江戸時代に描かれた掛け軸を修復して、
美しくよみがえらせる若き表具師が新潟にいます。
新潟市東区在住の神尾顕斗さん 38歳
昭和56年創業の表具店 神尾萬正堂の2代目で
京都にある全国有数の表具店で10年間修業したすご腕の表具師です。
この日は、黄ばみと小さなシミが気になる
約100年前に描かれた掛け軸をキレイに修復。
最初の作業は掛け軸の分解。
作品の裏に貼られた何層もの古い和紙を慎重に剥がします。
それに、特殊な2つの薬品をかけてその化学反応で汚れを分解。
キレイになった作品の裏に和紙を貼って補強します。
掛け軸は、修復することを前提に作られていて
また剝がせるように、糊は極力薄くするそうです。
シワや気泡が入らないように、美しく貼れるかが職人の腕の見せどころ。
作品に合う織物をセレクトして装飾し直せば、修復完了です。
この方の手にかかれば、大きく破れたボロボロの衝立(ついたて)も
こんなに美しくよみがえるんです。
繊細な職人技で、古い掛け軸を未来へ残す若き表具師でした。
【神尾萬正堂】
新潟市東区下場本町1-42 TEL 025-277-3488