2025.10.16【特集】安全を守るご当地ヒーロー「消防戦隊ウオヌマン」に密着【新潟・魚沼市】
魚沼市に火災予防を呼びかける『消防戦隊ウオヌマン』
子どもたちが大好きな戦隊ヒーロー。魚沼市に火災予防を呼びかける『消防戦隊』がいます。どのような活動をしているのか密着しました。
9月、魚沼市で開かれた地域の祭り。
訪れた子どもたちの注目を集めていたのは-
「消防戦隊ウオヌマン!」
5人組のご当地ヒーロー〝ウオヌマン〟です。
戦隊ヒーローといえば、悪の組織から平和を守るというのが一般的ですが、ウオヌマンの使命は火災予防と応急手当ての知識を広めること。子どもから大人まで楽しく学んでもらおうと、地域のイベントや保育園などに出動しています。
「楽しかった、楽しかった。」
「保育園のころから見ていた。」
その活動が評価され、2025年3月には消防庁長官から表彰を受けました。
〝ウオヌマン〟に変身するのは、魚沼市消防団のメンバーです。結成は14年前、女性団員からの提案がきっかけでした。
■魚沼市消防団 星和雄団長
「イベントなどを通して、消防のこと・救急のこと・防災のことを知ってほしくて、この活動を当時検討した。」
これまでヒーローショーを通じて『火災報知器の設置』や『野焼きの防止』など、防火につながる取り組みを呼びかけてきました。
ウォーターブルーに変身するのは、山本和輝さん。消防団員だった父の影響で18歳のとき、消防団に入りました。ウオヌマンのメンバーになって10年になるベテランです。
■ウォーターブルー 山本和輝さん
「自分で家で、ここはこういう動きをしたらいいなとか毎日考えて、隙間時間になると〝ウオヌマン〟のことを考える回数が多い。小さい子どもたちが一生懸命応援してくれているところとか、本当に頑張って良かったなと思う。」
消防署に勤務する職員とは違い、消防団員は普段 仕事をするかたわら、火災や災害が起きたときに出動します。山本さんもパイプの加工会社で営業マンとして働きながら、消防団員とウオヌマンをこなすいわば『三刀流』です。
■ウォーターブルー 山本和輝さん
「他の人と関わる機会が多いので、コミュニケーション能力とかは消防団の活動で生かせているのかなと思う。」
■同僚 中澤由美子さん
「初めて聞いたときはちょっとびっくりしたが、いつもエネルギッシュな営業をしているので、元気のいい〝ウオヌマン〟みたいな存在なのでわかるなと思った。」
ショーの練習は夜-
仕事終わりに集まります。
〝ウオヌマン〟の活動には、メンバー5人以外にも敵役や裏方を含めて約20人の消防団員が参加しています。台本の作成はもちろん、衣装や小道具も手づくりです。
■衣装担当
「古いやつを引っ張り出してきたものをアレンジしています。こんな感じです。」
■小道具担当
「カレンダーを巻いたものにキラキラしたのを貼って、棒だけは作った。今日は取っ手が必要ということで、ひもをつけている。」
ウオヌマンの女性は2人。
レスキューイエローに変身するのは、入隊2年目の横山有さんです。
■レスキューイエロー 横山有さん
「地元にいるし、若い子が欲しいということでやってみようかなと始めた。音を先にとっていてそれに合わせて動くので、身ぶり手ぶりはその人自身で考えるので結構大変。見てくれる人が喜んでくれることが活力になっている。」
普段は、地元の醸造メーカーに勤務。麹を作る過程を担当しています。
■レスキューイエロー 横山有さん
「(米袋を)手で持ったりすることもあるので力が必要なので鍛えています。ジムに行ってます。」
■上司 関竜太さん
「(ウオヌマンであることを)最近本人から聞いてびっくりした。消防団は男性が多い中で女性は珍しいと思う。地域に貢献していてすごいと思った。」
9月に開かれた『堀之内十五夜まつり』。
今年度7回目となる〝ウオヌマン〟出動の舞台です。
■レスキューイエロー 横山有さん
「緊張はしていないですね。楽しみです。」
■ウォーターブルー 山本和輝さん
「楽しんでいってもらえればと思う。」
開演が近づくにつれ、観客が増えていき…親子連れを中心に約100人が集まりました。
「十五夜まつり大成功を祈って、頑張るぞ!ウオヌマン!ファイト!おー!」
この日のテーマは、最近 火災の原因になることが多い『モバイルバッテリーからの発火』です。
ウオヌマンが対するのは、敵役のモクモクマンとメラメラ星人。
宿敵に打ち勝ち、約10分のショーを締めくくりました。
■観客
「楽しかった。」
「かっこよかった。」
火災を未然に防ぐ―
消防戦隊ウオヌマンの戦いは続きます。
■ウォーターブルー 山本和輝さん
「魚沼市は人口が少ない地域なので、地域防災・自主防災が大事になってくると思う。一人一人が意識して防災に対して知識を持ってもらえれば、(ウオヌマンを)やっていた価値はあったと感じられる。」