2026.05.15【特集】110番通報の現場にカメラが潜入!県警「通信指令室」の若手警察官に密着【新潟】
110番の心臓部で奮闘する若手警察官に密着
県内の110番通報を受ける新潟県警の通信指令室。その内部にカメラが潜入。110番の心臓部で奮闘する若手警察官に密着しました。
県内で発生する事件・事故。その通報内容を把握し、警察官に出動の連絡を入れるのが新潟県警の『通信指令員』。
姿が見えないなかで、緊迫の現場と向き合う110番の通信指令とは―
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県警本部にある通信指令室。24時間365日。新潟県内の110番はすべてこの場所につながります。その数、年間約14万件。4分に1回かかってくる計算です。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「110番新潟県警です。事件ですか、事故ですか。」
齋藤瑞紀さん(24)。3月、通信指令課に配属された新人で、この日は通報を受ける『受理役』です。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「110番、新潟県警察です。」
■通報者
「父さんの電話に警察から取り調べの電話がきている。どうしたらいいと思いますか?」
東京の警察官を名乗る人物から電話がかかってきたという通報。会話の内容を聞き取ります。
■通報者
「携帯電話がつくられていて、東京で自分の名前でつくられている。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「携帯とか通帳とか」
電子タブレットにメモしながら、詳しく聞いていきます。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「これ間違いなく詐欺なので。」
■上司
「これ(警察官を)行かせた方がいい。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「相手の電話には出ないでください。それからAさんの自宅に(警察官が)向かいますので、今日の電話の内容を教えてください。」
110番は、警察官の迅速な到着を求める『緊急通報ダイヤル』。通信指令室は、情報を集めて現場の警察官に指示を出す指令塔で、事件・事故における〝初動捜査の要〟と言われます。
■指令役
「携帯電話に警視庁をかたる警察官からの入電。金銭の支払い・暗証番号を教えた等はないが、不安なので警察官に来てもらいたい。父親とともに自宅で待つ整理番号159番、どうぞ。」
こちらは『指令役』。
受理役のメモをもとに、警察署や現場の警察官に無線で連絡し内容を伝えます。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「指令役から『これ聞いて、あれ聞いて』というのも来ますし、伝達役がこちらに(メモを)書くこともできる。それも全部見ながら。見て・聞いて・話して、大変。」
新潟県警に入り4年半、主に交番で勤務した齋藤さん。2025年に初期捜査の迅速さと正確さを競う全国大会で優勝し、通信指令室を志望しました。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「指令室では(通報者を)落ち着かせられる警察官になりたい。」
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■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「110番、警察。事件ですか、事故ですか。」
■通報者
「すみません、事故です。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「事故大変でした。何と何の事故ですか?」
■通報者
「車と人で。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「人と車ですか。はい、分かりました。救急車必要ですか?」
■通報者
「手にケガがあるみたいで。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「救急車いる、分かりました。」
車を運転中に歩いていた60代の女性と接触したという通報です。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「場所は駐車場ですか?道路上ですか?」
■通報者
「駐車場の外です。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「道路上ということですか。」
携帯電話のGPSを頼りに、通報者の位置情報をモニターに表示。聞き取りで場所を確認します。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「では、道路に出ないで安全な場所で。」
■上司
「まだ切らないで。場所そこでいいんだ?」
指導するのは、ベテランの角田貴志さん。やりとりに違和感を持ち、もう一度現場を確認するよう促します。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「店舗の駐車場のなかで起きたということですね?」
■通報者
「はい、そうです。」
■角田警部補
「場所とすると、交番側?」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「駐車場広いが、交番側の駐車場に2人いらっしゃるということですか?」
■通報者
「はい、そうです。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「ありがとうございます。警察官失礼いたします。」
■角田警部補
