2026.02.27【特集】70年以上続く食堂で愛されてきた名物「ラーチャン」【この町で~愛される老舗~|新潟】
二人三脚で営む夫婦を取材
新潟市中央区で70年あまり続く食堂を訪ねました。ラーメンとチャーハンのセット『ラーチャン』は、長年愛されてきた名物メニューです。常連客に支えられながら二人三脚で営む夫婦を取材しました。
県内ではなじみ深いラーメンとチャーハンのセット『ラーチャン』。新潟市中央区沼垂(ぬったり)にある「食堂 衆楽(しゅうらく)」。3代目の吉川満さんと妻・美恵子さんは、70年以上続く店を守り続けています。
■髙橋泉アナウンサー
「こちらがメニューですか?いろいろな種類のメニューがあってたくさんありますね。」
■食堂衆楽 吉川満さん
「一般食堂はなんでもありという感じ。」
■妻・美恵子さん
「お客さんの要望もありましてメニューが次々増えていきました。」
これまで多いときには200種類以上のメニューがあり、訪れる人の胃袋を満たしてきました。近年は近くの古着屋を訪れた若者が食堂に寄ることも多く、ラーチャンやカレーライスは800円と価格も良心的です。
■妻・美恵子さん
「皆様におなかいっぱい食べていただきたいという思いもありますよね。子ども連れで来られる方も多いので、シェアしたり食べられるように値段も安く設定した。」
名物の『ラーチャン』は、町工場が多かった沼垂の地域で働く人たちにおなかいっぱい食べてほしいという思いで、創業当初から提供していました。
■食堂衆楽 吉川満さん
「中小企業や大きい会社もいっぱいあってそれなりに労働者がたくさんいたので、ラーメンとライスでは寂しいので父親がチャーハンをあおって提供した。」
『ラーチャン』と店で呼ぶようになったのは、オーダーを受けた際の厨房(ちゅうぼう)での会話がきっかけでした。
■食堂衆楽 吉川満さん
「父親が厨房のなかでの話で、チャーハンの『チャ』と『ン』を縮めて言って『チャン』って言った方が耳に残りやすいし間違えにくいので、縮めて言ったのが事の始まり。」
こだわりのラーメンは、先代の味を受け継ぐスープ。
ゲンコツ・モミジ・豚足などでだしを取り、タマネギやショウガ・ニンニク・煮干しなどを入れて約20時間じっくり煮込みます。
■食堂衆楽 吉川満さん
「臭みがなくなるから結構長く煮込む。翌朝だしを取ってっていう感じ。代が変わると多少味が変わっちゃうけど、それはそれでオリジナリティーでいいんじゃないかなと。」
チャーハンはあっさりしたラーメンとの相性を考え、濃いめの味つけです。
■髙橋泉アナウンサー
「いただきます。昔ながらのどこか懐かしい味がします。チャーハンもいただきます。味がしっかりしていておいしい!ラーメンとの相性がばっちりです。」
若い人の一番人気はボリューミーな『カレーライス』。多いときは1日に30食出るといいます。こちらの男性は、カツカレーの大盛りを注文しました。
■新潟市東区から 初めて来店(30代)
「サイズ感がでかくて食べ応えがある。雰囲気もよくて料理もおいしいので、これからも来ようと思う。」
■新潟市北区から 常連客(30代)
「ここのカレーはトマトベースで酸味もあっておいしい。THE・家カレーみたいな感じで心打たれているので。(Q.店の魅力は?)なんでもおいしいものが食べられて気楽に行けるところ。」
「食堂衆楽」は、製麺業を営んでいた祖父・吉太郎(きちたろう)さんが1955年に創業。吉川さんはもともと企業の社員食堂で調理師として働いていましたが、約30年前に父親の後を継ぎました。
■食堂衆楽 吉川満さん
「結構プレッシャーもあるし、臨機応変でなんとか乗り越えてという感じ。」
会社員だった美恵子さんは接客業の経験はありませんでしたが、結婚を機に店で働き始めました。
■妻・美恵子さん
「(はじめは)私 無理って思いました。てんてこまいで覚えるのもどうしようってあたふた、最初のころは。」
もともとは両親と4人で営んできましたが引退し、いまは2人に…。
人手が足りず大変なこともあったと言います。
■食堂衆楽 吉川満さん
「チャーハンを作ってラーメンをあげるから、いままでは同時進行だった。ある程度チャーハンをあおりながら、麺を入れながらやっているけど、結構限界がある。大勢来ると。」
■妻・美恵子さん
「もうちょっとメニューを減らせばいいんでしょうけど。お客さんのニーズに応えちゃうと『(メニューが)なくなったね』と言われるのもね。」
それでも、二人三脚で頑張り続けるのは〝常連客の存在〟です。
■妻・美恵子さん
「やっぱ家族のために頑張ろうとか、大事なお客さんが来てくれているとか、その思いですよね。こんな自分でも頑張れたんだなみたいな。」
いつも訪れた常連客の写真を撮って思い出を記録しています。
■常連客(30代)
「(美恵子さんに)ファンはいっぱいいると思う。人柄がよくなんでも聞いてくれます。これからも2人で仲良く〝目指せ100年〟で頑張ってください。」
■妻・美恵子さん
「100年はできないだろ。」
後継者はいませんが、これからも常連客の要望に応えながら、2人のペースで店を守り続けます。
■食堂衆楽 吉川満さん
「普通に淡々とやれるまでやって、やれなきゃやめればいいし。あまり考えない、先のことは。」
■妻・美恵子さん
「こういう仕事が大好きです。お客さんを思いながら仕事ができる。それが長くやっている秘訣(ひけつ)かなって思う。できる限り、あと何年できるかわからないけど頑張っていこうかなと思う。」