2025.09.01【柏崎刈羽原発】公聴会の全日程終える 87人が再稼働めぐり賛否「原発は必要悪」課題は【新潟】
5回の公聴会で計87人が意見を述べる
柏崎刈羽原発の再稼働について、県民から意見を聞く5回目の公聴会が8月31日に開かれました。これで全日程を終えましたが、賛成・反対双方の意見は平行線のまま。残すは『県民意向調査』のみとなります。
8月31日にオンラインで開かれた公聴会最終日。19人が意見を述べました。このうち10人が団体の推薦者で、いずれも〝賛成〟または〝条件付き賛成〟でした。
■県商工連合会推薦・70代男性
「原発は必要悪。地域経済へのプラスの影響は大きく、交付金・税金による恩恵も受けている。」
■県トラック協会推薦・50代女性
「雇用・周辺住民の経済活動を考えると、柏崎刈羽原子力発電所は必要。」
■JA新潟中央会推薦・30代男性
「再稼働によって得られる自治体の財源の一部を活用し、周辺地域の農作物に対して市や県・国が補助金・販促支援を行うべきだ。」
一方、一般の応募者は9人。このうち8人が再稼働に〝反対〟しました。
■20代女性
「(事故で)越後平野のおいしいお米は一瞬にして作れなくなるかもしれない。東京の電力のために汚染されるかもしれない。その役割を担う必要はない。」
■50代女性
「介護・支援が必要な人たちには、避難は無理だ。東電を信用することはできない。」
■80代男性
「知事は県民に信を問うという具体的な方法も示さず、すごく憤慨している。」
公聴会は5回で計87人が意見を述べましたが、課題が浮き彫りになりました。県は「自由に意見を述べてもらうため」として、当初は音声をオンラインで流すだけの計画でした。報道各社の抗議を受けて方法を一部修正しましたが、姿を現したのは約4割。質疑も交わされないなど、公聴会としては異例の形式でした。
応募者も95人と少なく、公述人のうち40代以下は2割に満たないなど年代にも大きな偏りがありました。花角知事は、郵送による匿名の『県民意向調査』でカバーするとしています。
■花角英世知事
「そこ(意識調査)が一番若い人たちの考え方みたいなのを探る手段になる。」
知事は、県民の多様な意見をどう集約し決断を下すのか。県民意向調査の詳細を3日発表するとしています。