「駐車場がいくつかある。いくつもあるから現場に行く警察官が間違いなく現場に行けるようつめていく。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「初動のスピードが速ければ速いほど、事件だったら解決にも向かう。聞くことが1つ抜けていれば指令しにくくなるので、警察の組織だけではなく(電話を)かけている人に迷惑がかかる。そこは一刻も早くできるようになりたい。」
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配属から3週間-
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「110番、新潟県警です。どうされましたか?」
■警察官
「交番に来て、暴行被害の届け出ということで。暴行ですね。」
交番の警察官から、暴行の被害を受けた男性がいるという連絡が入りました。
■被害者
「殴られて鼻血が出て、骨が折れているのか肋骨(ろっこつ)が出ている。」
■警察官
「救急車はいる?」
■被害者
「いらない。いらないが鼻から出血ですね。」
駅で男に因縁をつけられ殴られたという通報です。男はその場を立ち去ったといいます。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「場所を地図で確認しているが、駅の中ですね。身長どれくらいの人ですか?」
■上司
「それあとでいい。先に逃走手段。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「どっち方向?」
■通報者
「新潟方面。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「何で行きました?」
■通報者
「電車で。」
殺人など凶悪事件で手配をかける場合、逃げた方向などを聞き取って警察署や現場の警察官と共有します。
■県警通信指令課 角田貴志警部補
「自分が成長しようと思ってメモも一生懸命書いていますし、成長できているなと。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「場所の特定というのはうまくできるようになってきたし、自分のなかで形ができてきた。体が覚えるようになるくらいになれば。」
一方、緊急ではない通報も入ります。
■通報者
「携帯を無くしてしまいまして、番号が分からなくて。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「何の番号?」
■通報者
「三条警察署の番号が分からなくて。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「110番したんですね。」
不要不急の通報は、全体の3割にのぼります。
なかには、このような通報も・・・。
「落とし物をした」
「免許更新について教えてほしい」
■県警通信指令課 南波寛明次長
「すぐに警察に来てほしいのが110番。落とし物や相談事は、最寄りの警察署や相談ダイヤルにかけてもらう形。」
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街の人に『110番の使い方』について聞きました。
■70代
「(Q.通報する基準は?)その時その時。基準は決めていない。(Q.落とし物は警察署に連絡するのは?)何も知らなかった。」
■20代
「落とし物であれば行った場所で確認して、それでも無理なら念のため110番するかな。(110番は)近くの警察署につながっていると思っていた。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「不要不急の通報を受けていると大切な110番が後回しになり、犯人が逃げている通報が後回しになるとその間に車だったら逃げられてしまう。ご自身で(警察署の)電話番号を調べて対応していただきたい。」
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齋藤さんが警察官を志した理由・・・祖父の俊明さんは新潟県警の元警察官です。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「みんなが寝ている時間にいきなり電話がかかってきて出勤する姿もあった。そういう姿を見ると、かっこいいなと思っていたんでしょうね。」
■齋藤さんの祖父・俊明さん
「(小さいときから)私の背中を見ていたんじゃないでしょうかね。地域の人の声を聞いてもらいたい。110番の受理は一番密着しているから。」
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この日は、今年配属された通信指令員への試験。デモンストレーションの通報に対し、適正に対処できるかをチェックします。審査員として、指導する角田さんも参加しました。
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「新潟県警、110番通報です。事件ですか、事故ですか。」
■通報者役
「救急車お願いします。人がはねられました。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「人と車の事故ですか?車はそこにいますか?」
■通報者役
「車は逃げました。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「犯人の性別を教えてください。」
■通報者役
「男でした。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「車に同乗者は?」
・・・
大きなミスなく終了。
結果は〝合格〟でした。
■県警通信指令課 角田貴志警部補
「正確性、できなかった課題だった。その点がすごく成長してできていた。」
■県警通信指令課 齋藤瑞紀巡査
「素直にうれしい。技術の向上に努めていかないと。ここで身につけたことを他の警察官にも伝えて、立ち上がりが速い安心安全を作れる警察官を目指したい。」