2025.07.04コメの価格高騰…〝酒造り〟に影響、県酒造組合「行政支援を求める」【新潟】
「値上げを検討せざるを得ない」と切実な声
コメの価格高騰で『酒造り』にも影響が出ています。原料となる酒米の仕入れ価格が2025年産から上がる見込みで、県内の酒蔵からは「値上げを検討せざるを得ない」と切実な声が聞かれました。
魚沼市にある「緑川酒造」明治17年(1884年)創業の141年続く老舗の酒蔵です。5代目の大平俊治社長は、主食用米の価格高騰は酒造りに欠かせない酒米にも影響が出てくると話します。
■緑川酒造 大平俊治社長
「我々は原料なのでコメがとんでもない価格になれば、1本あたりの酒にかかる負担がどんどん大きくなって値上げせざるを得なくなる。」
緑川酒造の酒米はすべて県産で、このうち7割ほどが地元の農家が栽培した魚沼産のコメを使用しています。
■緑川酒造 大平俊治社長
「元々、コメ自体はたぶん全国で1番高いコメを使って、魚沼の特別の農家の人たちに顔の見える商品を頂いている。もちろん五百万石、掛米も使っている。」
通常、酒米は収量が少なく手間もかかるため、主食用米よりも高値で取り引きされてきました。しかし、一部の品種で主食用米の価格が逆転し、今後、酒米にも影響を及ぼす可能性があります。大平社長は、酒米の調達を担う県酒造組合の会長と酒造協同組合の理事長を務めています。すでに取引先との交渉で、25年産の酒米は値上げを提示されています。
■緑川酒造 大平俊治社長
「(価格が)上がるということは間違いない。上げ幅をどこに収めるかという交渉。」
組合が求めているのは、国や県による『行政支援』です。
■緑川酒造 大平俊治社長
「(酒米が)高くなることは間違いないので、そのいくばくかでも補助を頂く。我々も痛い目にあうかもしれないが、そういうものと合わせて緩和していく。質を落とすわけにはいかない。」
緑川酒造は、2021年からウイスキー樽を使った新たな酒造りに取り組んでいます。
■緑川酒造 大平一幾取締役
「酒を熟成してブレンドしてという作り方をしているので、ウイスキーの作り方と親和性がある。樽からのフレーバーが出てくるので、日本酒だけじゃない味わいが出せる。」
さらに、アイガモを使ってすべて手作業によるコメ作りにも挑戦!
伝統を守りながら、こだわりの酒造りを追及しています。
■緑川酒造 大平一幾取締役
「自分たちの目の届く範囲で最高のコメ作り・酒造りができたらと思う。」