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2020年5月16日<プレイバック>加茂市

おうち時間で増加!桐たんす修理




今週の探県日和は、去年放送した加茂の桐たんすをプレイバック!

 

およそ230年の歴史を持つ、伝統的工芸品の魅力に迫ります。



加茂市に本社を置く、桐たんす店「桐の蔵」。
工房は、お隣・田上町にあります。



店の三代目、桑原隆さんが行っていたのは、板組みという作業。



桑原隆さん(桐の蔵 三代目)
「桐たんすの裏側は非常に幅が広いが、出来るだけ1枚の板に見せるように木目合わせをするというか」
チカポン「へー、初めて知りました」



桑原さん「父からの教えで、見えないところほど良い板を使うようにしていますね」



昔から家具職人が多く、桐も豊富だったため桐たんす作りが発展した加茂市。



生産量は全国シェア7割を誇ります。



桑原さん「湿気に強いのが大きな特徴でして…」

 

桑原さん「例えば、入れると…出てくる」
チカポン「えっ!びっくりしたー」



桑原さん「これは、そのくらい隙間のない引き出しの仕込みということ。呼吸をするんですよ、桐のたんすって」

 

先週、新潟市中央区の住宅街に、桑原さんの姿がありました。
一体、どうしたんですかー?



桑原さん「古いたんすの修理のご依頼があったお客様の所に引き取りに」



実は以前から桐たんすの修理やリメイクを行っている桐の蔵。



毎月5件ほどの依頼が入るそうです。



桑原さん「ちょっとチェスト風にリメイクが入るので面白い形になる」



この日は1軒の民家から、3の桐たんすを運び出しました。



桑原さん「ここのところすごく多いですね。皆さん、家の片付けなどしているので」



依頼人は、特別な思いを持つ2人の姉妹です。



依頼人(妹)「母の買ってくれた大事なタンスをリメイクしてもらい、着物以外の大事な洋服を入れられるように」

 

依頼人(姉)「母の形見の桐たんすをこのままにしておくのはもったいないと思って。出来上がりが楽しみです」

 

お母さんとの思い出が詰まったたんすは、新たに生まれ変わって戻ってきます。

 

桑原さん「こちらが、倉庫になります」



現在、修理は半年待ちの盛況ぶり。
倉庫の中では40棹以上が、その順番を待っていました。



しかも、依頼の大半が新潟県外から。

  

桑原さん「加茂は技術的にレベルが高い。それをお客さんは知ってくれていて依頼してくれると思うので、誇らしい」

 

作業前後を見比べると技術の高さは一目瞭然です!



しっかりメンテナンスをすれば3世代で使える桐たんす。



修理に当たるのは、伝統工芸士の資格を持つベテラン職人です。



鈴木進さん(桐たんす職人)
「ひとつひとつたんすが違い、作った人の個性が出るので楽しい」

 

その分、新しく作るよりも手間がかかるんだそうです。

  

この日行っていたのは、割れていた部分に新たな桐をはめ込む作業。
全ての修理が完了するのは、2週間後です。

  

鈴木さん「客が直そうとするのは、思い出があるということ。その思い出を無駄にしないようにきれいに直していきたい」

  

桑原さん「今の世の中の状況で、客が古いものを大事に今後も使っていこうという思いがあることに気づいた。私たちも作り手として思いを込めて作っていきたい」



おうち時間をきっかけに、加茂の技が見直されています。


桐の蔵 【本社】加茂市神明町2-4-10 【工房】田上町大字田上丙829-1 0256-57-4337    
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