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2026.03.19【特集】原発への期待と不安・・・国策に揺れた半世紀:シリーズ・柏崎刈羽原発③【新潟】

【特集】原発への期待と不安・・・国策に揺れた半世紀:シリーズ・柏崎刈羽原発③【新潟】
「原発」は地元に何をもたらすのか
柏崎刈羽原発をめぐる新潟の半世紀をひもとくシリーズ企画。地域の発展を目指して原発を誘致した一方、いまだに残る不安・・・。原発は地元に何をもたらすのか。国策のはざまで揺れた新潟の半世紀を追います。

年が明け、1月21日。
停止から14年、再び原発が動き始めました。

原発から北に3km。『民宿たや』の須田聖子さんはこの日、仏前に手を合わせました。

■民宿たや 須田聖子さん
「母が原発推進でやっていたので、今日は時間をかけてお参りしました。お仏壇に。(Q.20日に印が付いているのは再稼働の日?)そうかなと思って。待ってました、静かに。」

原発が停止するまで、作業員の定宿でした。

■民宿たや 須田聖子さん
「本当にここの電気が早く東京に行くといいなと思う。関東の方にね。みんなが明るくなればいいなと、気持ち的には。」

これまで柏崎市にもたらされた電源三法交付金は、約1800億円。消雪パイプの設置や体育館などの建設に充てられてきました。地元経済界は再稼働に期待しています。


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ただ、最盛期に10万人を超えた人口も、いまは7万5000人。経済効果に疑問を持つ人もいます。

矢部忠夫さん。
46年前、2号機と5号機の増設ヒアリングに反対しました。当時から抱いていた原発への懸念。市の職員だった矢部さんは、原発を誘致した際の市長・小林治助に呼ばれました。

■元柏崎市議 矢部忠夫さん
「『科学が進歩しているから放射能はなくなる。だから心配しないでいい』と言ってもらったが、何を言ってんだと思った。」

その後、市議に転じ、反対運動を続けてきた矢部さん。いまもその思いは変わりません。

■元柏崎市議 矢部忠夫さん
「(推進派は)誘致のときに5つくらい言った。人口が増えるとか勤める場所が増えるとか。街が豊かになったかと言っても、見た通りの話でそうはなっていない。」

原子力の平和利用にかけた市長の小林。誘致にあたり小林は反対からも話を聞き原発の勉強を重ねました。一方で、懸念を漏らしたことがありました。

■柏崎商工会議所 元専務 内藤信寛さん
「原子力で発電した後、燃えた残りのゴミが出るんだけど、それを処分する。これがまだ決まっていない。これが面倒な問題だと言っていたのは小林治助さんから聞いた。」

内藤さんも同じ疑問をぶつけました。

■柏崎商工会議所 元専務 内藤信寛さん
「東電の幹部だったか役所の人間だったかはっきりしないが『あんたが心配する問題じゃない』と言われて『そうか、その通りだ』と思ったが、いまだに最終処分場どこにもできていない。」


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1979年、病に侵された小林は市長を引退。4カ月後、1号機の完成を待たずに亡くなりました。67歳でした。

死の1カ月前、見舞いに来たのは盟友・田中角栄。角栄は原発誘致に苦戦する小林を支えた人物でもあります。2人は柏崎の将来を語り合いました。

「あなたの情熱はほとばしるものがあった」
角栄は、弔辞でそう述べました。

小林は言ったといいます。
「これからなんだ、柏崎は」と。

角栄は1972年に出版した日本列島改造論で、原発をエネルギー政策の根幹に据えました。その日本列島改造論は石油危機が直撃し、撤回。金脈問題とロッキード事件で、かつての『今太閤』は非難の対象となりました。

しかし、ここだけは違いました。無所属で出馬した83年の総選挙。

■田中角栄元総理
「東京の連中が雪と水と電力と先端工業の基地を求めて新潟県に来るようになる。間違いありません。みなさん、自信を持ってください。」

西山町の体育館で開かれた演説会。越山会幹部も熱気を感じていました。

■元越山会幹部 三富佳一元県議
「勢いがあった。(Q.田中角栄元総理を圧勝させたいと思った?)そうしなければ期待する仕事もしてもらえないと思った。票も出さんで東京に行って、予算だけ取ってきてくれなんて そんなのダメ。」

角栄の行く先々は超満員。これから新潟は日本のエネルギー基地になる。電気料金を下げると約束しました。

■田中角栄元総理
「東京よりもなぜ福島や新潟県が電力料金を高く払わなければならないのか。それは人がいいという問題ではない。それは政策が不公平なのだ。」

開票日-
22万を超える空前の得票。これが東京に対する回答でした。


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福島原発事故から15年-
国は原発をエネルギー政策の中心に再び位置づけました。しかし、県民への意識調査では再稼働への賛否が二分。政府・東京電力が目指す原発再稼働をめぐり、「地元の同意」を求められた花角知事は去年の暮れ、高市総理に伝えました。

■花角英世知事
「正直、新潟県内では再稼働に未だに不安を感じている県民・事業主体に不信感を持つ県民が大勢いることも事実。」

■高市早苗総理大臣
「我が国の国民の生活や産業・立地競争力を強化しようと思うと、やはりエネルギーが安定的で安価な供給が非常に重要。」

国策と向き合うということは・・・

■花角英世知事
「原子力の活用は非常に難しい、まさに国家的なテーマ・課題。(地元同意が)全体の意思決定の最後の関所みたいになっているのは、思わずうなってしまう。」

誰が再稼働を決めたのか。原発は何をもたらすのか。
その問いは残ったままです。
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