移住で夢を叶えた家具職人
日本海に面した町、出雲崎町。
“妻入りの街並み”と呼ばれる海沿いの家々は、
江戸時代から港町として栄えた、この土地ならではの風景です。
チカポン「えー、待って!めっちゃかわいい」
チカポン「本当に前職、サラリーマン?」
そんな出雲崎で家具を作る一人の職人。
工房を構えたのは、この土地への移住がきっかけでした。
県内30市町村をめぐる、「チカポンの探県日和」。
今回は出雲崎町を訪ねました。
国道沿いにたたずむ一軒の工房。
チカポン「おじゃましまーす」
チカポン「とっても雰囲気のある職人さんの工房といった感じで、木の良い香りがしますね」
家具職人の和田典士(よしひと)さん。
11年前、出雲崎ののどかな雰囲気に惹かれ長岡から移住しました。
和田さんの前職は、サラリーマン。
趣味の木工を仕事にしたのは、出雲崎に来てからです。
和田典士さん(家具職人・Ojn Handmade Hut)
「家の庭に小さな掘立小屋を建て、作業するようになったことで、より“つくる”ことにハマったというか」
チカポン「じゃあ、出雲崎に来なければ、この仕事もやっていない?」
和田さん「そうですね、なんか俗世間とはちょっと違うチャンネルにいるから、いろいろ考えられるというか、アイデアも浮かんできているのかもしれない」
この日作っていたのは、靴職人から依頼されたスツール。
畳の素材、イグサで座面を編んでいきます。
和田さん「経年変化で雰囲気が変わっていくのがいいかなと。その変化を楽しんでほしい」
和田さん「これで編み上がりました」
チカポン「わー、素晴らしい」
完成したイスには、靴を試し履きするお客さんが座ります。
4年前、この場所に工房を持ったことで、作品の幅が広がったという和田さん。
チカポン「え、すごい!カフェみたい」
工房に併設されたギャラリーには、和田さんが手がける
木工品や家具、およそ30点が展示されていました。
チカポン「あ、軽っ!これでもうキャンプ行ってくるわー言うて」
代表作は、折り畳み式の『ちゃぶ台』。
アウトドアでも使えるよう、レッドシダーという軽い木材を選びました。
和田さん「普段の生活を外に持ち出せるのが面白いなと思って」
チカポン「そこでできた思い出とかも持って帰れますよね」
和田さん「あっ!ありがとうございます」
木工に親しんでもらうため、ワークショップも行っている和田さん。
体験させてもらったのはしゃもじをオイルで仕上げる作業です。
チカポン「ガラッと変わりましたね、雰囲気」
チカポン「こんなに素敵な所だからいろんな人が来るんじゃないですか?」
和田さん「ここに出雲崎があったのね、という人も中にはいる」
和田さん「木工品を作っている人が出雲崎にいることを知ってもらい、来てもらえるきっかけのひとつになったら良いのかな」
そんな和田さん自身も出雲崎に魅せられた一人です。
和田さん「海も近くてちょっと内陸に入れば山もありますし、人と人との距離が近く、いいバランスが保たれている感じがする」
和田さん「自分と同じように木工に興味のある人が、まずは来てもらえたらうれしい。その先にもし住んでみたいという人が出てきたら良い」
移り住んだ地で、これからもぬくもり溢れる作品を生み出していきます。
Ojn Handmade Hut
出雲崎町松本83-4
090-5411-1314