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2026.03.11【特集】200年以上つづく山の中にポツンとある一軒の温泉宿「水墨画のような景色」〝事業継承〟した夫婦 次の代へ【新潟】

【特集】200年以上つづく山の中にポツンとある一軒の温泉宿「水墨画のような景色」〝事業継承〟した夫婦 次の代へ【新潟】
秋山郷の逆巻温泉『川津屋』
2025年12月、津南町の秋山郷で江戸時代から続く一軒の温泉旅館が〝事業承継〟されました。先代から引き継いだのは、ビジネスホテルの支配人をしてきた千葉県出身の男性です。

豪雪地として知られる津南町の秋山郷。長野県栄村にまたがる地域にあります。四季折々の風景が楽しめる場所で平家落人伝説も有名です。

山の中にポツンとある一軒の温泉宿。
200年以上の歴史がある逆巻温泉『川津屋』旅館を営むのは、千葉県出身の和田泰明さん(50)と糸魚川市出身の妻・早苗さん。2025年12月、事業承継という形で先代から引き継ぎました。

和田さんは将来的に旅館経営をしたいと考え、鳥取県や広島県などで大手ビジネスホテルの支配人を約8年経験してきました。

■逆巻温泉『川津屋』和田泰明さん
「ここに来て、この景色を東京の人たちに見ていただきたい。建物もないし山が広がっていて、とくに夜雪が降って、朝晴れたときの水墨画のような景色を見ていただきたい。」


午前中は宿泊客を迎える準備、雪かきは欠かせません。

■逆巻温泉『川津屋』和田泰明さん
「(雪かきは)鳥取にいるときに年に1回か2回。こんなにやったのはここが初めて。まだ楽しいからやっていられるけど。」


『川津屋』の創業は江戸末期-
源泉かけ流しの洞窟風呂には、小説家の吉川英治も湯につかり「新・平家物語」の構想を練ったとも言われています。

部屋は5部屋あり、窓から見えるのは秋山郷の雪景色です。料理は主に早苗さんが担当。地元の食材にこだわり、旬の野菜や山菜を使った料理、クマ・シカなどのジビエ料理などを提供します。

一緒に料理をするのは、先代の吉野徹さん(77)です。

■先代 吉野徹さん
「半日以上煮込む、これはクマの前足。ちょっと筋肉質がある。」

宿泊客が来たときには一緒に厨房(ちゅうぼう)に立ち、料理のアドバイスを送ることも。吉野さんは、川津屋の伝統や経験を2人に伝えています。

■妻・和田早苗さん
「(吉野さんは)親子じゃないけど親子みたいに、最近は言い合いじゃないけどお父さんみたいに接している。自家製ばかりなので一から勉強です。」

吉野さんの曽祖父が創業した『川津屋』。自身の高齢化にくわえ後継ぎもいないこともあり、事業承継を考えていたと言います。

■先代 吉野徹さん
「77歳になって長男が亡くなったり家内が亡くなったり、事業を続けていくのがきついなと。でも200年続く温泉もあるので、できればやっていただきたい。やってくださる方で和田さんが手を挙げてくださいました。」


吉野さんが利用したのは『津南町継業バンク』です。
津南町は、4年前に岡山県に本社を置く「ココホレジャパン」が運営する『ニホン継業バンク』に専用サイトを開設。現在、津南町では5件の後継者を探しています。

■新潟継業サポートセンター 古池健二郎エリアマネージャー
「後継者を探しているというのもあるが、もっと大きく言うと後継者がいない現状が多い。実際、地域の産業がなくなると観光客・交流人口・関係人口・地域に関わる人が減る。まずは地域の産業を残して、関わる人を増やすのが今後の課題。」

3年前から後継者を探していた吉野さん。応募や問い合わせはあったものの、ネックは金額面でした。

■新潟継業サポートセンター 古池健二郎エリアマネージャー
「(譲渡額が)かなり高額だった。融資が受けられない。だいぶ希望者は多かったが、実際に融資が受けられず継承がかなわない。和田さんは1年かけて銀行をまわり、公庫から融資を受けることになった。」

和田さんは融資先を見つけ、吉野さんが所有する建物と周辺の山林約3万3000㎡を数千万円で購入しました。

■逆巻温泉『川津屋』和田泰明さん
「この地にいない人間が突然来て『お金貸してくれ』と言っても、そうそう貸してくれないのでそこでけっこう苦労して、最後に日本政策金融公庫が融資してくれた。」


この日、宿泊したのは栃木県から来た女性。川津屋に来たのは初めてだといいます。

■栃木県から
「(来てみて)秘湯は好きなので想像通り。(Q.何が一番楽しみ?)洞窟の温泉、手で掘った温泉、あとはジビエ料理。」

女性の職業は美容師。平日に休みが取れたとき、静かな温泉宿を探して泊まりに行くといいます。


夕食の時間-
まずは「きくらげの和え物」や「こごみのごまあえ」などの山菜が提供されます。

■栃木県から
「山菜も家ではできない。」

自慢のジビエ料理は「日本鹿の和風デミグラスソース」。
そして、「自家製タレ 月ノ輪熊(ツキノワグマ)の熊鍋」です。
実際に食べてみると…

■栃木県から
「全然臭くない、おいしい。何の肉だかわからないくらい、脂が甘い。」


事業を引き継ぎ3カ月が過ぎました。慣れるまでは宿泊客の数を抑えながら営業しています。

■逆巻温泉『川津屋』和田泰明さん
「私たちもそうだが、次の世代につなげられるような、つなげるにはある程度の売り上げがないといけないので。この時代なのでSNSを使って、ここから見える景色を発信したい。」
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