2025.08.21仮渡し金増で新米価格への影響は?専門家に聞く「いまの店頭価格がそのまま横にずれるイメージ」【新潟】
収穫量が減った場合は今より値上がりする可能性も
仮渡し金の大幅な増額について、専門家は背景に業者間のコメの買い取り競争があると指摘します。
■コメの流通を研究 新潟大学農学部 伊藤亮司助教
「とにかくコメが集まらないと、1年間を通じて売っていくことが難しくなる。それを回避するため、買い負けしない価格でライバルを何とか抑えていく。」
北海道や宮城など他の主要産地のJAも大幅に仮渡し金を引き上げています。気になるのは仮渡し金の引き上げが新米の店頭価格にどう影響するかです。
今週初めに発表された全国のスーパーでのコメの平均価格は5kgあたり税込みで3737円。前の週から195円値上がりしました。過去3年で最大の値上げ幅です。
■コメの流通を研究 新潟大学農学部 伊藤亮司助教
「今年秋以降の新米が出回る時期の価格は、今店頭に並んでいる価格がそのまま横にずれるイメージ。(今の店頭価格と)同水準になるように、むしろ仮渡し金の価格設定が行われたという事情になっている。」
一方、高温や渇水・台風の影響などで今後 収穫量が減った場合、今より値上がりする可能性もあるといいます。
■コメの流通を研究 新潟大学農学部 伊藤亮司助教
「基本的には需要と供給のバランスによって価格が決まるので、短期的に見れば生産量が落ちればその分コメの値段が上がっていくというシナリオは、いくつかの選択肢の中の1つには当然ある。」
20日、小泉農水大臣が備蓄米の販売期限を延長すると発表しましたが、備蓄米が新米の価格に与える影響は-
■コメの流通を研究 新潟大学農学部 伊藤亮司助教
「新潟・魚沼のコシヒカリと、だいぶ古い備蓄米とでは、マーケット自体を別として考えた方がいい。備蓄米が安く出回ったからといって、銘柄米も連動して下がるという効果は良くも悪くも乏しい。」
新米を楽しみに待つ消費者にとっては、厳しい秋となりそうです。