2025.12.08不漁続く・・・佐渡の冬の味覚「寒ブリ」漁に異変、市場からは不安の声【新潟・佐渡市】
数年前からつづく不漁について専門家は
佐渡の冬の味覚『寒ブリ漁』に異変です。例年、11月に入ると脂の乗った寒ブリが水揚げされますが、今シーズンは不漁が続いていて市場からは不安の声も上がっています。
佐渡市の鷲崎漁港テントの前にできた長い列。お目当ては、旬を迎えた『寒ブリ』です。
■買い物客
「これ10kgでしたね。これを狙って来た。」
会場では、いけす内で泳ぐぶりの順位を競うレースやあら汁や切り身などが販売され、訪れた人たちは冬の味覚を楽しんでいました。
■買い物客
「すごくおいしいです。温まります。」
■買い物客
「あら汁をいただきました。身も心も温まりました。」
漁協によりますと、佐渡では一般的に8kg以上のブリを『寒ブリ』と呼んでいます。両津湾では、例年11月ごろから身の締まった寒ブリが水揚げされますが、3年ほど前から水揚げ量が少なく不漁傾向が続いているということです。
今回は、事前に寒ブリを100本近く確保してイベントを開催しました。
■内海府漁業協同組合 本間信俊代表理事組合長
「温暖化・気候の悪さ・逆に温かすぎて。ブリがとれる気候になればと感じている。来年以降は(開催)時期をどうするかということが肝心。」
8日朝、佐渡市の市場を訪れると寒ブリが水揚げされていましたが、量は多くありませんでした。
2024年の同じ時期と比べるとブリの漁獲量は1割ほど多いと言いますが、逆に寒ブリは1割ほど少ないと言います。
■佐渡水産物地方卸売市場 木村章平係長
「小さいブリややせ細ったのが多いので、去年よりはとれているが寒ブリはとれていない。だいたい1月・2月くらいに大きなかたまりが入る。」
数年前からつづく不漁について専門家は-
■県水産海洋研究所 樋口正仁所長
「佐渡の周りの海水温が高いので、新潟県より北の方にまだ寒ブリが生息していると考えています。」
ブリは14℃以上の水温を好むため、現時点では北の海から南下するブリは新潟県より上の海域にとどまっており、今後冷たい水域が広がりブリが南下する海域が限定されると佐渡での漁獲につながるといいます。
■県水産海洋研究所 樋口正仁所長
「今後 水温が下がってくると北にいるブリが南下してきて、佐渡の新潟県沖にやってきて佐渡で漁獲される可能性はあるかと考えています。」