伝統技で新風吹き込む職人夫婦
今週の舞台は、新潟市東区。
数多くの工場が立ち並ぶ、新潟市きっての産業の町です。
チカポン「なんじゃ、こりゃ。機械でやったみたい!」
そんな東区で、伝統ある仏壇を作る職人夫婦。
培った技術を活かして新たな挑戦も始めていました。
県内30市町村をめぐる、「チカポンの探県日和」。
今回は新潟市東区を訪ねました。
チカポン「大物、釣れたよ」
明治40年創業の老舗、羽賀佛壇店。
チカポン「こんにちは」
羽賀夫妻「いらっしゃいませ」
伝統工芸士の羽賀夫妻が出迎えてくれました。
チカポン「後ろに、この金ピカの光輝いている仏壇、すごいですね」
羽賀良介さん(伝統工芸士)
「こちらは、地元で作られている新潟仏壇というジャンルのもの」
チカポン「新潟仏壇ですか?そんなのがあるんですね」
300年以上の歴史を持つ新潟仏壇。
「新潟・白根仏壇」の名で、国の伝統的工芸品になっています。
良介さん「冠と言うが、この形が平らではなく反っている。ここがまず一つの特徴。そして飾り金具がとにかくふんだんに使われている」
ひとつひとつ手作りの仏壇、その職人技を見せてもらいました。
塗箔師の良介さんが担当するのは、仏壇全体を覆う漆塗り。
ピッカピカでしょ!
漆の上に金箔を貼るのも塗箔師の仕事です。
チカポン「あっという間に」
良介さん「金箔はものすごい薄さなんですよ。それで間から空気が抜けるので」
真綿を使って優しく押し当てていくと…
チカポン「うわー、つなぎ目全然見えない!」
薄さは、なんと1万分の1ミリ。
チカポン「見えた!見えた!見えます!そんな薄いものをこんなにきれいにしちゃうなんて本当に素晴らしいですね」
良介さん「笑わせないで」
また、新潟仏壇の随所に施される、繊細な蒔絵。
描いているのは、蒔絵師の富美子さんです。
蒔絵とは、漆で描いた模様に金属粉を蒔きつけて装飾する絵のこと。
チカポン「あ、すごい!乗っかっていきますね、プラチナが。わぉ」
羽賀富美子さん(伝統工芸士)
「これは客のオーダーでユリを描いているが、お庭のお花を取り入れて描いたり」
チカポン「えー、すごーい」
故人が好きだったものを描くことで思い入れのある仏壇に仕上げます。
伝統の技術で、2人は新たな挑戦も始めています。
チカポン「なんですか、このかわいらしい生き物は!」
4年前から作っているのが、この箸置き。
仏壇に使われる赤や黒で、錦鯉を表現しました。
材料は全て仏壇と同じものを使っています。
富美子さん「仏壇の技術を通して、知るきっかけになってもらえたらいいなと思って」
良介さん「まず仏壇に興味を持つところからじゃないと始まらない。その第一弾としてやっています」
東区から、業界に新たな風を吹き込みます。
羽賀佛壇店
新潟市東区山木戸6-11-6
025-273-1791