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2025.10.31【特集】柏崎で86年 中越沖地震で被災も経験…「はさみの音も心地いい」常連客と歩み続ける理容院【この町で~愛される老舗~|新潟】

【特集】柏崎で86年 中越沖地震で被災も経験…「はさみの音も心地いい」常連客と歩み続ける理容院【この町で~愛される老舗~|新潟】
JR東柏崎駅近くの住宅街にある理容院『ヘアーサロン ツバサ』
柏崎市で3代続く理容院。18年前に発生した中越沖地震での被災を乗り越え、常連客と共に歩み続ける店主の思いを取材しました。

JR東柏崎駅近くの住宅街にある理容院『ヘアーサロン ツバサ』。
祖父の代から86年続いています。

3代目の永井敏明さん(58)と妻・直美さん(56)。敏明さんが10年ほど前に店を継ぎ、現在は母・高子さん(78)とともに家族3人で店を営んでいます。

■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「(店内は)落ち着いた感じを出し、パーティションを取り入れることでプライベート感を出すことにこだわった。」

理容院は、椅子同士の距離が近いものが一般的ですが、個室のようになっていることで常連客は落ち着いた空間で会話を楽しめます。

■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「車に乗るのが好きだからどこか遊びに行ったと思ったけど、全然行っていない?」
■客
「奥只見のシルバーラインが好きだから。」

主に50~70代の地元の男性客が通い、常連客から受けたオーダーも記憶しています。

■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「長さはどういたしましょう。」
■3カ月ぶりに来店した客
「この前と同じくらい。」
■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「短めでしたよね。前髪も短めで。」

お客さんの毛量やオーダーに合わせて、6種類のはさみや3種類のくしを使い分けます。敏明さんは、サイドや襟足を刈り上げるフェードカットなど、ショートスタイルが得意だといいます。

■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「お客様はここの生え方が前に入っているので、伸びてくると非常に気になるところだと思うので、ここは短めにカット。家で手入れがしやすいように、できるだけ角を落とすようなカットにした。」

敏明さんが理容学校時代から約40年にわたり使い続ける道具も-

■ヘアーサロン ツバサ3代目 永井敏明さん
「すきばさみは愛着があって、いま58歳ですけど18歳から使っているので長く使っている。なじみがあり手にしっくりくる。」

■通って35年以上 80代の客
「はさみの音も心地よく聞こえてくる。顔ぞりからその後の作業は眠っているぐらいゆったりしている。」

■通って40年以上 60代の客
「(Q.オーダーは?)さっぱりと。髪の毛が伸びると、はねてくるから。(Q.魅力は?)気軽に入れる。(髪の毛が)引っかかることもないし気持ちがいいし信頼しているから。」


1939年(昭和14年)に祖父・雪雄さんが同じ町内に『ツバサ理容院』として創業。
その後、父・紀一さん(85)が店を継ぎました。

■ヘアーサロン ツバサ2代目 永井紀一さん
「支払ってもらう料金に対して、それ以上の満足度を提供できればと、その気持ちだけは忘れないで一生懸命やってきた。それが長く続いている一番のもとではと思う。」

敏明さんは東京の理容院で5年間修業を積んだ後、1990年ごろから紀一さんらとともに店を支えてきました。

■ヘアーサロン ツバサ2代目 永井紀一さん
「私の代で途絶えないで続けていけると思ったときは、ものすごくうれしかった。」

■母・高子さん
「私たちがしていたことをそのまま引き継いでくれて、自分の新しいお客さんを作って頑張っていることが一番うれしい。」

地元に根差し、常連客からも愛されてきました。
しかし、2007年7月に発生した中越沖地震で状況が一変・・・

柏崎市は最大震度6強を観測し、店は全壊。
当時の店主・紀一さんは「地獄を見た」といいます。

■ヘアーサロン ツバサ2代目 永井紀一さん
「見たときはこの世の地獄だった。店の中はガラスの破片などで足の踏み場がないほどやられて、どうしたらいいかとにかく気が動転した。」

■ヘアーサロンツバサ3代目 永井敏明さん
「全壊してしまったので明日からどうしようか。店を再建したとしてもお客さんはまた来てくれるだろうか。ネガティブに考えて夜も眠れない日が続いたときがあった。」


自宅も一部損壊するなど普通の生活を送ることが難しくなるなか、後押ししたのは常連客からの〝再開を望む声〟でした。

そして、地震から1カ月後-
貯金を切りくずし、営業を再開することを決断しました。

■ヘアーサロンツバサ3代目 永井敏明さん
「これは車を置く車庫だったが、車庫と店の面積が似ていたのでそれで仮店舗として(営業した)。」

当時の店舗から椅子や鏡を運び出し、自宅の車庫で営業を始めました。

■ヘアーサロンツバサ3代目 永井敏明さん
「いままで来られたお客さんにまた来ていただけるように、できれば早く仮店舗でもいいから商売を始めようと思った。」


2008年には現在の店舗をオープンさせ、経営は順調に回復していきました。

■妻・直美さん
「(開店に)方向が向けば、あとは新しいものができるから楽しみに変わっていった。主人も父も母もいてくれたから、家族のありがたみですよね。」

常連客に通い続けてもらうため、店主がこだわっているのはシャンプー後の『マッサージ』。心も体もリフレッシュしてもらいます。

■ヘアーサロンツバサ3代目 永井敏明さん
「先代からカットが終わった後のシャンプーとマッサージは念入りにしていて、当店ならではのものと思って自信を持ってやっている。気持ちよく帰っていただくことが一番。」

■通って50年以上 70代の客
「気持ちええわ。マッサージが一番いいね。」


中越沖地震を乗り越え、常連客と共に歩み続ける『ヘアーサロン ツバサ』。
これからも地元の人が気軽に集える場を目指します。

■ヘアーサロンツバサ3代目 永井敏明さん
「いくつまで続けられるかわからないが、お客さんのオーダーに忠実にこたえこの店にきてよかった、また来ようと思ってもらえる店であり続けようと思う。」
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