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2025年11月29日(土)本日の番組表

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2025.11.28【特集】歌人にも愛された漬物店:100年ぶりの新商品「スイーツ」で魅力発信する4代目の思い【この町で~愛される老舗~|新潟】

【特集】歌人にも愛された漬物店:100年ぶりの新商品「スイーツ」で魅力発信する4代目の思い【この町で~愛される老舗~|新潟】
南魚沼市六日町にある『今成漬物店』
創業して100年以上となる南魚沼市の漬物店。数々の文人に愛された味を守りながら、新たな発想で〝漬物の魅力〟を発信する4代目の思いを取材しました。

南魚沼市六日町にある『今成漬物店』。
4代目の今成要子さん(54)は、母・正子さん(77)と二人三脚で店を営んでいます。埼玉県から訪れたお客さんが手に取ったのは『山家漬(やまがづけ)』。

■埼玉から
「漬物が好きなので買おうかなと思って。事前に調べておいしそうだなと思って買いに来た。」

■4代目 今成要子さん
「遠くから来ていただくことも多いし、漬物の話を聞いて興味を持って来てくださる新しいお客さんもたくさんいる。」

『山家漬』は錦糸瓜・越瓜・ナス・キュウリ・ワラビの5種類あり、地元の酒「八海山」の酒粕に漬けることで甘口に仕上がります。

『山家漬』を作っているこちらの蔵―
もともとはコメや日本酒の保管などに使われ、300年以上の歴史があります。

■4代目 今成要子さん
「日本酒も作っていたので酒造りの中で酒粕が出るので、その酒粕を使って粕漬けを作っていたのが始まり。」

使っているのはすべて地元で採れた野菜や山菜で、契約する農家から厳選したものだけを仕入れています。

■4代目 今成要子さん
「ワラビのあくのないおいしい味は新潟の雪深い地域ならではの味なので、風土に合った野菜を昔から漬けている。」

『山家漬』は、野菜の収穫後1~2カ月ほど塩漬けにし、夏から秋にかけ酒粕と砂糖で漬けこんで塩分を抜きます。そして、冬に入るとさらに塩分を抜き、うまみを閉じ込めるための〝本漬け〟という作業に入ります。

■4代目 今成要子さん
「これは中漬けから本漬けという最終工程に入るところ。ここで本当にうまさが最高潮になる。」

漬けかえを3回ほどすることで味に深みが出るといいます。
完成まで基本的に1年かかる『山家漬』。手間と時間をかけ、お客さんに昔から変わらない味を提供しています。

■4代目 今成要子さん
「熟成が大事なことだと感じているので、熟成期間を早めようとか手間を省こうとかは全く考えず、同じやり方でおいしく仕上がってほしいといつも感じている。」

『山家漬』の中でも、とくに人気があるのが〝錦糸瓜〟。

■白井希咲記者
「新米といただきます。錦糸瓜がシャキシャキしていて、日本酒の香りもしっかり感じられます。」


訪れた常連客も『山家漬』の大ファンだといいます。

■小学校時代からの友人
「錦糸漬の酒粕が大好きで、全部食べちゃうぐらい大好き。ずっとこの味は続けてもらいたい。」

もともとは300年以上前に今成家の保存食として始まった〝粕漬け〟。
要子さんの曽祖父・隼一郎さんが農場を開墾し、地元の野菜を全国に広めたいという思いから、明治の終わりごろ漬物業を始めました。名物『山家漬』の名付け親は、新潟市出身で書家・歌人として知られる會津八一です。

■母・今成正子さん
「商売として(漬物業を)やりたいとなったときに、會津八一先生が『俺が名前を付ける』ということで、西行の“山家集”からとって『山家漬』と名付けてくださった。」

會津八一と曽祖父は親友だったといいます。

漬物を通じた交流は他にも-
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の俳句で知られる正岡子規も粕漬けを食べたといいます。

■母・今成正子さん
「(先祖が)俳句をやっていて正岡子規先生とはずっと交流があり、おいしいもの(粕漬け)を贈ったりしていて、それの礼状。」

曽祖父の代から粕漬けの味を守ってきた要子さん。新潟に戻ってきたのは40歳のときでした。もともとは東京で出版社や高級ファッションブランドの販売員として働いていて、店を継ぐことは考えていませんでした。

■4代目 今成要子さん
「出産を機に帰ってきて手伝ったりしているうちに、うちの漬物はとても貴重なもので大事なものではないかと。帰ってきてから関わるうちに気がついた。」

■母・今成正子さん
「(要子さんは)都会でいろんな仕事をやってきたことも生かせている。」

要子さんは、もっと多くの人に〝漬物の魅力〟を伝えようと、漬物を普段食べない若者世代をターゲットにした新商品を考案。

それが、和と洋がコラボレーションしたスイーツ『つけもなか』。
もなかにクリームチーズの粕漬やレーズン・山家漬を合わせ、今成漬物店としては100年ぶりとなる新商品が誕生しました。

■4代目 今成要子さん
「もなかはコメからできていて、きっと粕漬けの酒粕もコメだし合うんじゃないかと。新しい若い世代・女性や菓子が好きな人にも漬物のよさを『漬物っておいしいんだ』と知っていただくきっかけになればいいなと思っていた。」

『つけもなか』は、2022年に地域の名産品を発掘する大会「にっぽんの宝物 JAPANグランプリ」で〝グランプリ〟に輝きました。漬物のおいしさを新しい形で表現した斬新さが評価され、その反響は大きかったといいます。

■4代目 今成要子さん
「『つけもなか』という商品をきっかけに知ってもらったり、新しいことにチャレンジすることは応援してもらえることにつながると感じた。」

現在も新商品を開発中だという要子さん。伝統の味を絶やさぬよう、店の将来についても考え始めています。

■4代目 今成要子さん
「山家漬を通じて(食べる)喜びを感じていただけるのであれば、この先も誰かが続けていってくださるようにバトンを渡したい。」
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