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2026.01.09【特集|チーム医療の現場】患者を支える「心臓リハビリテーション指導士」の現場を取材【新潟】

【特集|チーム医療の現場】患者を支える「心臓リハビリテーション指導士」の現場を取材【新潟】
県内の課題は?
心疾患を発症した患者への運動療法や心理的ケアなどにより社会復帰を支える『心臓リハビリテーション指導士』に注目が集まっています。チーム医療で患者を支える心臓リハビリの現場と、県内の課題を取材しました。

新潟市中央区にある新潟南病院。
行われていたのは、心臓リハビリテーション。この日は心疾患の治療をしている90代の男性がリハビリをしていました。

■心疾患でリハビリ 90代
「使わない筋肉を使うと息が上がるけれど、慣れてくると何ともない。最初はきつかった。力がついたおかげでしょうね。」

心臓リハビリテーションとは、心臓や血管を患った患者の再発を防ぐために行われる運動療法や生活指導などの総合的な取り組みです。その専門的な知識を持つのが心臓リハビリテーション指導士=『心リハ指導士』の資格を持つ医療従事者です。

■理学療法士(心リハ指導士) 遠山岳海さん
「心臓の機能が弱くなった患者さんに対して、その機能を上げるようなリハビリをしています。不整脈が出ていないかが気を付けるポイントで、心不全の症状が悪化していないか確認しながら運動していました。」

厚生労働省の推計によると、2023年の心疾患の患者数は全国で約358万人。2020年に比べ50万人以上増えています。新潟大学大学院の猪又孝元教授は、県内の心臓リハビリについて課題が多いと指摘します。

■新潟大学大学院 医歯学総合研究科 猪又孝元主任教授
「心臓リハビリの風土もあまりなく理解してくれる先生もいなかったからか、全国に比べ診療の施設数や関わっているお医者さんの数は全国でも最下位レベルにとどまっています。」

日本心臓リハビリテーション学会に登録された県内の心リハ指導士は98人。佐渡市には1人も登録されていないなど地域によって偏りがあります。

■新潟大学大学院 医歯学総合研究科 猪又孝元主任教授
「生活を支えるためには心臓だけなおしてもうまくいかない。そこ(心臓)を支える武器が、じつは心臓リハビリテーションのメニューに加わっています。心臓病の方を幸せにしてあげる最大の道具。」

猪又教授を中心に、心疾患にかかわる医療を充実させようという取り組みが始まっています。

2025年7月、新潟大学医歯学総合病院内に開設された『にいがた脳心(のうしん)センター』。
脳血管や心臓、いわゆる循環器系疾患に関する相談を無料で受け付けるほか、この分野にかかわる医療人材の育成などを目指します。

■新潟大学大学院 医歯学総合研究科 猪又孝元主任教授
「まず圧倒的に医者が足りないというのがあると思う。資源の足りなさをシステムとして補っていく努力が必要だと思う。」

2022年には、心リハ指導士の資格取得を支援するためクラウドファンディングを実施したところ700万円が集まりました。奨学金などに活用され、これまで22人が心リハ指導士の資格を取得しました。

合格者の1人、新潟南病院で理学療法士を務める遠山岳海さんです。

■理学療法士(心リハ指導士) 遠山岳海さん
「費用が5~6万円かかるというところも資格を取るための壁になるかなと。あとは試験対策でどうやって勉強したらいいのかなかなか一人では難しくて、そこもクラウドファンディングで講義とか教えていただいたので助かりました。」

心リハ指導士の資格を取得するには、1年以上心臓リハビリに従事していることや毎年講習会に参加することなどが条件です。

■理学療法士(心リハ指導士) 遠山岳海さん
「(資格取得後)日々の診療のなかで、リハビリの質が上がったと思っています。」

新潟南病院は、退院後の外来リハビリテーションも行っています。遠山さんら理学療法士や医師など5人が心リハ指導士の資格を持っています。

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「外来での心臓リハビリをやっていない病院も多いので、心臓リハビリというのは継続的にやっていくことがすごく大事なので転院での受け入れはすごく多いです。」

2年前の夏に心不全を発症した杉森亮二さん(61歳)。ふとした瞬間の息切れをきっかけに呼吸器内科を受診したところ、心臓の症状を指摘されました。

■杉森亮二さん
「肺の病気と思っていたら心不全ということでかなりびっくりして、そんな大病とは思っていなかったので即入院という形になりました。」

2025年春にカテーテル手術を受け、仕事復帰した後も月2回 外来リハビリテーションをうけています。

■杉森亮二さん
「治らない病気と言われたので、いかに長くここで気持ちを切り替えて(5年)生存率が50%なら50%の人は生存していると思って。」


心臓リハビリで重要なのは『多角的な治療』です。
心臓リハビリでは運動療法だけでなく、生活習慣の改善や心理面のケアも欠かせません。新潟南病院では治療方針を決めるのに、多いときは8つの職種が集まってカンファレンスを開きます。

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「何かデスクワーク中の合間で出来るような運動指導ってあったりしますか?」

■栄養士
「運動習慣が増えて体育館に行き、帰ってきてお酒を飲む量が増えたらどうしようというのがある。」

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「患者さんの病気だけではなく生活も含めたサポートをしていくために、各職種が情報を共有して目標や問題点を確認していくことが大事。」

こちらは『心肺運動負荷試験』。
検査を通じて現在の体力と心臓の状態・リハビリの効果を確認し、今後のリハビリ内容を決めることができます。この日、検査をうけていた80代の男性は、1年ほど前から心不全の治療を続けていて今回が3回目の検査です。

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「だいぶ限界でした?」
■80代男性
「息がちょっとね。」
■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「足が苦しいよりも息が苦しかったですか?」

疲れを感じたところで、検査は終了。
しかし、過去2回に比べエアロバイクをこいだ時間が短くなっていました。

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「検査をきっかけに心臓の状態を見直すことにつながるので、悪化の兆しをつかんで再入院を防ぐことができるのが良い点。」

心臓リハビリを続けることで、より早く病状の変化に気づくケースも多いといいます。心リハ指導士の資格を持つ星合愛医師は、心臓リハビリを充実させることが医療体制のひっ迫を防ぐことにもつながると考えています。

■新潟南病院 心リハ指導士 星合愛医師
「救命しなければいけない人でも救えなくなってくるような医療体制が崩壊してくるような時代になってきているので、救急の現場に負担をかけないためにも心臓リハビリテーションの再発予防というのは大事になってくる。」
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