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2025.07.01修理断念する人も…能登半島地震から1年半 液状化被害の住宅のいま【新潟】

修理断念する人も…能登半島地震から1年半 液状化被害の住宅のいま【新潟】
液状化被害を受けた『ホテル寺尾』
能登半島地震から1年半が経ちました。液状化により大きな被害を受けた新潟市西区では、住宅の再建が進められています。一方で、工事の長期化により修理を断念した人もいます。現地を取材しました。

新潟市西区に住む、田中洋子さん(82)。2024年1月の能登半島地震の影響で液状化の被害を受け、築50年の自宅が傾きました。2025年2月から工事を行い、リビングなど生活空間となる3部屋分の床を直しました。

■田中洋子さん
「5月に(工事が)終わってから、おかげさまでっていう気持ちで楽しく生きるということにした。(1年半)あっという間だったような、長かったような。」

田中さんは13年前に夫が他界し、自宅で一人暮らし。夫と暮らしてきた家を建て替えることは考えなかったといいます。

■田中洋子さん
「この家が朽ちるときに私も一緒に朽ちたい。だから他に移る気持ちはございません。思い出の土地、2人で作った家ですから。」

しかし、予定していた廊下の傾きを直す工事などを諦めました。

■田中洋子さん
「大工さんが来られるのを待っていたら、予定が立ちませんよね。いちいち『明日来られますか。いつですか』ってお尋ねして外出ができませんでしょ。」

工事終了の見通しが立たないことにストレスを感じていたと言います。
廊下は傾いたまま-

■田中洋子さん
「振り向いたときにくらっとする感じ。我慢もしょうがないですわね。やっぱり液状化対策はした方がいいんだと思います。(地震で)怖い思いしましたから。大切なことだと思います。」


県内では、2万5000棟あまりの住宅に被害が出ていて、このうち新潟市が全体の7割を超える約1万8400棟です。新潟市は、8月に液状化被害が深刻だった新潟市西区と江南区について液状化の対策方法の方針を示す予定で、費用の一部は住民に求める方針です。

■田中洋子さん
「負担がどのくらいになるかですよね。自分が負担できる範囲内だったら負担してやってもらってもいいと思いますけど。」


新潟市西区の『ホテル寺尾』。6月、建て直した本館の外装が完成しました。

■ホテル寺尾 勝島猛代表
「今度の新しい本館になります。フロントが広くなって、前の仮設からうつるようになって仕事がしやすくなった。これが新しいツイン、準備中ですね。新しいので、お客様にもきっと喜んでもらえると思う。」

『ホテル寺尾』は液状化被害を受け、本館と別館の3棟が傾きました。本館は中規模半壊の判定を受け、建て替え工事をしていました。

■ホテル寺尾 勝島猛代表
「『宿泊施設がどうしても必要だ』と連絡ももらいます。(ホテルが)西区にとってのインフラという風に、自分の中では思っています。大変だけど、思い切ってここを取り壊して新しくしようと。」

本館の建て替え工事代は、約1億円に。銀行から融資を受け、毎月約60万円を20年かけて支払う予定です。

■ホテル寺尾 勝島猛代表
「お金のことが1番いっぱいですね。お客さんが来てくれればいいんですけども、来なくなったらどうしようとかって思いますよ。」

今後、ホテルの内装などを整え、7月中旬に本館のオープンを目指します。

■ホテル寺尾 勝島猛代表
「苦しい1年半だったので、まだ1年半しか経っていないんだと私的には長く感じましたね。ただこれを機に新しくなったわけですから、お客さんに喜んでもらえるような宿を目指してやっていきたいなとは思っています。」
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