょっとして自分は、教え子に野球の楽しさを伝えることが、できていたのかもしれないと…。
教え子の教え子が、うちの大学の野球部に入ってきたり、教え子の子供がいろんな高校で野球を続けてくれている。
これってやっぱり野球の楽しさが、繋いでいるのではないだろうか。
勝った、負けたのある勝負の世界。
厳しい研鑽の日々の中で、楽しさを伝えることは、難しい。
勝利の味、人生の学び
共に大切な事
でも、どうしても野球そのものの楽しさを伝えていきたい。
レギュラーだけが楽しさを独占しない、楽しいチーム。
そんなチームでありたいものだ。
2026/07/13
記者席でボソッと誰かがつぶやいた。
楳田さん(長岡高校 初の女性主将)将来 長岡市長になってくれないかなぁ〜
物怖じしないし、テキパキスッキリ 向いてると思うなぁ〜
男女の垣根を越えること
垣根をなくしてしまうこと
男女の別なく力さえあれば出場することが可能な甲子園大会にすること
悔しさがにじむ
他の球技 サッカー、バスケ、バレーボール(男女別々のワールドカップや世界選手権)
やはり垣根は高いかもしれない。
ならば
そのエネルギーを、男女の別なく発揮できる場で燃やしてくれたら…。
新潟県の高校野球の草創期を中心で支えてきた伝統校
その長岡高校のOBの一人として
彼女が主将たるにふさわしくないとは思わなかった。
もちろん、選手、保護者の誰もが認めていた。
彼女には、不思議な求心力がある。
長岡市民のために、いや新潟県、日本のために、いつか いや、いつかではなく近い将来
高市首相のように
そんなふうに思わせる何かが彼女にはある。
人生は短い
今年、古希を迎える爺は思うのである。
2026/07/10
東京学館対中越の私学対決
手に汗握る投手戦は、
7回ツーアウトまで続く。
ランナー二塁から室星君は、粘って四球で繋いだ。次の有岡君が初球のほんの少し甘く入ったストレートをライト線にタイムリー
試合は動き出す。
8回表の東京学館は、簡単にツーアウト 万事休すかに見えたツーアウト。
しかし、ここから驚異の粘りを見せた。
ヒットと四球を足がかりに秋山君のタイムリーから4点を返してリードする。
そして歓喜の逆転勝ちとなった。
ここぞの粘りが四球を生む
粘って、粘って四球で繋いで行く
四球には不思議と打線を繋ぐ力がある。
次打者の力を引き出す力も
この試合 主役は粘りのフォアボールだった。
2026/07/09
Z世代の若者は、競争を好まない傾向が顕著であるという。
それは、社会を形作ってきた我々大人が導いて来た結果。
少し競争を悪者にし過ぎていないだろうか!?
先ずはチーム内の競争を経験し、チームは成熟していく。
成熟したチームは、チーム対チームの戦いに向かう。
この時、チーム内のライバルは、互いに結束、協調して相手チームに全力で戦いを挑む。
そして戦いは、否応なしに勝者と敗者を作るのだ。
勝者は敗者の思いも携え、次の戦いに、敗者は、チーム内の競争からまた、新たなスタートを切り戦いに挑むのだ。
勝利の感激と敗者の忍耐
確実に若者を鍛えていく!
さぁ開会式
今年も厳しい戦いが始まる。
悔いなき戦いの幕が上がる。
2026/07/03
『目標は、甲子園出場です。』
『目標は、甲子園で校歌を歌うことです!』
など
球児たちは、必ずと言っていいほど目標を明確にして日々努力している。
私も選手たちに目標の明確化が、
日々の取り組みを支える最も大切な事として指導に当たってきた。
ただ最近、目標に向かって努力することの前に、
密かに大きな夢を持つことが、大切なのではないかと思えるのだ。
誰にも言えない、とても理解が得れない、みんなが聞いて笑いだすような
そんな夢
目標です、と人様に絶対言えない
そんな夢
そんな夢が、自らを夢中の中に引きずり込み、時を忘れ没頭し、失敗も挫折も
成功のエッセンスにしてしまうのだと思えるのだ。
満員の甲子園球場で、特大のホームランを打ち三塁ベースを回りながら小さくガッツポーズ
いや いつか
ドジャースタジアムで、場外ホームランを打ち、大谷の後継者現る!と実況アナウンサーが絶叫する。
目標が達成できなかった時でも、夢は変幻自在
何もかも飲み込んで新たな夢実現に歩き出せばよい。
夢の実現への道は、楽しくて学びの多い道だから。
努力は夢中にかなわない!
夢中になれるものがある人生を
心からそう願っている。
2026/06/29
今年も抽選会に足を運ぶことができた。
緊張と不安
期待と落胆
様々な思いが交錯し空気を硬くしていく。
選手たちは、監督が、どんなに格上の強い対戦相手を引き当てたとしても、悲しい顔や落胆した様子は微塵も見せない。
いや逆に強い相手こそ願ってもない、という闘志満々の顔で、キラキラした目で、帰りを迎えてくれるはず。
だからこそ、この夏だけは、一つでも多く勝ち上がって少しでも長く戦わせてあげたい。
くじは、そんな優しい選手思いの監督にこそ、強い対戦相手をあてがってくるものだ。
安心してください!
厳しいくじをはね返してこその甲子園
ここ数年、新潟県代表校は厳しい櫓(やぐら)から上り詰めた高校に女神が微笑んでいる。
絶対にひるまない!
選手と共に、監督の戦いが始まる。