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2025年11月19日(水)本日の番組表

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2025.11.19【特集】この冬再開へ!ぶどうスキー場「このまま潰してなるものか」【新潟・村上市】

【特集】この冬再開へ!ぶどうスキー場「このまま潰してなるものか」【新潟・村上市】
昨シーズンの営業最終日にスキー場に訪れ引き継ぐことを決めたシンクファースト・沼前純一社長
昨シーズンで営業を終了した村上市の『ぶどうスキー場』が、復活に向けて一歩前に踏み出しました。東京のIT企業が経営を引き継ぎ、この冬の営業再開に向けた準備を進めています。

村上市にある『ぶどうスキー場』。昨シーズンで36年の歴史に幕を閉じました。

その7カ月後―

村上市の高橋市長と面会したのは、システム開発などを手掛ける東京のIT企業『シンクファースト』の沼前純一社長。新規事業として『ぶどうスキー場』の運営に手を挙げました。

■村上市 高橋邦芳市長
「これはもうすごく大いに期待しています。冬のフィールドを残すことができれば非常にありがたい。」

1988年の開業以来、スキー場の運営は村上市が担ってきました。

■新潟市から
「毎シーズン遊びに来ています。」
■村上市から
「雪が多くて下越でも滑りごたえのある傾斜が多いので、地形遊びとかもめちゃくちゃおもしろい。」

県内外から大勢のスキーヤーが訪れていましたが、開業から7年後の1995年をピークに利用者数は年々減少。近年の雪不足や従業員の確保が難しい状況の中、リフトの老朽化で更新に数億円単位の費用がかかることから、市は営業終了を決断しました。


3月9日の営業最終日-
約1300人が訪れゲレンデは大盛況でした。

■村上市から
「やっぱり近くでよく来ていたので悲しいですね、なくなるのが。」

開業当初からスキー場に通う、赤島清一さん(当時76)。小・中学生のバスの送迎の仕事をしながら、昨シーズンもほぼ毎日滑りに来ていた常連です。

■常連客 赤島清一さん(当時76)
「雪の感触、斜度のきつさ、スキーに伝わるスピード感とか、こういうのはちょっと感じられないかな。ここじゃないと。」

『ぶどうスキー場』は、訪れるお客さんにとっても働く人にとっても〝かけがえのない場所〟でした。

■食堂で働く人
「やっぱり最初に始まったときみたいに、いっぱい大勢来てもらってうれしかったね。」
■食堂で働く人
「いい思い出です。」

■村上市から子どもたち
「ありがとう、ぶどうスキー場!」


シンクファーストの沼前純一社長は最終日にスキー場を訪れ、経営を引き継ぐことを決めたと言います。

■シンクファースト 沼前純一社長
「ぶどうスキー場に来たことはなかった。滑ったらやっぱりいいスキー場だったので、『こんなスキー場をなくしちゃうのもったいない』『なんとかできないかな』という思いで。」


10月1日、沼前社長が村上市と契約を締結。
市は、所有するスキー場の設備について3年間無償で貸し出すことを9月末の市議会に提出し可決されました。土地はこれまで通り市が地権者との契約を継続し、シンクファーストから賃借料を受け取って地権者に支払うとしています。

契約後、すぐにスキー場を訪れた沼前社長。施設の内部や備品の状況を確認し、市の担当者から施設のかぎも受け取りました。

■シンクファースト 沼前純一社長
「来る度に(冬の景色が)浮かんできますね。最終日、結構いっぱい滑っていた。『ちびっ子たちをまた呼び戻すぞ』という思いがやっぱり強い。」


経費削減のため、沼前社長自ら草刈りを行います。

■シンクファースト 沼前純一社長
「初めてやったんですけど、おもしろいですね。没頭しちゃいました。」

現場を任せる人には、元スタッフやスキー場に勤務経験のある若手を起用し、〝地元に根付いた継続的な営業〟を見据えています。

支配人に指名されたのは、飯山達哉さん。
7年前に神奈川から村上市に移住し、市内でカヤックセンターを経営しています。3年前からはパトロールスタッフとして『ぶどうスキー場』に携わっていたといいます。

■ぶどうスキー場 飯山達哉支配人
「もともと4年前にスキーを始めたんですよ。当時スキーが全くできなくて、地元の方が皆さんスキーを教えてくださったんですよね。『その恩を返したいな』という気持ちが大きくて。このまま『スキー場を潰してなるものか』みたいなそういう思いがあった。」


この日の夜。
沼前社長は、食堂の元従業員と話し合いの機会を設けました。これまで食堂は地元の集落で運営してきましたが、今後はスキー場と一体で経営することになりました。元従業員にも引き続きの勤務を打診しつつ、新たなスタッフの雇用も検討しています。

■シンクファースト 沼前純一社長
「今まで聞けなかったので『どう思われているのかな』とかちょっと心配していたが、またやってくれそうな感じなのでひと安心したというか。」


赤字経営が続いていた『ぶどうスキー場』。
この冬のオープンまでの初期投資は、約2000万円を見込んでいるといいます。黒字化を図るために今後は冬のスキー場としての営業だけではなく、夏はキャンプ場としての活用など通年営業を目指しています。


オープン日に向け、進んでいく準備。
再び動き出す『ぶどうスキー場』に当時の常連客は。

■ぶどうスキー場の常連客 赤島清一さん(77)
「非常にびっくりした、正直ね。雪がなくなると散り散りバラバラだけど、スキー場がオープンとなればまたみんな来る。」

いつでも滑れるようにと、昨シーズンと変わらずスキーの準備も始めています。

■ぶどうスキー場の常連客 赤島清一さん(77)
「もうスキーの手入れとかそういうのも怠りなく始めました。毎日来ます、シーズン券を買いますからね。雨であろうとなんであれ楽しいんですよ。」


この日は『リフト点検』。
じつは、電気の契約が間に合わず仮設の発電機での点検です。

■シンクファースト 沼前純一社長
「リフトはいい感じで動いていたので、問題なくかなっていうところ。」

今後、リフトの更新が必要になってきますが、数年はメンテナンスをしながら安全に運行できる状態だということです。

将来的には、スキー場周辺に民泊を活用した宿泊施設の整備も計画していて、地域全体での運営を目指しています。

■シンクファースト 沼前純一社長
「未来永劫(えいごう)残るようなスキー場に次の世代につなげていくために、まずは3年間しっかり黒字化してリフトの更新とかもできるように頑張っていきたいと思っております。」

『ぶどうスキー場』は、12月20日のオープンを目指しています。
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